博報堂教育コミュニケーション推進室は12月21日、「大学に対する生活者意識調査」の結果を発表した。この調査は、大学や教育産業のマネジメントやブランディングを手掛ける同社が、大学に対する評価や社会的ニーズを探るため、今年9月に首都圏と関西圏の生活者(18〜69歳)を対象に行ったもの。有効回答は3,977名。 大学を評価する際に重視する点をたずねた設問では、「進路/就職支援の面倒見がよい(41.9%)」、「卒業生が社会で多く活躍(38.3%)」、「卒業資格をきちんと審査している(35.1%)」など、社会で活躍する人材を輩出する役割を挙げる回答が目立った。また、「幅広い知識・教養が学生の身につく(35.2%)」、「社会で直接役立つ実学が学生の身につく(33.4%)」、「研究力が高い分野がある(33.2%)」など、大学の本分である学問・学究における教育力も評価のポイントとなっている。 最近の大学や大学生の印象についてたずねた設問では、「入学が難しい大学と易しい大学の格差が大きくなっている(39.8%)」、「同じ大学での入試方法の違いでの学生の学力の差がある(30.2%)」と、大学間や学生間における格差を指摘する回答が上位に挙がったほか、「就職活動への意識が強く、本来の勉強が不足している(33.0%)」という懸念が挙げられた。 これからの大学に望むことをたずねた設問では、「優れた研究領域の具体的な社会還元(40.5%)」という項目がトップに挙げられたほか、「小中高などと連携して教育を活発化(35.2%)」、「自治体・NPO・地域住民と連携した地域の活性化(31.1%)」、「一般企業やベンチャー企業などの育成支援(31.1%)」など、地域や社会と連携する姿勢を望む声が多く寄せられている。 また、大学が一般向けに開催している公開型講座の利用については、実際に利用しているのは全体の1.9%にとどまったものの、今後の参加についてその意向を示したのは40代で25.3%、30代で25.1%と高く、全体でも22.0%とその需要が大きいことが伺える結果となった。