大学中退、理由1位は留年…コロナ中退増える恐れも

 大学中退者の約半数が奨学金を借りていることが2020年6月22日、ジェイックの調査から明らかになった。中退理由の1位は留年。多くの奨学金は、留年すると受給が停止するため、奨学金と留年は関係性があり、2020年度は経済的理由による中退の増加も見込まれるという。

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 大学中退者の約半数が奨学金を借りていることが2020年6月22日、ジェイックの調査から明らかになった。中退理由の1位は留年。多くの奨学金は、留年すると受給が停止するため、奨学金と留年は関係性があり、2020年度は経済的理由による中退の増加も見込まれるという。

 大学中退者アンケート調査は、若年層向け就職支援事業を展開するジェイックが2019年4月26日~2020年3月23日、大学中退者向けサービス「セカンドカレッジ」の利用者248人(男性188人、女性60人)を対象に実施したもの。

 奨学金の受給については、「借りていた」47.6%、「借りていなかった」52.4%。奨学金の種類は、「日本学生支援機構から第2種奨学金を借りていた(他奨学金との併用含む)」53.4%、「日本学生支援機構から第1種奨学金を借りていた(同)」27.1%、「日本学生支援機構から第1種と第2種奨学金を借りていた(同)」8.5%の順に多く、89%が日本学生支援機構から奨学金を受給している実態にあった。

 中退理由は、「留年したから」33.3%がもっとも多く、3人に1人を占めている。ジェイックでは、留年すると、日本学生支援機構の奨学金を含め、多くの場合、奨学金が停止するため、「奨学金受給者は苦しい立場に追い込まれることが考えられる」と指摘。「奨学金だけでは学費と生活費を工面することは出来ず、多くの学生がアルバイトも行う中、コロナウイルスによりアルバイトを行えず、経済的理由によるコロナ中退が2020年度は増えると見込まれる」と分析している。

 ジェイックでは、新型コロナウイルスの影響で中退せざるを得ない、中退を検討する大学生が急増していることを受け、新型コロナウイルスの影響による中退者および中退検討者専用の「コロナ中退119番」の設置を決定。Webや電話でサポートを行っている。
《奥山直美》

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