6月6日に開幕したNew Education Expo 2013(NEE)では、最新の教材や教具が各社ブースにて紹介されている。内田洋行のブースでは、デジタル顕微鏡のラインナップを展示、4K対応のデジタル顕微鏡などを使いミジンコの拡大画像を表示していた。 顕微鏡の画像を大型モニターや電子黒板に表示できるデジタル顕微鏡は、理科の授業の強力な武器となるだろう。顕微鏡を操作しながら、実物の映像をその場で教室全員と共有できるということは、たとえ、同じものの画像だとしても、録画編集されたビデオ教材とは違った体験となるはずだ。 最近ではおもちゃ屋でも、安価かつ簡易的なデジタル顕微鏡を買うことができるが、授業での使用に耐えるようなデジタル顕微鏡となると、精度や解像度など一定のスペックが要求され、値段がネックとなり導入のハードルとなりがちである。 内田洋行は、この7月に、これまでのデジタル顕微鏡のラインナップを拡充し、フルHD対応でありながら10万円を切るというモデルを発表する。昨年発表したフルHD対応のデジタル顕微鏡は30万円前後という価格だったが、今年はNEEにも出展している普及モデルを投入し、授業での利用拡大を目指している。 展示品の説明を担当した内田洋行 公共本部 教育マテリアル企画部で理科教材の開発を担当している足利昌俊氏によると、HDMIケーブルを直接テレビ本体に接続することができるデジタル顕微鏡も提供しているという。USB端子も備えているが、USBケーブルでPCを経由して画像を表示させる必要がなく接続が簡単なので、一般教室での授業で機動力を発揮しそうだ。 さらに参考出品ながら、4K対応のデジタル顕微鏡も展示されていた。なお、4Kハイビジョンとは、放送用のもので解像度が3840×2160(4096×2160のものは映画用でアスペクト比が一般的なテレビ画面と異なる)、約800万ピクセルの画像フォーマットをいう。1920×1080のフルハイビジョンでも、公立学校に配置されている50型の大型テレビには十分な解像度といえるが、より細かい部分を表示させようとするとやはり高い解像度が要求されるようだ。 デモでは、ミジンコの拡大画像を表示していたが、第2触覚に生えたひげまで確認できた。通常のデジタル顕微鏡ではここまで見えるものは少ないと足利氏はいう。 なお、内田洋行では、従来の顕微鏡の接眼レンズに取り付け映像をWi-Fiで飛ばすというモジュールも展示していた。これは、本体が無線LANのアクセスポイントになっており、PCやタブレットがモジュールにWi-Fiで接続すれば画面に接眼レンズの映像を見ることができる。この製品も、既存の顕微鏡を活用して新しい授業が展開できそうで興味深い。
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