ママの52.3%「感染症対策」より「保育」を優先してほしい

 新型コロナウイルス禍での保育士に求める項目について、子育てママの52.3%が「感染症対策」よりも「保育」を優先してほしいと回答したことが、明日香が2020年10月28日に公表した調査結果から明らかになった。

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新型コロナウイルスの影響により、保育現場に求めることに変化はあったか
  • 新型コロナウイルスの影響により、保育現場に求めることに変化はあったか
  • 保育園に対し、あえて選ぶとしたら、感染症対策と保育、どちらを優先するか
  • 保育園や働く保育士に対する満足度
  • 保育士に向け、より力を入れて取り組んでほしいこと
 新型コロナウイルス禍での保育士に求める項目について、子育てママの52.3%が「感染症対策」よりも「保育」を優先してほしいと回答したことが、明日香が2020年10月28日に公表した調査結果から明らかになった。

 「新型コロナウイルス禍での保育士に求める項目調査」は、保育園児を子どもにもつ母親104名を対象にインターネット調査で実施した。調査期間は2020年10月16日から10月19日。

 「新型コロナウイルスの影響により、保育現場に求めることに変化はあったか」という質問に対し、「変化がある」と回答した人は71.1%であった。「変化がある」と回答した人に、変化したことを具体的に聞いたところ、「消毒の徹底こまめな連絡」や「行事がほぼ無くなってしまったので、代替のリスクの少ない行事を行ってほしい」などの回答があった。新型コロナウイルスの影響により、消毒への意識の高まりがうかがえるとともに、子どもの行事減少に対する落胆がみられた。

 「保育園に対し、あえて選ぶとしたら、感染症対策と保育、どちらを優先してほしいと思うか」と質問したところ、「保育を優先する」が15.9%、「やや保育を優先する」が36.4%で、あわせると52.3%と過半数を超える結果となった。一方で、「感染対策を優先する」が20.6%、「やや感染対策を優先する」が23.4%で、44.0%の母親が感染対策の優先を望んでいることがわかった。

 「保育を優先する」「やや保育を優先する」と回答した理由として、「幼児期に形成される人としての土台づくりはとても重要だと考えているため」や、「感染症はコロナ以外もこれまでもあったものだから取り立てて厳重に運用変更しなくてもいい」などの回答があった。

 「感染症対策を優先する」「やや感染症対策を優先する」と回答した理由として、「感染が広げれば、預けることさえできなくなる」や、「園内で集団感染してしまうと、影響は保護者やその会社などにまでおよぶので、感染症対策を優先せざるを得ないと思う」などの回答があった。「休園の恐れ」や「保護者や勤め先への影響波及」を懸念していた。

 「子どもが通う保育園や働く保育士に対する満足度」を質問したところ、「とても満足している」が26.2%、「満足している」が57.9%という回答で84.1%の保護者が「満足」していることがわかった。具体的に満足している内容や保育士とのエピソードを聞いたところ、「できる限りのことをやってくれている」や、「少しでも体調が悪いと報告してくれる」などの回答を得た。

 また、具体的に不満な内容や保育士の対応についてを聞いたところ、「担任とのコミュニケーションが取りづらい」や、「いつも疲れた顔をしている」などの回答があった。保育園や保育士に対する満足度は高いものの、課題も見られた。

 「保育士に向け、より力を入れて取り組んでほしいこと」を質問したところ、「日々の遊びの充実」が37.4%で最多、ついで「季節の遊びや園内行事の充実」が35.5%、「連絡ノートの記載」が34.6%という回答を得た。

 そのほかに取り組んでほしいことを質問したところ、「連絡ノートのIT化」や、「子どもにたくさんの制約が今はあるため少しでも思い出に残ることをしてほしい」などの回答があった。

 調査結果を公表した明日香は、「発育のために重要な幼児期の保育と、健康被害から守る感染症対策。どちらも重要なことと捉えながら保育現場で奮闘する保育士の苦悩は継続することだろう。『連絡ノートのデジタル化』を望む声もあったように、保育現場は小さなことからでも保育におけるニューノーマルを創出し、保育士と保護者の綿密なコミュニケーションの中で、子どもが健やかに発育できる環境整備が求められている」とまとめている。
《鈴木あさり》

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