幼児の昼寝「長い・遅いと夜寝ない」聖路加国際病院らが証明

 聖路加国際病院、国立精神・神経医療研究センターらの研究グループは、北海道大学病院らとの共同研究を通じて、発達初期の幼児では昼寝の長さや時間帯が夜間の睡眠時間などに影響を及ぼすことを明らかにした。この研究成果は、英国のオンライン科学雑誌に掲載された。

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 聖路加国際病院、国立精神・神経医療研究センターらの研究グループは、北海道大学病院らとの共同研究を通じて、発達初期の幼児では昼寝の長さや時間帯が夜間の睡眠時間などに影響を及ぼすことを明らかにした。この研究成果は、英国のオンライン科学雑誌に掲載された。

 同研究では、アクチグラフ(Actigraph:米国A.M.I社)という体動計を健康な1歳半の幼児50名に1週間継続して装着し、養育者に活動記録を記載してもらい解析を行った。これまで各国で「子どもの昼寝が夜の睡眠にどのような影響を及ぼすか」という研究は行われてきたが、睡眠パターンの基礎が形成される1歳半を対象に計測機器を用いて評価した研究はなかったという。

 解析の結果、幼児の昼寝時間が長いほど、また昼寝の終了時刻が遅いほど、夜間睡眠時間が短くなるとともに就寝時刻が遅れることが明らかとなり、「昼寝をしすぎたり遅い時間に昼寝をすると夜寝なくなる」ことを科学的に証明した。

 この成果を活かして、夜間睡眠が不足している幼児や昼夜が逆転している幼児に対して昼寝の長さとタイミングをアドバイスすることにより、幼児の睡眠不足解消、養育者の不安や睡眠不足解消につなげることができるという。また家庭だけでなく、保育の現場における昼寝のルール作りにも有用と考えられるという。

 なお、この研究成果は日本時間の6月9日18時、英国のオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に「Daytime nap controls toddlers' nighttime sleep.」の論文タイトルで掲載された。
《荻田和子》

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