6月2日から4日まで東京・有明の東京ファッションタウンビル(TFT)で「New Education Expo 2016(NEE2016)」が開催されている。 総務省は平成29年度中にすべての小中高校で、超高速インターネット接続と、校内無線LAN環境の構築を目指すとしている。そのための予算も確保されるとあって、NEEの「ネットワークソリューション・セキュリティ」ゾーンでは、無線LANのソリューション展示が盛況だ。このゾーンでは、校務支援システムや授業評価システム、遠隔会議システムのほかサーバー、ネットワーク機器、セキュリティソリューションなどを扱っている。NEEでも定番コーナーのひとつだ。 総務省のプランでは、教育ICTの整備と災害時の避難所としてのネットワーク環境の併用を考えているが、この場合、平時と災害時の運用の切替えが必要となり、技術的なハードルも高い。出展しているICT企業のブースは、それぞれの特徴を出したネットワーク機器やソリューションのアピールに余念がない。 アライドテレシスでは、教育委員会の教育ネットワークにも対応するSDNソリューションを展示していた。SDNとは、スイッチやルーターといったネットワーク機器ごとの接続、物理的なネットワークセグメントに依存しない、自由なネットワークを構築できる技術だ。同社のソリューションでは、AMF(Allied Telesis Management Framework)とSES(Secure Enterprise SDN)という2つの技術で教育ネットワークを統合管理する。AMFマスターとよばれる機器が、各学校のネットワーク接続を管理する。SESは、学校内のカメラ、無線LANアクセスポイントなどの設定を制御しつつ、トラフィックの監視機能と連動して不正な通信を遮断する。 AMF、SESともにSDN技術を利用しているため、不正トラフィックの遮断、教育ネットワークの構成、管理などが、物理的な接続に制限されにくいメリットがある。これは、災害時に避難所ネットワークを構築する場合にも効果が期待される。 シスコシステムズが展示していたのは、クラウドを利用したネットワーク管理ソリューションであるMeraki(メラキ)だ。MerakiはLANを構成する、スイッチ、無線LANアクセスポイントや、それらに接続するデバイス管理(MDM)をクラウドサービスの形で提供する。クラウドサービスなので、管理拠点(学校、教育委員会、自治体)は、特別な管理設備を持たず、ライセンスを受けたアカウントでログインすれば、管理画面を利用できる。 管理対象のネットワークは、拠点が複数に分かれていても問題ない。ネットワークの構成や個々のデバイス管理(不正なアプリがインストールされていないか、危険なサイトにアクセスしないか、など)も、クラウド上の管理画面を通じて行うことができる。管理システムはクラウド上にあるので、これらの監視、管理はブラウザがあれば原則として場所を選ばないので、災害時対応を含めた学校ネットワーク、教育ネットワークにも適用が可能だろう。 なお、シスコシステムズによれば、Merakiはトルコやオーストラリアの学校、教育機関での採用が広がっており、国内ではNTT東日本が展開している「ギガらくWi-Fi」もMerakiを利用しているそうだ。
【NEE2019】日本はAI時代に向けた教育改革のフロントランナー…鈴木寛氏 2019.6.11 Tue 10:45 「NEW EDUCATION EXPO 2019」の東京会場の最終日となった2019年…