大学院生の研究インターンシップ、実施方針案を公表

 文部科学省は2021年5月6日、ジョブ型研究インターンシップ(先行的・試行的取組)実施方針案等を公表した。大学院学生による長期間・有給の研究インターンシップについて、定義やメリット、目標、2021年度後期シーズンからの検証ポイント等を示している。

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ジョブ型研究インターンシップのメリット
  • ジョブ型研究インターンシップのメリット
  • 先行的・試行的取組みにおけるポイント
  • ジョブ型研究インターンシップの定義
  • 当面の進め方
 文部科学省は2021年5月6日、ジョブ型研究インターンシップ(先行的・試行的取組)実施方針案等を公表した。大学院学生による長期間・有給の研究インターンシップについて、定義やメリット、目標、2021年度後期シーズンからの検証ポイント等を示している。

 「ジョブ型研究インターンシップ推進委員会」が、ジョブ型研究インターンシップ(先行的・試行的取組)の実施方針(ガイドライン)案と当面の対応案を検討し、内容を了承した。今後、この内容に基づき、文部科学省が策定する。

 実施方針案によると、ジョブ型研究インターンシップとは、「研究遂行の基礎的な素養・能力をもった大学院学生が対象」「長期間(2か月以上)かつ有給の研究インターンシップ」「正規の教育課程の単位科目として実施」等、6つの要件すべてを満たすインターンシップをさす。実施方針は、学生・企業・大学・事務局(マッチング支援機関)の取組みに関し、共通理解を図るために作成する。

 大学院教育の一環として行われる長期間かつ有給の研究インターンシップを社会に定着させ、Society 5.0にふさわしい雇用の在り方と高等教育が提供する学びのマッチングを図ることを目的としている。

 ジョブ型研究インターンシップのメリットは、学生・企業・大学それぞれにある。実施方針案では、学生は「進路可能性を広げることができる」、企業は「多様な大学・分野から企業競争力向上に貢献できる優秀な学生を採用できる」、大学は「博士課程のカリキュラムや修了生の質が向上し、大学のブランド力を強化することができる」等がメリットだとしている。

 2021年度からの「先行的・試行的取組み」において検証するポイントには、「大学院教育として研究力に裏打ちされた実践力を育成するためのディプロマポリシー、体系的なカリキュラム構成の改善」「インターンシップ成果の採用選考活動や就職活動への活用による、研究・学業と就職活動との両立の有効性」等をあげている。

 当面の対応案によると、2021年後期シーズンはトライアルのため、正規課程とする必要はなく、企業・大学は事務局への費用を負担せず、できる範囲で実施。2022年度前期シーズンより、先行的・試行的取組みを本格実施する。

 実施方針案には、目標や進捗評価についても記載。目標値は、社会人学生でない理工農系博士課程学生が修了前までに長期・有給のインターンシップを経験する割合について、2023年度に「5~10%程度(年120~240人程度)」、2030年度に「30~40%(年730~980人程度)」と設定している。

 実施方針案ではこの他、ジョブ型研究インターンシップの体制や類型、採用選考・就職活動への評価の活用、奨学金との関係等についても記載している。
《奥山直美》

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