多子世帯・理工農系学生、給付型奨学金等の支援拡充へ

 文部科学省は、低所得層に対する高等教育の修学支援新制度の拡充をめぐり、2022年12月12日の有識者会議において、給付型奨学金や授業料減免等の支援を中間所得層に拡大する等の報告案を了承した。2024年度の導入を目指す。

教育・受験 大学生
高等教育の修学支援新制度
  • 高等教育の修学支援新制度
  • 文部科学省

 文部科学省は、低所得層に対する高等教育の修学支援新制度の拡充をめぐり、2022年12月12日の有識者会議において、給付型奨学金や授業料減免等の支援を中間所得層に拡大する等の報告案を了承した。2024年度の導入を目指す。

 2020年度より開始された「高等教育の修学支援新制度」は、低所得層に対する給付型の支援として、初年度約27万人、2021年度は約32万人に支援を行い成果をあげつつある。一方、制度の対象外となる中間所得層への支援が課題にあがっている。

 文部科学省は2022年8月24日より、高等教育の修学支援新制度の見直しを行うため、有識者会議を実施。機関要件の厳格化を図りつつ、現在対象となっていない中間所得層について、負担軽減の必要性が高い多子世帯や理学・工学・農学系学生等への支援・改善策について検討を進めてきた。

 12月12日に開かれた第5回会議では、修学支援新制度の報告案を了承。中間所得層の「子供3人以上を扶養する多子世帯」と「理学・工学・農学系の学生」に対象を拡大し、返済不要の給付型奨学金と授業料減免することを明記した。理工農学系の学生支援では、授業料等の負担が多い私立を重視するとしている。工程表によると、新制度の見直しは2024年度から開始予定。

 文部科学省では、2023年3月末まで「高等教育の修学支援新制度の在り方検討会議」を開催し検討を重ねる。具体的な所得基準や支給額については、今後、財源とあわせ政府において検討することとなる。

《川端珠紀》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top