知識だけじゃない…サイエンス倶楽部の「実験体験」が中学受験にも役立つ理由

 1992年開校以来、四半世紀にわたり日本の理工系人材の育成に力を注いできた科学実験教室のパイオニア「サイエンス倶楽部」が、その長年のノウハウをもとに2019年4月、中学受験のための「受験理科Eコース」を開講する。

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サイエンス倶楽部「受験理科Eコース」
  • サイエンス倶楽部「受験理科Eコース」
  • 「受験理科Eコース」開発責任者の藤田哲氏
  • 「受験理科Eコース」開発責任者の藤田哲氏
  • 川村望緒君(武蔵中学1年生)
  • 川村望緒君とお母さま
  • N・S君(開成中学3年生)
  • N・S君とお母さま
  • 東京大学 工学部精密工学科 杉野正和さん
 1992年開校以来、四半世紀にわたり日本の理工系人材の育成に力を注いできた科学実験教室のパイオニア「サイエンス倶楽部」。年中から中学3年生まで、11年間学ぶことができるカリキュラムは、学校や家ではなかなか取り組めない濃い体験ばかりだ。

 環境の変化によって子どもたちが科学に興味をもつ機会そのものが減っていると感じる保護者も多いだろう。疑似体験ではない実体験による深い学びができる機会、子どもたちが世界の不思議に気付く機会を提供し、探究心を伸ばす教育を続けてきたサイエンス倶楽部が、その長年のノウハウをもとに2019年4月、中学受験のための「受験理科Eコース」を開講する。

 首都圏では中学受験に挑む子どもは年々増加している。難関校では理科を含む4教科入試を行う学校が多く、探究心や個性を伸ばす特色ある教育を進める学校も増えている今、新コースを開講するねらい、科学実験から広げる体験型教育にかける思いを「受験理科Eコース」開発責任者の藤田哲氏に聞いた。

サイエンス倶楽部だからできる、中学受験に役立つ実験体験



親が心配するほど子どもたちが没頭する理科実験



 「サイエンス倶楽部」は、1992年に英才塾のイベントとして理科実験教室を開催したところから始まった。当初は、小学2・3年生合同コースと4年生コースでスタートし、1996年には小学生全学年、2006年には幼児コース、2008年には中学生コース、2017年には高校生コースと対象を次々に拡大。高円寺の小さな教室からスタートした「サイエンス倶楽部」は、その後、26年間で1都3県に16教室、兵庫に1教室の計17教室に広がった。

 「開講当初、理科実験ができる塾や習い事教室はほとんどなく、学校でもあまり実験をしていなかったので、子どもたちの渇望感が高くとても積極的だったと思います。実習が終わっても『もっとやりたい』『残っていい?』といって、実習の続きをしたり、ほかの実験にも手を出したりして、保護者の方から心配の電話をもらうくらいでした。」と藤田氏は振り返る。「今の子どもたちはほかの習い事との関係もあるとは思いますが少し忙しそうで、積極的に実習する姿勢は変わりませんが少し淡泊に感じます。」とも。

 自身も理科好きだという藤田氏は、小中学生のころから雑誌の記事を見様見真似で鉱石ラジオを作ったり、ラジコンを分解して直せなくなったり、自転車の発電機を取り出して、自作懐中電灯を作ったりしたという。

「受験理科Eコース」開発責任者の藤田哲氏
「受験理科Eコース」開発責任者の藤田哲氏

 「自治体が開催していた『科学センター』という実験教室に毎週土曜日に通っていました。そこで体験した、ニワトリやネズミの解剖は今でも強烈に覚えています。小中学生のころの経験から、ただ教科書を暗記するだけの勉強では『理科』という科目に興味が湧かないのではないかと思います。興味が湧かなければ、知識の暗記も苦痛しかない。『本当は理科ってもっと楽しんだよ』『こんなこともわかるんだよ』ということを伝えたいというのが私の原点にあります。」(藤田氏)

中学入試の問題を低学年が解ける、体験から原理・原則を理解する



 基礎研究コースも受験理科Eコースも、どちらも根本的な考え方に違いはない。受験理科Eコースは「入学試験」という明確な目標があり、そのため、入学試験の傾向を考慮したカリキュラムが組まれている。「実験は問題を解くためというよりは、問題で問われている現象の『原理・原則』を理解するためにとても役に立ちます。」と藤田氏は言う。

 たとえば、「カエル・ヘビ・カメ・オオサンショウウオ・イモリ・トカゲの中で両生類はどれでしょう?」と聞かれて、記憶を頼りに答えると必ずしも正解にたどりつけないこともある。しかし、原理・原則を踏まえた学習をすることで、自信をもって答えられると同時に、暗記しなければならない事柄も減ってくる。さらには、興味をもってくれるようになるので、「もっと知りたい」という気持ちから学習が進むようになるという。その結果、サイエンス倶楽部には6年生が解く中学入試の問題を解ける低学年のお子さんも多いそうだ。

サイエンス倶楽部での体験を武器に名門私立中に合格



2歳から研究者肌、武蔵中の太陽観測部を目指して



 中学入試でサイエンス倶楽部での実験を通した学びが役に立ったという川村望緒(みお)君(武蔵中学1年生)は、2歳のときにお父さまから月についての話を聞いたのをきっかけに天文学に興味をもち始めたという根っからの研究者肌だ。読み書きができる前からお母さまが「図鑑や専門書を読み聞かせてあげていた」というほど月、太陽系、星に夢中になった望緒君。「読んであげても、話を聞いてあげても親の知識をどんどん越えていってしまいました。そろそろ専門家の力が必要だと思っていた幼稚園の年中のときに、『望緒君にぴったりのお教室がある』と同級生のお母さんがサイエンス倶楽部を紹介してくれました。藤田先生の実験を体験したようすを見て、助かった!藤田先生に託そう!とすぐに入会を決めたんです。」とお母さまは当時を振り返る。

川村望緒君(武蔵中学1年生)
幼少時から月、太陽系、星…と天文学への探究心が止まらない川村望緒君(武蔵中学1年生)

 望緒君が武蔵を目指したのも90年続く太陽観測部に入りたいという明確な目標をもったからだ。「サイエンス倶楽部では、ドライアイスから液体を取り出したり、ラジオを創作して持ち帰ることもできたりと楽しい実験をしています。小学校の理科で習うような道具はサイエンス倶楽部では低学年から繰り返し使っているので理科の授業は道具の説明時間が長くて退屈でした。武蔵の入試は色々な知識を組み合わせて書かなければならない問題だったので、実験の記憶から教材の端に書いてある豆知識まで役に立ちました。塾の問題も、これ実験したから知っているということや、その逆で、塾の問題を実際に実験できた、ということもありました。実験をするととても印象に残るんです。」と望緒君は実際に中学入試で役立ったことを話してくれた。「今は宇宙論にハマっている」という望緒君は、ブラックホールについてまとめた文章を、太陽観測部が毎年記念祭のために制作している小冊子に掲載してもらえることになったそうだ。将来の夢は「天文学者です。」と迷いなく答えてくれた。

川村望緒君とお母さま
「実験が楽しくて、天文学だけではなく化学や生物などほかの分野にも興味が拡がりました。」(川村望緒君のお母さま)

実体験から取得した豊富な知識…開成の入試「理科」が簡単だった



 N・S君(開成中学3年生)は小学1年生から通い始めた。幼少時から生き物が好きで、家に来たときから病気をもっていた猫の世話をよくしていたという。同じピアノ教室に通うお友だちがサイエンス倶楽部に通っており、勧められて体験に参加したのが入会のきっかけだ。

 「サイエンス倶楽部の授業では、にわとりや豚の解剖など、学校ではできない体験をしました。学校だと理科は実験の時間はありますが、短時間で行うため、じっくり取り組めないけれど、サイエンス倶楽部ではもともと実験に興味のある同級生との共同作業で実験を進められるところも魅力です。開成を目指したのは小学3年生のときに訪れた開成祭の地理部(現在は廃部)の展示と生徒の解説が面白く、帰宅後、展示を真似て立体図形を作ることにハマったことがきっかけでした。もともと工作好きな事もありますが、作業前に予想を立ててから作業し、失敗したら次の仮定を立てる事はサイエンス倶楽部の授業から会得した事かもしれません。開成の理科の入試は問題数が多いのですが、多くは基礎的なものです。実験体験と先生の面白く興味深い話も力となり簡単に解答できた印象です。」と2年前の入試を振り返った。

N・S君(開成中学校3年生)
開成では管弦楽団に入りトランペットを演奏しているN・S君(開成中学3年生)

 「小さいころから毎年習い事を見直すたびに、『サイエンス倶楽部だけは絶対にやめない』と言っていました。入会したときから気さくで楽しい藤田先生が大好きになったようですが、お話しさせていただくと先生の知識、見識の深さを知り息子を安心して通わせられました。定員がすでにいっぱいの課外授業にも頼み込んで参加させてもらったほどでした。子どもが大好きで、実験をしながらたくさんの知識を教えてくださった先生方に出会えたこと、同じような興味をもつ仲間と出会い、楽しく実験から学べたことが本当によかったと思います。」とお母さまは懐かしそうに話してくれた。生き物が好きなことや実験の体験から自然と獣医に興味をもち始めたというN・S君は、先生や仲間と実験を通して過ごす時間の中で持ち前のコミュニケーション力を発揮し、生徒の主体性を重んじる開成でもその力が役立っているそうだ。

N・S君とお母さま
「実験を止められない、質問したい子どもの興味関心にとことん付き合ってくださる先生ばかりです。」(N・S君のお母さま)

 受験生の親御さんからは「実験なんてしていると勉強する時間が足りなくなるのでは」といった心配の声も聞こえてきそうだが、藤田氏は「安心してください。実験も勉強のうちです。いつもの勉強と違うところは、知識だけで答えを出すのではなく結果を予想し結果が出たら、次はなぜそういう結果になったのかを考える点です。なぜを考えることで、原理・原則を発見することができます。この発見の積み重ねこそ、学力の底力なのです。『結果的に理科にかける勉強時間が減った』『ほかの教科に勉強時間を割けるようになった』といった話を卒業生の保護者の方からはよく聞きます。そのぐらい基本を身につけることは重要なことなのです。ぜひ、皆さん受験理科Eコースで楽しみながら学び、そして受験を突破して行きましょう。」と話してくれた。

「知識だけで答えを出すのではなく結果を予想し結果が出たら、次はなぜそういう結果になったのかを考える」
「知識だけで答えを出すのではなく結果を予想し結果が出たら、次はなぜそういう結果になったのかを考える」(藤田氏)

 では、その教えを体現する子どもたちは実際どのような進路を歩んでいるのだろうか。

サイエンスの道を突き進むサイエンス倶楽部育ちの大学生



東大で精密機械工学を学ぶ杉野正和さんの歩み



 サイエンス倶楽部育ちで、現在はメンターとして後輩を指導している杉野正和さん(東京大学・工学部精密工学科)は、小学校入学直前の春休みに開催されていた体験実習に参加して興味をもち、サイエンス倶楽部に通い始めたという。「体験実習では液体窒素でビニールボールやカーネーションを凍らせる実演があり、とてもワクワクしたのを覚えています。また、はじめは浮き上がらせることができず失敗した熱気球の実験では、自分たちで作った気球を試して比較検討し、最終的に飛ぶために必要な条件を導き出せました。実際に手を動かして失敗することの大切さが、経験として頭に残っています。」と話してくれた。

東京大学 工学部精密工学科 杉野正和さん
「暗記があまり得意でない自分にとっては、そのような経験と知識の結びつきはとても役立ちました。」
東京大学 工学部精密工学科 杉野正和さん

 またそうした経験は受験にも役立ったようだ。「高校受験や大学受験の入試問題を解く中で、『この問題の設定に似た実験をしたことがある』と感じたことは何回もあります。暗記があまり得意でない自分にとっては、そのような経験と知識の結び付きはとても役立ちました。また高校や大学では、授業の中で実験に取り組む機会が多くありましたが、実験に慣れていたことで、手際良く進めることができたように感じます。」と言う。

 大学卒業後は大学院に進み研究を続けていきたいという杉野さんは「科学的な知識が少ない小学生という時期だからこそ、体験として科学に触れることが大切です。膨大な知識を手軽に得られる世の中ですが、地動説が天動説に取って代わったように、知識は新たな発見によって覆されることがあります。ですが、太陽や星の動きという自分の目で見た経験が陳腐化することはありません。そして経験に裏付けられた知識を身に付けるためには、良質な実験とそれを支える先生が欠かせません。それがサイエンス倶楽部にはあると思います。」と同じサイエンスの道を歩む後輩たちにメッセージを送った。

T大学薬学部で薬学を学ぶ石川実季さんの歩み



 T大学薬学部で薬学を学ぶ石川実季さんも、小学生時代に「サイエンス倶楽部」で学んだひとりだ。先に通っていた2つ年上のお姉さんの送迎について行っていたところ、楽しそうな実験ばかりで興味をもち、6歳から通い始めたという石川さん。お姉さんが持ち帰った作品で一緒に遊んだことから「自分の作品を作りたい」と感じたという。

 「4年生のアジの解剖では、当時学校では教わっていない解剖を自分で行うことに対して緊張しながらも、アジの構造がだんだん見えてくることに面白さを感じました。からだの中の器官はそれぞれ役割があることや、魚類特有の機能を知ることができました。5年生の消化器官を学ぶ実験で、ニワトリの解剖からヒトと似ている部分や違う部分を観察したことは、知らないことばかりで新たな発見でした。食べ物がどうやって消化していくかを知った日、食事のときに両親に消化の仕組みを伝えていたそうです。両親はよっぽど楽しかったんだろうと言っていました。これらの実験が、からだの仕組みについてもっと知りたいと思うきっかけになりました。」(石川さん)

T大学 薬学部 石川実季さん
「食べ物がどうやって消化していくかを知った日、食事のときに両親に消化の仕組みを伝えていたそうです。」
T大学 薬学部 石川実季さん

 「卒業後は、在宅医療を通じて患者ひとりひとりとコミュニケーションをとり、それぞれに抱える不安や悩みを取り除いてあげられるような薬剤師になりたい」と語る石川さん。「サイエンス倶楽部は、教科書を読むだけではわからない理科の楽しさを教えてくれるところです。面白い先生に囲まれながら、実験から新しい発見をするのはワクワクします。実験は協力して行うことがあるので、学校以外の友だちと仲良くなれるのも魅力のひとつです。」とサイエンス倶楽部の魅力を語ってくれた。

サイエンス倶楽部育ちの子どもたちと藤田氏
「ここでの実験を勉強だと思ったことは一度もない」というサイエンス倶楽部育ちの子どもたち

 小さいころの驚きや発見のある実体験は深く記憶に刻まれ、「ワクワク」の種となり、成長の過程で芽吹きどんどん育っていくのだろう。真の理科好きの子どもたちの道標となる学びの機会がサイエンス倶楽部にはあるのだ。

サイエンス倶楽部「受験理科Eコース」


開講:2019年4月
対象:新5年生、新6年生
体験実習参加申し込み受付中
《田口さとみ》

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