準備OK?プログラミング教育必修化…小学生親子のパソコン事情

 2020年より小学校で本格的に実施される新学習指導要領により、必修化されるプログラミング教育。ご家庭のパソコン事情や不安とは?本音の親子座談会と親子プログラミング体験会に密着取材。

教育・受験 小学生
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ご家庭のパソコン事情や不安とは?
  • ご家庭のパソコン事情や不安とは?
  • 「プログラミングの必修化は賛成です。不安なのは、家で親が教えられるのか。」伊藤さん(仮名)
  • 「私の知識を超えた使い方をすることが不安です。」有賀さん(仮名)
  • 「制限をつけていないパソコンで動画を見始めたら怖い。」東本さん(仮名)
  • NEC レノボジャパングループ 森部浩至氏「プログラミング学習は、論理的思考を鍛えるという意味が強い」
  • micro:bit に指示をするコードをプログラミングするようす
  • 有賀さんご自身もお子さまと一緒にプログラミングに挑戦
  • 有賀さんの4年生の息子さんは黙々とプログラミングを進める
 2020年より小学校で本格的に実施される新学習指導要領により、必修化されるプログラミング教育。すでに体験学習を始めている学校もあれば、そうでない学校もあり、地域差も大きいようだ。しかも、保護者がこれまでに受けたことがない授業だけに、不安に感じているご家庭も多いだろう。

 そこで、小学生のお子さまをもつお母さまとお子さま方をお招きし、ご家庭のパソコン事情や不安などを本音で語っていただいた。後半には親子でプログラミング体験もしていただき、その感想を伺った。

 使用するパソコンの提供やプログラミング体験の講師をしてくださったのは、家電量販店のエディオン、NEC レノボジャパングループの皆さま。お母さまたちが抱える、我が子がインターネットを使うことへの不安、プログラミング教育必修化に関する理解度を探った。

小学生のパソコン事情



 お集まりいただいたのは、東京都内在住の3組の親子。

・伊藤さんと小学校2年生お子さま(男子)
・有賀さんと小学校4年生のお子さま(男子)
・東本さんと小学校4年生のお子さま(女子)
※いずれも仮名

 皆さん同じ地域にお住まいの、仲の良い方々だ。

 まずは、ご家庭でのパソコンの使用状況をお聞きしたところ、各ご家庭とも、「1台のパソコンを家族でシェアして利用している」との回答だった。どちらかというと、子どもたちにはあまり利用させていない状況が伺えた。というのも、パソコン&インターネットを小学生に利用させることへの不安、心配があるからだ。

伊藤さん:たとえば海外の風景をインターネットで見て、実際には行ったこともないのに行って見てきたように思ってしまうのではないかと思うと心配ですね。本当の経験値が落ちるように思いますし、正直、タブレットも家には入れたくないです。でも、パソコンを使うことは、IT社会のなかで必要なスキルなので、うまく取り入れるためにもプログラミングの必修化は賛成です。不安なのは、家で親が教えられるのかということと、どれだけ家で使用制限をしてうまく付き合っていけるかですね。

「プログラミングの必修化は賛成です。不安なのは、家で親が教えられるのか。」伊藤さん(仮名)
「プログラミングの必修化は賛成です。不安なのは、家で親が教えられるのか。」伊藤さん

有賀さん:先日、中学生の娘が何を調べているのか気になったのでGoogle検索の履歴を確認してみました。一見、変なところもなく安心していましたが、実は娘はシークレットモード(*)を使っていたことがわかりました。私はそれまでシークレットモードを知りませんでしたから、私の知識を超えた使い方を娘がしていることに驚いて、不安になりました
*シークレットモード:Webページを見ることができるブラウザGoogle Chromeの機能の1つ。この機能を使うと閲覧履歴が保存されない。

「私の知識を超えた使い方をすることが不安です。」有賀さん(仮名)
「私の知識を超えた使い方をすることが不安です。」有賀さん

東本さん:我が家では、子どもたちがタブレットで動画ばかり見るので没収しました(笑)。今は、子どもたちは私のスマホで見たい動画を検索して視聴しています。制限をつけていないパソコンで動画を見始めたら怖いですよね。

「制限をつけていないパソコンで動画を見始めたら怖い。」東本さん(仮名)
「制限をつけていないパソコンで動画を見始めたら怖い。」東本さん

 親世代が学校で学んでこなかったパソコン。お母さま方は、子どもへの悪影響があるのではないかと不安を抱えているようす。一方で、社会に出たらパソコンを使いこなすことは必須のスキル。お母さま方のなかで葛藤があるようだ。

 子どもたちはというと、パソコンを使いたいと思っているようで、学校の図書室にあるパソコンを使い、漢字のしりとりや、風船割りゲームをしたことを、嬉しそうに話してくれた。

有賀さんの4年生の息子さん
「学校でもパソコンを使ってゲームをした」と嬉しそうに教えてくれた有賀さんの4年生の息子さん

 また、中学生になると、学校の課題でパソコンを使う必要も出てくる。中学生のお子さまのいる有賀さんは、冬休みの課題のためにパソコン購入を考え始めているようす。「制限が設定されていて、ルールをきちんと子どもたちが守れて、6万円から7万円ならばパソコンを買い与えたい」と考えているという。伊藤さんや東本さんからも、子どもにパソコンを使わせるのであれば、「動画を見始めると時間を忘れているので、時間制限がほしい」「パソコンで何をしているのかを監視したい」などの要望が出た。

Windows に標準でついている使用制限



 そこでNEC レノボジャパングループの森部浩至氏から、Windows のあんしん設定ガイドについて説明があった。Windows 10 であれば、標準でついている機能だ。この機能を使うと、

パソコンの使用時間の制限


閲覧できるWebページの制限


アプリ、ゲームなどの年齢制限


利用履歴の確認



といった制限や確認が行える。これはアカウントごとに設定ができるので、子どもがログインをしたときにだけ、子ども用の使用制限をかけることができる。

 パソコンを購入する前に、毎日どのくらい使用してよいか、使用用途は何かなど親子でルールを決めておき、購入後は一緒に設定していくと、子どもたちの納得感も上がるに違いない。

プログラミング学習の準備は始めている?



 プログラミング必修化に向けて、ご家庭ではどのような準備を始めているのだろうか。 プログラミング体験に参加したことがあるかをお伺いしたところ、伊藤さん、東本さんは「参加経験あり」だった。

伊藤さん:とても魅力的な体験でした。ロボットを作ってそれをプログラムで実際に動かしてみて、動かないときにはどこが間違っていたのかに戻って作り直していました。できればプログラミング教室に通わせたいと思いますが、習い事の優先順位からいくと難しいですね。だから学校で必修化してもらえると助かります。

東本さん:私はあまり意識していなかったのですが、学校の案内にプログラミング学習の体験イベントが告知されていて、子どもがやりたいというので参加させました。

NEC レノボジャパングループ 森部浩至氏「プログラミング学習は、論理的思考を鍛えるという意味が強い」
NEC レノボジャパングループ 森部浩至氏「プログラミング学習は、論理的思考を鍛えるという意味が強い」

 親が意識する、しないに関わらず、子どもたちがプログラミングを学ぶ機会は自然と増えてきているようだ。では、なぜプログラミング学習が必要とされているのだろうか? 森部氏は、プログラミングを学ぶことで論理的思考を鍛えられることが重要だと話す。

森部氏:プログラミング学習は、論理的思考を鍛えるという意味が強いです。グローバル人材を育てていかなくてはいけないという中で、日本は10代でパソコンを使っている比率が他の先進国よりも低いのが実情です。論理的思考を鍛えるというところでいうと、今後プログラミング学習は重要になるし、社会人になっても論理的思考は100%役に立つスキルなので、早めに始めたほうが良いと思います。

micro:bit でプログラミング体験



 体験会では、NECとLenovo(レノボ)のノートパソコンと、イギリスのBBCが開発したプログラミング教育用の小型コンピューター「 micro:bit (マイクロビット)」を使ってプログラミングを学んだ。あらかじめキッズメニューが用意されているパソコンもあり、子どもにわかりやすいユーザーインターフェースとなってるものもあった。パソコンの設定などで迷ったら、電話やLINEによるサポートもあるというのも心強い。

micro:bitに指示をするコードをプログラミングするようす
「 micro:bit 」に指示をするコードをプログラミングするようす

 「 micro:bit 」は、25個のLEDライト、2つのボタンやさまざまなセンサーをもつ、とても小さなコンピューター。スピーカーをつなげることで音も出せる。この「 micro:bit 」を動かすためのプログラミングを行うのがパソコンというわけだ。

有賀さんご自身もお子さまと一緒にプログラミングに挑戦
有賀さんご自身もお子さまと一緒にプログラミングに挑戦

 パソコンとそこにつながる「 micro:bit 」を手渡された子どもたちは、画面を見つめて最初からウキウキしているようす。子どもたちは、Lenovo の村上武士氏が説明するプログラムのサンプルを見ながら、同じようにどんどんプログラミングしていく。表示されるブロックを並べ替えることで簡単にプログラミングできるので直感的でわかりやすい。大人であれば、マウス操作の方法や、「 micro:bit 」の仕組みなど、頭で考えてなかなか前に進めなくなりがちだが、子どもたちの頭の柔らかさには驚かされる。

micro:bit本体がプログラミング通りに光ったようす
「 micro:bit 」本体がプログラミング通りに光ったようす

 「 micro:bit 」のLEDにハートマークを表示させたり、それを点滅させたり、ボタンが押されたらHELLO!という文字列を表示するなど、次々とプログラミングを進めていく。さらに、スピーカーを自らつなげて、音を鳴らすことにも成功。村上氏とハイタッチしてとても嬉しそうだった。音を出せた子どもたちは、自分ならではのオリジナルのプログラミングにも挑戦。もっと時間が欲しいとの声も聞かれた。

伊藤さんの2年生の息子さん「うまく音が鳴った!」
伊藤さんの2年生の息子さん「うまく音が鳴った!」

 エディオンは、親子で「 micro:bit 」を使ったプログラミングを体験できる無料のワークショップを2018年の年末から各店で開催する。また、NECレノボは、小中学生を対象とした「『 micro:bit 』xNECレノボ・ジャパングループ キッズ・プログラミングコンテスト」の応募を2019年1月29日まで受け付けている。コンテストの優秀賞受賞者には同社のパソコンがもらえるという親子で嬉しい企画だ。どちらも親子で楽しみながら新しい学びへの理解を深められる良い体験となるのではないだろうか。

エディオン「 micro:bit 」ワークショップスケジュール
エディオン「 micro:bit 」ワークショップスケジュール(2018年12月現在の予定)

子どもは思っているより子どもじゃない


 プログラミング体験後に、お母さま方に感想を伺ったところ、お子さまたち同様、その表情は体験前よりもずっと柔らかく、楽しそうに見えた。

伊藤さん:論理的思考を育てるという意味がよくわからなかったのですが、子どもたちがプログラミングをしながら自分でいろいろ考えて組み立てていくのを見て、よくわかりました子どもは飲み込みが早く、自由に好きなものを作り出していく可能性を感じたので、いろいろな機会にプログラミング体験をさせていきたいですね。

伊藤さんと2年生の息子さん
笑顔の伊藤さんと息子さん

東本さん:見よう見まねでもプログラミングし、さらにそれをアレンジしていくようすを見て、子どもはすごいと感じました。自分がやっただけの結果が出て、理解が深まっていくのは楽しいですよね。プログラミングに挑戦するわが子を見て、子どもだと思っていたけれど、自分が思っていたより子どもじゃないと思いました。また、使用制限などの設定もわかったので自宅のパソコンでも試してみます。アカウントごとに設定ができるなら心配事がなくなるので良かったです。

有賀さん:日本の10代の子どもたちのパソコン利用は諸外国よりも遅れていると聞いて、それは母親の理解度が低いせいでもあるのかなと感じました。これからは新しいものをしっかりと取り入れていきたいと思います。子どものこんなに楽しそうな顔を久々に見ました。まだパソコンを持たせるのは早いと思っていましたが、それは間違っていたように感じています。価格も7万円前後からあると伺い安心しました。

 そして、もしパソコンを選ぶとしたらどのようなものがいいか? という質問には「小さくて軽く、学習机に置けるもの」「子どもが壊してしまう可能性もあるので、保証があるもの」「サポートやお値段も大切ですね(笑)」との声が。子どもが使うパソコンに必要な条件が、さらに明確になったようだ。

笑顔のお母さま方
お子さまの笑顔でお母さまの表情も柔らかに

 子どもたちの感想は、全員一致で「楽しかった!自分のパソコンが欲しい!」。実際にプログラミングを体験し自分が思ったとおりの結果が出たことが、とても嬉しかったようだ。「自分で操作して、考えて作っていくのが楽しかった」との感想も聞けた。そして将来は、「ARやゲームを作ってみたい」との頼もしい声があがり、大人たちも満面の笑顔に。この体験会からしばらくして、東本さんから嬉しいご報告があった。お子さまが電車の電光掲示板や街中の看板を見て「これ、『 micro:bit 』と同じ仕組みだよね!」「これはすごい、どうなっているんだろう」など、さまざまなものに興味をもち、周りのものがたくさんのプログラミングによって動いていることを実感していたという。体験から論理的思考力を磨き、主体的に学ぶ姿勢を自然に身に付けていく子どもたちは、すでに2020年の新学習指導要領への準備ができているようだ。

東本さんの4年生の娘さんは体験会後も「これもプログラミング!」と街中の電光掲示板などにも興味津々だそう
東本さんの4年生の娘さんは体験会後「これもプログラミング!」と街中の電光掲示板などにも興味津々だそう

 お母さま方のようすを見て、きっと一番の不安は、パソコンやプログラミングがあまりよくわからないことから生じていると感じた。わかってしまえば、その良さも注意点も見えてくる。ぜひ、お母さま自らが思い切ってパソコンに触れる機会を作ってほしい。そしてお子さまと競争して素敵なプログラミング体験をしたり、学校の課題作成に文書作成ソフトやインターネットを使ってみたりするなど、日常生活から学習まで、上手にパソコンを取り入れてみてはいかがだろうか。

 全国のエディオンでは2018年12月31日まで、パソコン(指定機種)学割3,000円を実施中。お客様の目的や好みに合うパソコン選びに丁寧に応える専門スタッフがいるので安心だ。クリスマス、お年玉、入学祝いなどの機会に、お子さまと一緒に選ぶことをお勧めしたい。

詳しい情報はエディオンのWebサイト
「ご存知ですか?2020年以降 学校教育は大きく変わる!」から。

《渡邊淳子》

渡邊淳子

IT系メディアのエディター、ライター。趣味はピアノ。

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