少人数・習熟度別指導、9割以上が肯定的…都教委調査

 東京都教育委員会は2023年10月30日、2023年度(令和5年度)「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果を公表した。各教科の理解度や苦手意識などを調査。数学や英語での少人数・習熟度別指導については全学年の9割以上が肯定的にとらえていることがわかった。

教育・受験 小学生
各教科の学習を得意と感じる程度(国語)
  • 各教科の学習を得意と感じる程度(国語)
  • 各教科の学習を得意と感じる程度(社会)
  • 各教科の学習を得意と感じる程度(算数・数学)
  • 各教科の学習を得意と感じる程度(理科)
  • 各教科の学習を得意と感じる程度(英語)
  • 各教科の授業の内容に対する理解の程度(国語)
  • 各教科の授業の内容に対する理解の程度(社会)
  • 各教科の授業の内容に対する理解の程度(算数・数学)

 東京都教育委員会は2023年10月30日、2023年度(令和5年度)「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果を公表した。各教科の理解度や苦手意識などを調査。数学や英語での少人数・習熟度別指導については全学年の9割以上が肯定的にとらえていることがわかった。

 同調査は、児童・生徒の「学びに向かう力」に関する意識と、学校の指導方法などを把握・分析し、教育施策の改善や各校の授業改善などに役立てるとともに、児童・生徒の学力向上に関する継続的な検証改善サイクルを確立することを目的としたもの。

 2023年度は、都内の公立小学校1,274校の4~6年生と公立中学校621校の1~3年生を対象にWeb回答方式で実施。対象の児童生徒数は、小学校27万8,647人、中学校20万9,826人。調査期間は2023年5月15日~6月23日(学校調査は6月9日まで)。

 児童・生徒の調査をみると、各教科の授業内容に対する理解の程度は、小学校4~5年生では「理科」、それ以外の学年では「国語」と回答した割合がもっとも高かった。一方、理解度が低い教科は、小学校4~5年生が「社会」、小学6年生が「算数」、中学校では全学年が「英語」であった。

 各教科の学習を得意と感じる割合は、小学校は全学年で「理科」、中学1~2年生は「数学」、中学3年生は「国語」が最多を占めた。対して、苦手意識のある教科は、小学4年生と6年生は「国語」、小学5年生と中学1年生「社会」、中学2年生と3年生は「英語」だった。

 学習動機としては、小学4年生は「わかることやできることが楽しいから」、小学5・6年生と中学2・3年生は「将来の仕事や生活に役立つから」、中学1年生は「しっかり考えられるようになりたいから」との回答がもっとも多かった。

 学習の進め方(教科共通)では、「集中して学習に取り組んでいる」割合は、小学4・5年生がもっとも多く、学年があがるにつれ低下傾向にあった。ただし、その他の学年では「大切な言葉や公式などは、意味を理解して覚えるようにしている」割合が最多であった。

 学校以外の平日の学習時間(学習塾や家庭教師による学習などを含めない)は、小学校の全学年で「毎日30分以上1時間未満」、中学校の全学年で「毎日1時間以上2時間未満」が最多となった。

 習熟度別指導(算数・数学)や少人数・習熟度別指導(英語)で、自分の学力に応じたコースに分かれて授業を受けることについては、全学年の90%以上が肯定的にとらえており、「よくわかるようになる」と考える児童・生徒の割合は、全学年で85%を上回った。

 このほか、同調査では、学校調査の結果やおもな調査項目間のクロス分析結果などを取りまとめている。2023年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」結果は、東京都教育委員会のWebサイトで閲覧できる。

《川端珠紀》

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