【NEE2013】未来の教室で遠隔授業と次世代双方向授業を体験

 内田洋行は、フューチャークラスルームと同等の環境をNew Education Expo 2013の会場に設置し、来場者に最新設備を使った授業を体験させていた。

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「フューチャークラスルーム」で遠隔授業
  • 「フューチャークラスルーム」で遠隔授業
  • 新川教室と対話しながら遠隔授業を行う
  • 双方の電子黒板はリンク可能
  • テーマについてグループワークを行う
  • KJ法による議論
  • 各自のアイデアをボードに張り出し全員の意見を集約
  • 新川教室によるプレゼン
  • まとめた意見を班ごとにタブレットに書いて提出
 総務省「フューチャースクール推進事業」は、ICTを活用した新しい授業と学校におけるネットワーク環境を構築するための実証実験プロジェクトだ。学校、自治体、民間企業が一体となり、生徒1人1台のタブレットを用いた授業やデジタル教科書の活用などさまざまな取組みが行われている。

 内田洋行も、この実証実験に参加しており、その成果を体験してもらうため、さらなる研究を行うために「フューチャークラスルーム」を開設している。このフューチャークラスルームと同等の環境が、New Education Expo 2013の会場に設置され、来場者に最新設備を使った授業を体験させていた。

 体験イベントは、この会場と新川にある本社の特設教室をテレビ会議システムでつないだ形で行われた。授業のテーマを「未来の黒板」とし、遠隔教室と会場とで連携しながらグループ学習を行うというものだった。会場の参加者は4班に分けられ、これに新川教室を加えて全体で5班のグループ学習となる。

 新川教室の先生が、テーマを黒板に書くと、会場の電子黒板に同じ文字が表示され、スライドなどを使った簡単な講義が行われた。次に、各班で「未来の黒板」について意見を出し合い、結果をまとめてほしいと指示が出された。ここで、各班はグループごとに椅子を移動させ、付箋にそれぞれの意見を書き、ボードに張り付ける。いわゆるKJ法によるグループ討論だ。

 ボードの意見について話し合い、班ごとの結果がまとまった段階で、タブレットが配布された。班長は結果をタブレットに記入すると、正面の画面にはそれぞれのタブレットの画面が連動して表示される。この機能を使って、討論の結果を全員に発表する。発表は、タブレットごとの表示も可能であり、分割表示で複数のタブレットの画面を同時に表示することもできる。

 すべての発表が終わったあと、参加者全員にクリッカーが配布され、各班が提案した「未来の黒板」についての人気投票が行われた。参加者がよいと思ったアイデアにクリッカーでその場で投票する。全員が投票し終わると同時に各班の得票数が表示された。このデモでは1班のアイデア(音声認識で操作できる電子黒板で3D表示が可能。そして生徒の机も端末になっているというもの)が採用された。

 タブレットや電子黒板を使った授業を見学した方もいるだろうが、生徒の立場で参加する機会は少ない。生徒の立場でICT機器を使った授業を体験できるという、面白いイベントだったのではないだろうか。
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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