【大学受験2023】河合塾の国公立大動向…共テ平均点UPで後期の志願増、難関資格系人気高まる

 河合塾は2023年1月19日、2023年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト)における「国公立大全体動向」を公開した。国公立大の前期日程の出願予定者は前年並み、後期日程は前年比104%と増加。分野別では、獣医・医・歯・薬等の難関資格系の人気が高まっている。

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国公立大志望動向(全体概況)
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 河合塾は2023年1月19日、2023年度(令和5年度)大学入学共通テスト(以下、共通テスト)における「国公立大全体動向」を公開した。国公立大の前期日程の出願予定者は前年並み、後期日程は前年比104%と増加。分野別では、獣医・医・歯・薬等の難関資格系の人気が高まっている。

 「国公立大全体動向」では、2023年度の国公立大出願動向の予測に大きな影響を及ぼす大学側のおもな動きとして、「選抜区分ごとの募集人員の変更」と「志願者数の隔年現象」の2つをあげている。学部・学科の新設や改組、後期日程廃止、学校推薦型・総合型選抜の拡大等で一般選抜の募集人員を減らす大学がある一方、後期日程の復活等により一般選抜へ募集人員を再配分する大学もある。募集人員に変更があった学部・学科は志願者数は前年並みでも倍率が変動するため注意が必要。志願者数が1年おきに増減する隔年現象は、医学科や科目数の少ない公立大を中心に各地でみられるという。

 「共通テストリサーチ」のデータをもとに国公立大学の志望動向をみると、前期日程の出願予定者は前年(2022年)比99%と前年並み、後期日程は前年比104%と増加。共通テストの平均点アップにより、後期日程まで視野に入れて出願を検討する受験生が増えていることがうかがえる。

 文理別の志望動向では、文系学部全体の出願予定者数は前年比98%、理系学部は前年並みとやや「文低理高」の傾向に。文系の中でも「外国語」「地域・国際」「国際関係」といった国際系分野の減少率が目立ち、「経済・経営・商」は前年比104%と文系学部で唯一出願予定者を伸ばしている。

 理系では、「農」「医・歯・薬・保健」に出願予定者が集まっており、特に難関資格系の「獣医・医・歯・薬」等の医療関連分野が人気に。近年、学部・学科の新設が相次ぐ情報系は、学際系の「情報」の出願予定者が前年比115%と大きく増加した一方、理学系の「数学・数理情報」、工学系の「通信・情報」は前年より減少。同じ情報系でも学ぶ学問の内容により志望動向に違いがみられる。

 旧帝大を中心とした難関10大学の大学・学部別の志望動向をみると、東京大を除くすべての大学で前年を上回る出願予定者が集まった。共通テストの平均点アップにより、難関大への出願を積極的に検討するようすがみられる。系統別では「農」「医・歯・薬」等で出願予定者が増加し、国公立大学全体の志望動向と同様の動きとなった。

 東京大の出願予定者は全体で前年比99%と前年並み。科類別では、文科一類、文科三類、理科二類で出願予定者が減、最難関の理科三類は増。共通テストの平均点アップが追い風となっているようだが、理科三類では、第1段階選抜の実施倍率が3.5倍から3.0倍に変更されているため注意が必要。京都大の出願予定者は全体で前年比108%と増加。総合人間学部を除くすべての学部で前年を上回っており、堅調な人気がうかがえる。学部新設で注目される一橋大は、全体で前年比108%と出願予定者が大きく増加。新設のソーシャル・データサイエンス学部は募集人員30人に対し173人の出願予定者が集まり、倍率(出願予定者÷募集人員)は5.8倍と他学部より高くなっている。

 河合塾「Kei-Net」の2023年度大学入学共通テスト特集では、各大学のボーダーライン一覧や出願予定者の大学別学力分布、国公立大出願状況(1月25日公開予定)等、国公立大出願の際に役立つ情報が確認できる。河合塾では、受験生に向けて「2次試験までの1か月間をどのように過ごすかがとても重要。粘り強い受験が合格への鍵であることは言うまでく、後期日程まで視野に入れ受験を検討してほしい。共通テストの結果に一喜一憂することなく、気持ちを切り替えて、この後の私立大一般入試、国公立大2次試験の準備に集中しましょう」とアドバイスしている。

《畑山望》

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