国内eラーニング市場規模、2018年度は2,185億円…前年比9.3%増

 矢野経済研究所は2019年4月9日、国内eラーニング市場に関する調査結果を発表した。2018年度の国内eラーニング市場規模は、前年度(2017年度)比9.3%増の2,185億円の見込み。BtoB、BtoC両市場とも、市場拡大を継続させる見込みだという。

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 矢野経済研究所は2019年4月9日、国内eラーニング市場に関する調査結果を発表した。2018年度の国内eラーニング市場規模は、前年度(2017年度)比9.3%増の2,185億円の見込み。BtoB、BtoC両市場とも、市場拡大を継続させる見込みだという。

 国内eラーニング市場に関する調査は、eラーニングシステム開発・構築・販売事業者、eラーニングコンテンツ開発・製作・販売事業者、eラーニングを介した研修や講義を提供・運営する事業者(学習塾、語学学校、研修事業者など)、 学習ソフトウェア開発・製作・販売事業者などが対象。電話・FAX・メールによるヒアリング、文献調査を併用して実施した。調査期間は2019年1月~3月。

 2018年度の国内eラーニング市場規模は、前年度比9.3%増の2,185億円となる見込み。内訳は、法人向け(企業・団体内個人を含む)のBtoB市場規模が前年度比4.8%増の650億円、個人向けのBtoC市場規模が前年度比11.2%増の1,535億円。BtoB、BtoC両市場とも、市場拡大を継続させる見込みとなった。

 BtoC市場は、進学・補習目的の映像授業や通信教育サービスで提供される各種関連サービス、オンライン語学レッスンなどの領域における主要サービスが堅調な伸びを示したことが、市場拡大に影響を与えたと推察される。学習理解を深めるためのツールとしてeラーニングを融合させる学習サービスは増加傾向にあり、学生などの若年層を中心に個人向け学習形態の1つとしてもeラーニングは一般化してきている

 BtoB市場は、学習ツールの多様化や動画コンテンツの進化、クラウド環境の進展などによりeラーニングの利便性は向上。企業の人材育成ニーズの活性化も相まって、顧客企業の利用機会増加と顧客層の着実な拡大を進行させている。このような状況は、eラーニングを学習形態の1つとして浸透させているという。

 2019年度の国内eラーニング市場規模は、前年度比4.3%増の2,279億円と予測されている。BtoC市場は、参入事業者間の業績に多少の好不調が生じる可能性はあるものの、当該領域における主要サービスの大半が引き続き堅調に推移すると考えられている。

 BtoB市場は、景気感の先行き不透明感が漂いつつあるが、2019年4月に「働き方改革関連法」が施行され、顧客企業におけるeラーニングの利用が引き続き活発化するものとみられている。

 「働き方改革関連法」の施行により、企業の人材育成に対する認識の高まりとともに生産性向上・効率化を追求する流れは強まっている。残業時間に対する抑制も相まって、時間・場所に対する制約が少ないeラーニングの需要はますます高まることが予想される。また、短時間で学ぶ学習スタイル「マイクロラーニング」はさらなる需要の活性化が見込まれている。
《外岡紘代》

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