【大学入学共通テスト2022】河合塾が概況分析…半数以上の科目平均点ダウン、数学で大幅減

 河合塾は2022年1月20日、大学入試情報サイト「Kei-Net」に2022年度大学入学共通テスト概況を公開した。2022年度大学入学共通テストは志願者数・受験者数ともに前年並みとなったが、平均点が前年よりダウンした科目が目立ち、数学では2科目で36点ダウンと大幅減となった。

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「共通テストリサーチ」参加者による主要科目・総合型平均点
  • 「共通テストリサーチ」参加者による主要科目・総合型平均点
  • 「共通テストリサーチ」7科目受験者の成績分布
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 河合塾は2022年1月20日、大学入試情報サイト「Kei-Net」に2022年度大学入学共通テスト概況を公開した。2022年度大学入学共通テストは志願者数・受験者数ともに前年並みとなったが、平均点が前年よりダウンした科目が目立ち、特に数学では2科目で36点ダウンと大幅減となった。

 「2022年度大学入学共通テスト概況」は、1月15日・16日の両日に、全国677の会場で実施された2022年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト)についてまとめたもの。試験日直前での急激な新型コロナウイルスの感染拡大や、16日未明の津波注意報の発令等、異例の状況で行われた共通テストを振り返っている。

 2022年度共通テストの総志願者数は53万367人で、前年(2021年度共通テスト)比99.1%と前年並みの志願者数となった。共通テストが実施2年目を迎え、初年度の警戒感が薄れたことに加え、私立大の共通テスト方式を利用してコロナへの感染リスクを抑えようとする受験生が増加していること等が影響したという。

 大学入試センターが発表した現卒別の内訳によると、現役志願者数は前年比99.9%の44万9,369人(前年比426人減)。一方、既卒等志願者数は前年比94.8%の8万998人で、前年から4,452人減少。大幅に減少した2021年度からさらに減少し、より現役生中心の入試へと移行している傾向がみられた。受験率は前年比90.8%と、前年に引き続き約1割が出願をしても受験しないという結果に。12月以降の爆発的なコロナ感染拡大により、必ずしも共通テストの成績を利用しない受験生が受験を取りやめたことが要因の1つと分析している。

 2021年度共通テストに比べ、2022年度共通テストでは平均点がダウンした科目が半数を超えた。数学では「数学I・数学A」で-19.3点、「数学II・数学B」で-16.9点と、2科目あわせて36点と大幅に平均点がダウン。「数学I・数学A」ではこれまで出題されたことのない目新しい問題が多く、「数学II・数学B」では前年に比べ文章量が増加したことで、苦戦した受験生が多かったようだ。

 その他、英語は「リーディング」「リスニング」共に平均点が3点プラス。国語は「現代文」は前年並みだったものの、全体で7点ダウンとなった。理科では文系受験者が中心となる理科1の「物理基礎」で-6.2点、「生物基礎」で-5.1点と、平均点がダウン。前年得点調整が行われた理科2では、「生物」が前年比-23.7点の49.8点と大幅にダウンした他、「物理」「化学」の平均点も下がり、各大学のボーダーラインにも大きな影響を及ぼしている。

 多くの国公立大で必要となる7科目の平均点(900点満点)は、文系型が前年度より44.6点ダウンの519.7点、理系型が前年度より57.8点ダウンの523.2点と、文理共に6割を切る結果に。文系型、理系型共に課されている数学の平均点ダウンが大きく影響した。7科目の成績分布をみると、文系型、理系型共に全体が低得点層側へシフトしており、得点率8割以上の高得点層は文系型で前年比34%、理系型で前年比38%と大きく減少。得点率6割以上8割未満の層も文理で減少しており、高得点が取りづらかったという傾向が顕著に現れた。
《畑山望》

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