女子高生のスマホ利用平均時間は7時間…デジタルアーツ調べ

 情報セキュリティメーカーのデジタルアーツは、2月9日、東京都千代田区にて「第7回未成年者と保護者のスマートフォンやネットの利活用における意識調査発表会」を開催した。

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吉田氏による調査結果報告
  • 吉田氏による調査結果報告
  • 近藤氏公演
  • 近藤氏、田中氏によるクロストークの様子
  • 一日あたりの使用時間
  • スマートフォン使用有無と今後の使用意向
  • フィルタリング使用状況(子ども全体)
  • 子どもが想定外の使い方をして驚いたこと
  • デジタルアーツ、ホームページ
 近藤氏は、モバイル社会における子どもの心の成長や自立に焦点をあて研究を重ねてきた経験から、ネット利用が子どもの自我形成に悪影響を及ぼす可能性に警鐘を鳴らす。ベビーカーに古いスマホをつけ子守りをする「スマホ子守り」は子どもとのアイ・コンタクトを阻害し、第1部でも触れたように学生が夜中に携帯電話を利用することはネット依存者を生む原因になるかもしれない、と話した。

 第3部では、近藤氏とデジタルアーツ経営企画部主任の田中耕太郎氏が第1部と第2部の内容を交え「デジタルネイティブ世代の子育てについて」トークセッションを行った。

 調査結果について、近藤氏と田中氏が驚いたとして挙げた点は、女子高生のスマホの使用時間が平均値より高い値であったことや、「スマホ子守り」が象徴するような、モバイル端末やデバイスが従来の教育の代替となってしまっていることだった。

 両氏は、情報化社会において、「子どもにインターネットを利用させない」という方法が決して正しい方法ではないことを言及。保護者も利用法をよく理解し、子どもに教育を行い、ネットはあくまでも人間関係を育む場所や自分の居場所ではなく、「便利な道具である」ということを伝えることが必要であるとコメントした。

 近藤氏は、具体的に保護者が子どもをネットに潜む危険性から守る方法はふたつあるとする。ひとつは利用の制限と、もうひとつは、コミュニケーションを積極的に促し、自己形成の基盤づくりを助力することだという。実際に、田中氏は小学1年生の実子に、「1日30分まで」、「長い時間利用したい場合は理由を言うこと」など、制限をかけることと、親子の会話が密に取れるような工夫を施しているエピソードを披露した。

 教育ICTの進化や浸透が益々の広がりを見せる今日の情報化社会において、利用者である子どもはもちろん、デバイスを授ける保護者自身もメディアに対する理解を深めることの重要さは今後さらに求められていくことであろう。デジタルアーツは教育機関や児童を対象とした啓蒙イベントや講演会、保護者を対象とした利用の相談や提案を今後も継続して行っていくとする。

 同社は、実際の講演会やイベントで利用する資料を公開しており、Webサイトより無料でダウンロードできる。
《佐藤亜希》

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