大学無償化、対象は年収380万円未満…政府が基本構想

 政府の「人生100年時代構想会議」は平成30年6月13日、人づくり革命の基本構想をとりまとめた。大学の無償化については、年収380万円未満の世帯を授業料減免や給付型奨学金の対象とし、世帯年収に応じて段階的に支援する。

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  • 国立大学授業料の推移、給付型奨学金の導入
 政府の「人生100年時代構想会議」は平成30年6月13日、人づくり革命の基本構想をとりまとめた。大学の無償化については、年収380万円未満の世帯を授業料減免や給付型奨学金の対象とし、世帯年収に応じて段階的に支援する。

 人づくり革命の基本構想は、少子高齢化社会を見据えた人材投資のための主要方針や政策をまとめたもの。「幼児教育の無償化」「高等教育の無償化」「大学改革」「リカレント教育」「高齢者雇用の促進」について盛り込んでいる。

 このうち、高等教育の無償化については、住民税非課税世帯(年収270万円未満)の学生に対し、授業料と入学金を国立大学は免除公立大学は国立大学の金額を上限に免除する。私立大学の場合は、授業料は国立大学の金額に加え、私立大学の平均授業料と国立大学の授業料の差額の2分の1を加算した額まで、入学金は私立大学の入学金の平均額を上限に免除する。短大、高等専門学校、専門学校も大学に準じる。

 給付型奨学金は、住民税非課税世帯の学生が学業に専念した学生生活を送るのに必要な生活費を賄えるよう、修学費(教科書・参考図書など)、課外活動費、通学費、食費(自宅外生に限って自宅生分を超える額を措置)、住居・光熱費(自宅外生に限る)、保健衛生費、通信費などを対象経費とする。大学、短大、高等専門学校、専門学校の受験料も計上する。

 住民税非課税世帯に準じる低所得世帯についても段階的な支援を実施。授業料減免や給付型奨学金により、年収300万円未満の世帯は3分の2、年収300万円から年収380万円未満の世帯は3分の1を支援する。

 支援対象者に対しては、大学進学後、学習状況を毎年確認し、1年間に取得が必要な単位数が6割以下、GPA(平均成績)などを用いた客観的指標で成績が下位4分の1などの場合は、大学などから警告を行い、連続の警告などで支給を打ち切る。また、支援措置の対象となる大学などには、実務経験のある教員が卒業に必要な単位数の1割以上を担当するなど、要件を設けている。

 中間所得層に対する支援については、「低所得世帯に限定した支援措置、大学改革や教育研究の質の向上と併せて、中間所得層における大学などへのアクセスの機会均等などについて検討を継続する」との記述にとどまっている。
《奥山直美》

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