初任給が過去最高を更新、大卒21万200円…厚労省調査

 厚生労働省は2019年12月4日、「令和元年(2019年)賃金構造基本統計調査(初任給)」の結果を公表した。大卒の初任給が前年比1.7%増の21万200円となるなど、2019年の新規学卒者の初任給はすべての学歴で前年を上回り、過去最高を更新した。

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性・学歴別初任給の対前年増減率の推移
  • 性・学歴別初任給の対前年増減率の推移
  • 性・学歴別初任給および対前年増減率の推移
  • 性・学歴別初任給の推移
  • 企業規模別にみた初任給
  • おもな産業別にみた初任給
  • 都道府県別にみた初任給
 厚生労働省は2019年12月4日、「令和元年(2019年)賃金構造基本統計調査(初任給)」の結果を公表した。大卒の初任給が前年比1.7%増の21万200円となるなど、2019年の新規学卒者の初任給はすべての学歴で前年を上回り、過去最高を更新した。

 賃金構造基本統計調査は、主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を明らかにするために実施。2019年6月末日現在(初任給額は6月1日~30日)の状況を7月に調査した。初任給については、有効回答を得た5万3,868事業所のうち、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所で、かつ新規学卒者を採用した事業所から、初任給が確定した1万4,942事業所を集計した。

 学歴別にみた初任給は、大学院修士課程修了が23万8,900円(前年比0.1%増)、大学卒が21万200円(同1.7%増)、高専・短大卒が18万3,900円(同1.4%増)、高校卒が16万7,400円(同1.4%増)。すべての学歴で過去最高となった前年をさらに上回った。初任給の上昇は、大学卒と高校卒で6年連続大学院修士課程修了と高専・短大卒で7年連続

 男女別では、大学院修士課程修了が男性23万9,000円(同0.4%減)、女性23万8,300円(同1.8%増)、大学卒が男性21万2,800円(同1.3%増)、女性20万6,900円(同2.1%増)、高専・短大卒が男性18万4,700円(同1.0%増)、女性18万3,400円(同1.7%増)、高校卒が男性16万8,900円(同1.4%増)、女性16万4,600円(同1.4%増)。

 大学院修士課程修了の男性が前年より減少した以外は、すべての性・学歴別で前年から増加。女性の初任給が上昇したことで、男女間の賃金格差は前年より縮小した。

 企業規模別にみると、大学卒の男女計の初任給は、大企業(常用労働者1,000人以上)が前年比1.2%増の21万3,100円、中企業(同100~999人)が前年比2.2%増の20万8,600円、小企業(同10~99人)が前年比2.0%増の20万3,900円だった。

 おもな産業別にみると、大学卒では男女とも「学術研究、専門・技術サービス業」(22万7,200円)や「情報通信業」(21万8,100円)が高くなっている。

 都道府県別で、大学卒の男女計の初任給がもっとも高いのは東京都の22万500円、ついで千葉県21万1,700円、神奈川県21万800円。首都圏や都市部が高い傾向にある。逆にもっとも低いのは、沖縄県の17万5,000円。都道府県間格差は、東京都を100とすると、沖縄県は79.4となっている。
《奥山直美》

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