女性の教育委員割合、過去最高…都道府県42.7%、市町村39.8%

 女性の教育委員の割合が、都道府県教育委員会42.7%、市町村教育委員会39.8%と、いずれも過去最高となったことが平成30年6月21日、文部科学省の「平成29年度地方教育費調査」の中間報告より明らかになった。都道府県の女性教育委員が4割を超えたのは初めて。

教育業界ニュース 文部科学省
女性の教育委員数および教育委員全体に女性が占める割合の推移
  • 女性の教育委員数および教育委員全体に女性が占める割合の推移
  • 保護者の教育委員数および教育委員全体に保護者が占める割合の推移
  • 年齢段階別教育委員の構成比
  • 女性の教育長数および教育長全体に女性が占める割合の推移
  • 教育長の平均年齢の推移
  • 教育分野別地方教育費の推移
  • 財源別学校教育費の推移
  • 支出項目別学校教育費の推移
 女性の教育委員の割合が、都道府県教育委員会42.7%、市町村教育委員会39.8%と、いずれも過去最高となったことが平成30年6月21日、文部科学省の「平成29年度地方教育費調査」の中間報告より明らかになった。都道府県の女性教育委員が4割を超えたのは初めて。

 地方教育費調査は、平成28会計年度間(平成28年4月1日~平成29年3月31日)に実施。また、地方教育費調査の一部として、教育行政調査を隔年で実施しており、平成29年度は平成29年5月1日現在の状況をまとめた。調査対象は、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、公立学校(大学・短大を除く)。

 調査によると、平成29年5月1日現在の教育委員会数は1,858。このうち、都道府県教育委員会数47、市町村教育委員会数1,811。

 教育委員総数のうち女性が占める割合は、都道府県教育委員会が前回調査より3.0ポイント増の42.7%、市町村教育委員会が前回調査より1.9ポイント増の39.8%。昭和28年度の教育行政調査開始以来、都道府県教育委員会の女性教育委員が4割を超えたのは初めてで、都道府県、市町村いずれも過去最高を記録した。

 教育委員のうち保護者が占める割合は、都道府県教育委員会が前回調査より1.5ポイント減の29.1%、市町村教育委員会が前回調査より1.4ポイント増の32.1%。市町村教育委員では、保護者の割合が過去最高となった。教育委員の平均年齢は、都道府県・市町村教育委員会ともに59.1歳であった。

 一方、教育長総数のうち女性が占める割合は、都道府県教育委員会が6.5%、市町村教育委員会が4.2%。市町村教育委員会における女性教育長の割合は、平成2年度調査以降では最高。教育長の平均年齢は、都道府県教育委員会が61.3歳、市町村教育委員会が63.9歳と、いずれも昭和28年度の教育行政調査開始以降で最高となった。

 このほか、平成28年度に支出された地方教育費総額は、前年度比1,426億円(0.9%)減の16兆542億円平成25年度以来、3年ぶりの減少となった。教育分野別にみると、学校教育費は前年度比1,502億円(1.1%)減の13兆4,761億円と、3年ぶりに減少に転じた。社会教育費は、前年度比0.6%減の1兆6,046億円と3年連続で減少。教育行政費は、前年度比1.8%増の9,735億円と3年連続で増加した。

 学校教育費のうち、特に資本的支出(建築費、設備・備品費など将来に残るものに対する支出)が、前年度から2,201億円(12.8%)減と大きく低下した。公立小中学校の耐震化率が平成28年度当初で98.1%に達するなど、耐震化のための支出額が大きく減少したことが原因に考えられるという。

 学校教育費に占める人件費の割合は、前年度比139億円(0.1%)増の70.0%と、3年ぶりに7割台に戻った。小学校、中学校、高校(全日制)いずれの校種でも、近年の教員の大量退職を背景に退職・死傷手当が高水準で推移している。
《奥山直美》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top