50GB無償で子どもたちの学びは変わるのか? 大手キャリアがU25支援

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う休校措置を受け、携帯大手3キャリアは、25歳以下の学生の通信環境を確保することを目的に月50GBまでの無償提供を発表した。50GB増加で何ができるのか、利用するにはどうすればよいのかをまとめた。

教育・受験 未就学児
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  • NTTドコモの支援(最新情報は公式サイトで確認のこと)
  • KDDIの支援(最新情報は公式サイトで確認のこと)
  • ソフトバンクの支援(最新情報は公式サイトで確認のこと)
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う全国一斉休校から1か月あまり、緊急事態宣言の発令により都市部を中心とする塾や予備校でも当面のあいだ休講・休校となることが決まっている。これにより教育ICT利活用への注目が高まり、国も整備を強化する考えを示している。

 塾や予備校では遠隔授業やデジタル教材の活用が進み、EdTech企業などがAIドリルやデジタル教材を無償提供する動きもある。公立学校では、渋谷区のようにLTE接続による家庭でのタブレット活用を行う自治体がある一方で、インターネット環境が確保できない家庭があるなどの理由から、ICT利活用に踏み切れていない地域・学校も多い。

 大学では遠隔授業の準備が急ピッチで進んでいるが、固定回線を引いていない学生も多く、通信環境の確保に悩んでいるケースもありそうだ。

大手キャリアが学びを支援



 この状況を踏まえ、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は、25歳以下の学生の通信環境を確保することを目的に、追加料金なしで月50GBまでの追加分を無償提供する支援に乗り出した。対象は2020年4月1日時点で25歳の契約者・利用者で、4月利用分から適用される。

 3キャリアとも支援の内容はほぼ同じだが、NTTドコモの例でみると、2020年4月および5月利用分の「スピードモード」「1GB追加オプション」を、月間50GBを上限に無償化する(KDDIとソフトバンクはオプション提供しているテザリング料金500円も対象)。通常は利用可能データ量を超えた後は1GBあたり1,000円(税別)が追加課金されるため、無償提供される50GBをフルに利用した場合、5万円(税別)お得というわけだ。

50GBで何ができるのか



 この「月50GB」は子どもたちの学びに変化をもたらすことができるのか?

 高校生・大学受験生向けにはすでに映像授業は定番化しているが、東進ハイスクール・衛星予備校のタブレットやスマホの推奨動作環境に関する説明には、「映像視聴では1時間あたり約200MBの通信料を消費する」とある。単純計算すると月30日間毎日8時間は映像を見られるということになる。

 一方で今回の休校措置では、小中学生を対象とした映像授業や遠隔授業も注目されている。中学1年生の時間割をみると1日の授業時間は50分授業が1日6時限。月50GBあれば授業と同じ時間の映像授業を視聴することは問題なくできそうだ。

子どものオンライン学習と遠隔授業のコツ



 モバイルの利活用に詳しい青森公立大学 准教授の木暮祐一氏は、「スマホが普及し、パソコンを使わなくてもスマホ単体でビデオ会議アプリを利用できるようになり、今回の一斉休校でスマホを使って学ぶという機会はかなり増えそうだ。昨今はYouTubeに解説系のコンテンツも多く、動画を視聴して学ぶというということも日常化してきている。大人が考えているよりも生徒、学生のほうがオンライン学習を使いこなしている。

 一方で一人暮らしの大学生は自宅にブロードバンドを引かず、スマホのテザリング機能に頼る学生も少なくない。そうした大学生でなくとも、若者はパケットの消費を気にしながらスマホを利用している。今回の50GBまで無償という施策は、生徒、学生にとってはデータ量の消費を気にせずに存分にインターネットが利用可能になり、安心して映像授業や映像コンテンツを利用したオンライン学習に臨めるだろう。

 遠隔授業にZoomなどのビデオ会議システムを利用する動きがあるが、Skypeやハングアウトなど従来から利用されていたビデオ会議システムに比べると多人数同時接続性も高く遠隔授業に向いている。ビデオ会議システムを日常的に活用しているIT企業などの使い方を見ていると、映像会議冒頭の挨拶を終えたら自身のカメラ映像とマイクをオフにして、発言者だけ映像(画面共有を使ってスライド映像を送出するなど)と音声を流すといった使い方をしている。こうすることで無駄なデータ通信を減らすことができ、映像会議の通信品質も保つことができる。対面の授業、会議に比べ、オンラインの授業、会議では長時間の集中力を保つのが難しい。一方的に説明や解説をするシチュエーションはなるべくコンパクトにまとめ、後半はディスカッションを中心に進行させるなど、対面での進行とは異なるちょっとしたコツを積み重ねていく必要がある。」と話してくれた。

押さえておきたい利用条件と料金



 ここで理解しておきたいのは「5Gギガライト」「ギガライト2」「ギガライト」「ベーシックパック」「ベーシックシェアパック」は、ステップ4まで利用した後に本支援措置が適用されること。たとえば「ギガライト」を契約している場合、1GBまでの<ステップ1>2,980円、3GBまでの<ステップ2>3,980円、5GBまでの<ステップ3>4,980円、7GBまでの<ステップ4>5,980円と段階的に料金が上がっていくが、追加50GBが適用されるのはステップ4まで利用した後となる。つまり、通常ステップ3までの利用でおさまっているユーザーは、料金がアップすることとなる。

 さらに「契約者名義とは別に、対象である利用者を契約者が指定し、登録する必要がある」「シェアグループ子回線から申込みの場合は、事前に代表回線から『1GB追加みんなで申込オプション』の申込みが必要」といった利用条件もある。対象者は契約キャリアの条件を十分に理解したうえで、活用してほしい。

 休校中は動画視聴や友人とのコミュニケーションにスマートフォン等を利用する機会も増えることから、通信容量を注意して利用することが望ましい。
《田村麻里子》

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