教職員の長時間過密労働、抜本的な解決を…全教が提言

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全日本教職員組合 教職員の長時間過密労働の抜本的な解決を求める全教の提言
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 全日本教職員組合(全教)は2017年11月20日、「教職員の長時間過密労働の抜本的な解決を求める全教の提言」をまとめ、記者会見にて発表した。いまや社会問題にもなっている教職員の長時間過密労働の抜本的な解決に向け、教職員定数の改善や部活動のあり方の見直しなどを求めている。

 文部科学省が2016年10月・11月に実施した教員勤務実態調査」によると、教諭の1日あたりの「学内勤務時間(持ち帰り時間は含まない)」は、小学校で11時間15分、中学校で11時間32分と所定内労働時間を大きく上回る。2006年の前回調査と比較すると、小学校は平日で43分、土日で49分、中学校は平日で32分、土日で1時間49分も増加。1週間あたりの「学内勤務時間」数が60時間を超える割合は、小学校で33.5%、中学校で57.6%にのぼり、1か月あたりに換算すると厚生労働省が過労死ラインとしている月80時間を超える時間外勤務を行っていることになるなど、教職員の心身や教育の質の面からも軽視できない状態になっているという。

 全教はこうした教職員の長時間過密労働の解消を求め、提言を発表。提言は「教職員の『働き方』『働かされ方』の実態」「全日本教職員組合の取組みの到達点と文科省が進める『働き方改革』の問題点」「深刻さを増す長時間過密労働の原因」「教職員の長時間過密労働の解決の方向」「教職員の長時間過密労働の抜本的な解消に向けた全教の基本要求」の5つの柱に沿ってまとめられている。

 深刻さを増す長時間過密労働の原因の1つには、学習指導要領の現場への押し付けがあげられるという。「脱ゆとり」路線により授業時数の確保が強調され、長期休業の短縮や土曜授業の広がりで負担が増大。さらに小学校からの英語教育の導入など、教職員はさらに負担を強いられる状態にある。また部活動による放課後や休日の勤務外労働の増加、授業準備や会議時間の圧迫など、部活動問題も一因であるとしている。

 全教は、抜本的な解決に向けた基本要求として、「教職員定数の抜本的改善」を提示。少人数学級を小学校から高校まで実現することや、教員1人あたりの持ち授業時間数に上限を設定することを訴えた。また、部活動問題について勝利至上主義を改める有効な施策の打ち出しなど抜本的な見直しを要求した。

 さらに、長時間過密労働の実態を労働基準法や労働安全衛生法、給特法に沿って解決してもらいたいとして給特法改正を求めたほか、勤務時間内での授業準備時間の確保、競争主義的な教育政策からの抜本的な転換、教職員のチームワークを高めるための施策の検討、教職員の命と健康を守るための環境整備の実施などを求めた。

 「教職員の長時間過密労働の抜本的な解決を求める全教の提言」の全文は、全教Webサイトからみることができる。
《畑山望》

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