H30「諸外国の教育統計」学部生に対する大学院生の比率、日本は1割未満

 文部科学省は平成30年5月24日、平成30年(2018年)版の「諸外国の教育統計」を公開した。日本とアメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国における学校統計図や大学の学生納付金など、教育状況に関する統計データをまとめている。

教育業界ニュース 文部科学省
学部学生に対する大学院生の比率(日本)
  • 学部学生に対する大学院生の比率(日本)
  • 学部学生に対する大学院生の比率(アメリカ合衆国)
  • 学部学生に対する大学院生の比率(イギリス)
  • 学部学生に対する大学院生の比率(フランス)
  • 学部学生に対する大学院生の比率(ドイツ)
  • 学部学生に対する大学院生の比率(中国)
  • 学部学生に対する大学院生の比率(韓国)
  • 大学の学生納付金(日本)
 文部科学省は平成30年5月24日、平成30年(2018年)版の「諸外国の教育統計」を公開した。日本とアメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国における学校統計図や大学の学生納付金など、教育状況に関する統計データをまとめている。

 高等教育段階に関する項目では、各国の学部学生に対する大学院学生の比率を掲載。日本の2017年データでは学部生258万2,670人のうち大学院学生は25万891人、比率9.7%となっている。一方、アメリカ(2014年)は、標準的な履修量の75%以上を履修する「フルタイム在学者」で比率15.5%。履修量の75%未満である場合を指す「パートタイム在学者」を含めると16.9%となる。

 イギリス(2015年)は、全日の学習を前提とする「フルタイム在学者」に限ると、比率は21.7%。学習を1日の一部あるいは週の数日に制限する「パートタイム在学者」を含めた場合、33.7%にのぼる。そのほか、フランスの国立大学(2015年)の比率は73.6%。ドイツ(2015年)は57.7%。アジア圏の中国(2015年)は12.0%、韓国(2016年)は15.6%だった。

 大学の学生納付金に関する比較を見ると、日本の平成29年(2017年)初年度学生納付金額は、国立大学(学部)が81万7,800円(入学料+授業料)、公立大学の全国平均額が93万2,519円(入学料+授業料)。私立大学では平成27年(2015年)の初年度学生納付金額平均額が130万8,962円(入学料+授業料+施設設備費)だった。

 アメリカ(2014年)では、州立大学と私立大学に分けて掲載。たとえば4年制大学を見ると、州立大学(州内学生の場合)は8,543ドル(約86万5,000円)だが、私立大学は2万6,740ドル(約270万7,000円)と大きく異なる。2014年の個別大学の例によると、州立ユタ大学の初年度学生納付金額は7,835ドル(約79万3,000円)、ニューヨーク州立大学(オルバニー校)は8,302ドル(約84万1,000円)だったのに対し、私立のハーバード大学は4万3,938ドル(約444万9,000円)にのぼる。

 イギリス(2016年)における国立大学の学生納付金を見ると、国立大学は9,000ポンド(約130万7,000円)。入学料はなく、イングランド最高額の授業料を記している。なお、「諸外国の教育統計」においては、「イギリスの高等教育機関は独立の法人であるが、維持の観点から見ると国の補助金を主たる財源とする『公』の機関」と定義している。

 そのほか、フランスは入学料と授業料がなく、2015年のデータによると年間学籍登録料として184ユーロ(約2万5,000円)、健康保険料として215ユーロ(約2万9,000円)を納付する。ドイツについては、州立ボン大学の2018年度夏学期の例を掲載。入学料と授業料がなく、公共交通機関利用のための学生パス代(178.00ユーロ)および学生福祉会経費(97.00ユーロ)などをあわせた287.22ユーロ(約3万8,200円)を納付する。納付金は学期(1年2学期制)ごとに徴収される。

 韓国の2016年における学生納付金平均額は、国公立大学が412万1,270ウォン(約39万3,200円)、私立大学が735万6,830ウォン(約70万1,800円)。ただし、入学料・授業料およびその他の額は大学によって異なり、たとえば国立大学の医学系では入学料16万8,000ウォン+授業料1,011万2,000ウォン(計約98万円)が最高額。私立大学の医学系は、入学料93万8,000ウォン+授業料1,241万4,000ウォン(計約127万4,000円)が最高額となっている。

 そのほか、政府機関等奨学金に関するデータも記載。日本のデータは、日本学生支援機構による2017年の無利子貸与・有利子貸与・給付の3つの奨学金についてまとめている。また、イギリス(イングランド)の2016年データによると、2016年度入学者から学部レベルの給与奨学金の給付を廃止したという。

 「諸外国の教育統計」は、文部科学省Webサイトにて平成26年(2014年)版から平成30年(2018年)版まで公開中。各国の私立学校(就学前教育・初等教育・高等教育)のデータや初等中等教育段階における学級編制基準、高等教育在学者の千人あたり人数・専攻分野別構成なども掲載している。原則、日本、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国の7か国比較が行われているが、一部の項目では記載がない国もある。また、国によって定義が異なる部分については、各データの注記にて補足されている。
《黄金崎綾乃》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top