東京学芸大とマモルが共同研究、いじめをネットで早期発見

 いじめを未然に防ぐ学校向けシステム開発・運用などを展開するマモルは2019年12月20日、東京学芸大学と共同研究契約を締結したと発表した。学校内でのトラブル発生時の子どものSOSをインターネットで早期発見する有効性について共同研究を開始するという。

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 いじめを未然に防ぐ学校向けシステム開発・運用などを展開するマモルは2019年12月20日、東京学芸大学と共同研究契約を締結したと発表した。学校内でのトラブル発生時の子どものSOSをインターネットで早期発見する有効性について共同研究を開始するという。

 文部科学省によると、いじめの認知件数は年々増加しており、2018年度は54万3,933件にのぼっている。いじめや嫌がらせの形態は多様化し、深刻な状態に陥って初めて顕在化するケースも増えており、小中学校内で起こるいじめなどのトラブルを早期発見・検知する大切さが指摘されている。

 一方で、インターネットの利用は年々低年齢化し、小中学生のスマートフォンやタブレット使用率は増加。いじめを検知するITサービスのリーディングカンパニーであり、テクノロジーでいじめを早期発見することを研究しているマモルでは、「彼らの日常に深く入り込んでいるインターネットサービス活用がいじめの早期発見・検知のソリューションとなりうる」と考え、まずは教員の学校内でのいじめに対する意識調査を行うことを決めた。インターネットサービスを活用したシステム導入に意欲的な教員の傾向や背景を探る。

 マモルと東京学芸大学は、2019年9月25日付で共同研究契約を締結。東京学芸大学附属大泉小学校の校長でもある東京学芸大学の杉森伸吉教授を中心に2020年3月までの予定で調査を実施。いじめ対策に適した仕組み化や運用フローについて、教育現場における実際のデータをもとに共同研究し、学校内のトラブル検知におけるインターネット活用の有効性を検証する。

 調査には、2019年度に新設された東京学芸大学大学院教育研究科 教育支援協働実践開発専攻教育AI研究プログラムの大学院生も参加。マモルでは、Webシステムに関する助言やアドバイスを行うことで、共同研究を効率的にし、従来の顕在化していない学校での課題を洗い出したいという。

 共同研究について、東京学芸大学の杉森教授は「現在の学校は、いじめの定義が広いために、報告書作成などの業務も多忙化しています。そのため、新たないじめを発見することにかえって消極的になるという逆説的な現象も生じていると思われます。教員の働き方改革に資するかたちで、早期発見・予防に繋がる方策をインターネットの普及した現在の社会に適合したかたちで見出だせることを願っています」とコメント。

 マモル代表取締役の隈有子氏は「いじめを社会心理学からアプローチする杉森教授と学校文化について研究できることは大変有意義であると感じています。」と語り、加えて「この研究調査結果が多くの学校現場での新しい発見になることを期待しています」とコメントした。
《奥山直美》

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