2020年度入学の大学生「成長実感ない」4割、友人数は減少

 大学生活において、2020年度入学生(2回生)の約4割が成長実感が得られず、友人数も減少傾向であることが、ベネッセ教育総合研究所が2022年7月28日に発表した調査結果から明らかとなった。

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 大学生活において、2020年度入学生(2回生)の約4割が成長実感が得られず、友人数も減少傾向であることが、ベネッセ教育総合研究所が2022年7月28日に発表した調査結果から明らかとなった。

 第4回大学生の学習・生活実態調査は、全国の大学1~4年生4,124名を対象に実施。この調査は、2008年以降、4~5年おきに実施しており、今回の第4回調査までの13年間にわたる大学生の学習・生活の実態、行動や意識の変化をとらえ、大学教育改革の進展のようすやデジタル化等の社会の変化が若者に与える影響を推察することができる。

 大学生活における「成長実感」について、「実感しない」と回答した大学生全体の割合は、2016年度比2.1ポイント増の28.6%。特に2020年度入学生では割合が高く、39.6%が成長実感が得られないと回答している。

 「友達がいない」割合も2016年~2021年の5年間で増加。「いない」比率は「悩み事を相談できる友達」「学習やスポーツで競い合う友達」の両方で増加しており、特に2年生(2020年度入学生)では、その傾向が顕著で、コロナ禍による通学や交流の制限で、友人関係を築くのが難しかったのではと推測される。

 「学びの充実」「成長実感」「友人の数」の3者の関連についてパス解析を行ったところ、「友人の数」は「学びの充実」をもたらし、それが「成長実感」につながることがわかり、友人が多い学生ほど成長を実感していることが明らかとなった。

 今回は、コロナ禍での調査ということもあり、パンデミックにともなう遠隔教育の拡大や友人との交流の制限等の影響が浮き彫りとなったが、一方で、大学教育の改革によってアクティブラーニングや、オンライン授業が多くの学生に受け入れられているようすもみられた。特に、「教員と双方向のやりとりがある授業」は、2016年度から2021年度の5年間で6.4ポイント増の57.2%となった。オンライン授業のデメリットとしては、「一方的な授業が多い」「対話や議論がしにくい」等、学習のしにくさに関する項目が上位にあがった。

 最後に、コロナ禍の経験を評価してもらったところ、自分にとって「プラス」という回答が4割で、多くの学生が前向きにとらえていることがわかった。一方「マイナス」という回答も一定数あり、3割の学生が進路選択への影響や精神的なダメージを受けていることが明らかとなった。2020年度入学生では若干その比率が高いものの、2021年度入学生では減少しており、一時的にストップした大学教育が回復に向かっていることもうかがえる結果となった。

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《川端珠紀》

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