【中学受験2015】札幌初の公立中高一貫校「札幌開成」が求める生徒とは

 平成27(2015)年4月に開校する市立札幌開成中等教育学校の学校説明会が7月5日(土)と6日(日)に開催され、受検を目指す小学生と保護者、教育関係者などが参加した。説明会では、教育理念と教育内容、入学者選考方法が紹介された。

教育・受験 受験
課題探究的な学習サイクル
  • 課題探究的な学習サイクル
  • 3つの探究スキル
  • 札幌開成の6年間
  • 1日の流れ
  • 教科教室型の校舎
  • 目指す姿
 平成27(2015)年4月に開校する市立札幌開成中等教育学校の学校説明会が7月5日(土)と6日(日)に開催され、受検を目指す小学生と保護者、教育関係者などが参加した。説明会では、教育理念と教育内容、入学者選考方法が紹介された。

 同校の学校説明会会場となった1,500人収容できる札幌市民ホールは7月5日、ほぼ満席となった。札幌市民の関心の高さがうかがえる。北大学力増進会 中学受験本部長の小林泰之氏は「3年前に基本構想が公表されて以来、生徒・父母の関心は年々高まる一方です。志望する生徒数も過去に類を見ないレベルで、当会の志望者だけでも、すでに定員を超えているほどです」と語る。

 学校長の相沢克明先生は、「正解とされていることをそのまま正解として覚えるのではなく、その正解を武器に自分の目で見て感じた疑問を、自分の頭で考え抜き、自分なりの正解を見つけていくような『課題探究的な学習』に取り組んでいってほしい」という。そのため、同校では国際標準の教育プログラムである「国際バカロレア(IB)」の導入を目指し、開校前年の2014年度より本格的な準備を進めている。

 課題探究的な学習を進めるためには、「クリティカルシンキング」「情報リテラシー」「ICTスキル」の3つの探究スキルが必要であるとし、同校ではこれらのスキルを身につけるための学習プログラムを設定している。「なぜ?どうして?」という1つの問いからスタートし、1つの答えではなく、さまざまな視点で分析し、物事の本質を知り、みんなの前で発表して、新たな課題に活用するという「課題探究的な学習サイクル」を実践する。完成したばかりの新校舎は、すべての教室に無線LAN環境を整備し、1人1台のタブレット端末を用意する。

 同校では、6年間を「基礎期」(1・2年生)、「充実期」(3・4年生)、「発展期」(5・6年生)に分ける。基礎期から充実期までは、担任を2人配置する。発展期は単位制を導入し、興味ある分野やより深く学習したい内容の授業を選択できる。2年生で1泊2日の北海道内宿泊研修、4年生で5泊6日の海外見学旅行を予定している。

 学校での過ごし方は、1日に3セッションの授業を行い、同じ教科が2コマ続くのが特徴。ランチタイムの後に学級活動や委員会活動、探究などの時間にあてる「コズモタイム」を設ける。校舎は「教科教室型」で、生徒は授業に応じて教室を移動する。各教科の教室は教科ゾーンとしてまとめられ、英語で表記されている。

 国際的な感覚と視野をもって社会に貢献できる人を目指し、「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」と「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の取組みに加え、「国際バカロレア(IB)」認定校となるための準備も進めているという。

 入学者選考は、平成26年12月1日(月)~12月5日(金)に願書受付、平成27年1月14日(水)に一次検査(適性検査)、1月24日(土)に二次検査(個人面接)、1月31日(土)に入学予定者決定(抽選)を実施する。一次検査では、2つの適性検査(45分ずつ)結果のほか、出願者本人直筆の「出願理由等説明書」、小学校長が記載する「児童の状況調書」を資料として、募集人員の3倍(480人)以内までを一次検査通過者として選考する。二次検査では、1人あたり10分程度の個人面接を実施。一次検査の結果と個人面接の結果を総合的に評価して「入学候補者」として選考する。入学予定者決定(抽選)では、男女別に入学候補者を対象とした公開抽選(予備抽選と本抽選の2回)を行い、入学予定者を決定する。

 なお、出願資格や選抜方法、提出書類の記入様式などが盛り込まれた「入学者選考実施要項」が札幌市のホームページに掲載されている。9月13日(土)と14日(日)には、札幌開成中にて学校説明会を行う。学校説明のほか、体験授業や校舎見学なども予定している。なお、出願手続などの詳細について記載した「募集要項」は、9月13日(土)より札幌開成中にて配布する。

 北大学力増進会の小林氏は、札幌開成中の受検対策について、「なんといっても適性検査の対策がもっとも重要です。通常の学力検査とはまったく異なり、特定の教科の問題ではありません。文章記述問題が大半ですから、問題を読んで考え、自分の考えを文章で表現する練習が欠かせないと言えるでしょう」と語る。
《工藤めぐみ》

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