1人1台を前倒し…遠隔教育やAI型ドリル教材の活用へ

 政府の未来投資会議は2020年4月3日、デジタル技術を活用したオーダーメイド型教育について議論し、学校現場で「1人1台端末」の前倒し実現を図る考えを明らかにした。一方、小中高校などの遠隔教育については2019年3月時点で、7割の自治体が「実施する意向がない」とした。

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初等中等教育の遠隔教育の実施状況
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 政府の未来投資会議は2020年4月3日、デジタル技術を活用したオーダーメイド型教育について議論し、学校現場で「1人1台端末」の前倒し実現を図る考えを明らかにした。一方、小中高校などの遠隔教育については2019年3月時点で、7割の自治体が「実施する意向がない」とした。

 4月3日の未来投資会議で公表された資料によると、大学は国公私立758大学のうち、2017年12月~2018年12月に遠隔教育を実施したのは26.5%にあたる195大学。小学校・中学校・高校など初等中等教育段階では、2019年3月現在、遠隔教育を実施している学校が存在する自治体は全体の22%。このうち2%にあたる36自治体は「すべての学校で実施している」と回答した一方、全体の78%は未実施だった。

 今後の遠隔教育の実施意向については、「現状の学校教育で問題がない」などの理由で実施を希望しない自治体が多く、「実施する意向がある」という自治体は25.5%にとどまっている。「すでにすべての学校で実施している」はわずか2%。「実施する意向はない」が72.5%を占めた。

 一方、熊本県高森町など全国6地域の学校と日本科学未来館をつないだ遠隔教育では、通常の授業との比較で、参加した小中学生の8割以上が「よりやりがいや満足感を持てた」「より新しく学べることや発見があった」と回答した。

 未来投資会議では、個々の生徒の理解度・特性に合わせた「オーダーメイド型教育(ギガ・スクール)」の一例として、解答内容からAIが理解度を判定して個々の生徒にとって最適な出題をする「AI型ドリル教材」、オンライン環境で外国語のネイティブスピーカーが質の高い英作文添削を指導する「オンライン英語教材」を紹介。

 AI型ドリル教材の効果について、東京都千代田区の麹町中学校における中学2年生での実践から、「数学の授業63時間のうち、知識習得の時間を31時間に効率化。残りの32時間をSTEAM教育や高学年の数学の学びにあてることができた」などの効果を示した。

 さらに会議では、AI型ドリル教材などで個別最適化した学びが可能になることを踏まえ、各教科の標準的な年間の授業時間にかかわらず、特定科目の授業時間を柔軟に増減できるよう検討する必要性を議論。学習者用デジタル教科書の使用についても各教科の授業時数の2分の1未満という現行制度上の基準について、1人1台端末環境の整備も踏まえ、総授業時数の2分の1未満とするなど見直しを図る必要性なども指摘された。

 出席した安倍晋三首相は「学校現場では、1人1台端末の前倒し実現を図るとともに、AIの活用でひとりひとりの生徒に応じた学びが可能となることを踏まえ、特定の科目の授業時間を柔軟に増減できるよう検討を進める」と語った。
《奥山直美》

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