全国体力・運動能力調査、6-19歳は体格向上も体力低下

 スポーツ庁は2020年10月18日、2019年度(令和元年度)体力・運動能力調査の結果を発表した。前回の東京オリンピックが開催された年代と比較して、青少年期の体格は大きく向上したが、体力では記録を下回った。青少年の運動・スポーツ実施率は上昇した。

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1964~1968年度・2019年度各テスト項目別加齢に伴う変化の推移
  • 1964~1968年度・2019年度各テスト項目別加齢に伴う変化の推移
  • 1964~1968年度・2019年度体格・握力別加齢に伴う発達推移
  • 1968年度・2019年度運動・スポーツ実施状況比較
 スポーツ庁は2020年10月18日、2019年度(令和元年度)体力・運動能力調査の結果を発表した。前回の東京オリンピックが開催された年代と比較して、青少年期の体格は大きく向上したが、体力では記録を下回った。青少年の運動・スポーツ実施率は上昇した。

 体力・運動能力調査は、前回の東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)以来、国民の体力・運動能力の現状を明らかにするため毎年実施している。対象は小学生、中学生、高校生、高等専門学校・短大・大学の学生、成年、高齢者。調査期間は2019年5~10月(小中高生は7月まで)。今回は、前回の東京オリンピック開催以降(1964~1968年)の年度調査と比較して概観した。

 青少年(6~19歳)の体力・運動能力の年次推移の傾向によると握力・50m走・持久走・立ち幅とび・ボール投げは、水準の高かった1985年(昭和60年)ごろと比較すると、中学生男子と高校生男子の50m走を除き、依然低い水準。最近10年では、男女のボール投げと中学生以上の男子の握力が低下傾向にあるが、そのほかはほとんどの項目で横ばいまたは向上傾向を示している。また、2019年度の大学生(18、19歳)は、いずれのテスト項目でも記録の低下が見られた。

 前回の東京オリンピック開催以降の年度(1964~1968年)と比較すると、ボール投げを除き、ピーク時を迎える年代やその値に大きな変化は見られなかった。一方、青少年の体格(身長、体重)はいずれの年齢においても大きく向上しているが、体力(筋力)は15歳以降の発達の程度が緩やかで、1964年度の記録を下回っている。

 青少年の運動・スポーツ実施率は、1968年度と比較すると、男女ともにすべての年代で「していない(しない)」という割合が減少。特に小中学生の女子で「していない(しない)」の割合が大きく減少。どの年齢においても運動・スポーツ実施率は1968年度と比較して高い値を示している。

 スポーツ庁では、中高校生のスポーツ実施率が向上していることについて「競技性の高いスポーツだけではなく、誰もが気軽にスポーツを楽しめる環境が増えていると考えられる」と分析している。
《奥山直美》

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