異次元の少子化対策を表明、支援強化やサービス拡充…岸田首相

 岸田文雄首相は2023年1月4日、年頭記者会見で「異次元の少子化対策に挑戦する」と表明した。4月のこども家庭庁発足まで議論開始を待たず、子供政策を強化するとし、対策の基本的な方向性として「経済的支援の強化」「子育て家庭を対象としたサービス拡充」等をあげた。

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 岸田文雄首相は2023年1月4日、年頭記者会見で「異次元の少子化対策に挑戦する」と表明した。4月のこども家庭庁発足まで議論開始を待たず、子供政策を強化するとし、対策の基本的な方向性として「経済的支援の強化」「子育て家庭を対象としたサービス拡充」「働き方改革の推進と制度の充実」をあげた。

 年頭記者会見において、岸田首相は「新たな挑戦をする1年にしたい」と述べた。そのうえで「特に2つの課題、第1に、日本経済の長年の課題に終止符を打ち、新しい好循環の基盤を起動する。第2に、異次元の少子化対策に挑戦する」と決意を語った。

 少子化対策については、2022年の出生数が80万人を割り込み、「これ以上放置できない、待ったなしの課題」と指摘。「本年4月に発足するこども家庭庁のもとで、今の社会において必要とされる子供政策を体系的に取りまとめたうえで、6月の骨太方針までに将来的な子供予算倍増に向けた大枠を提示していく」と説明した。

 さらに「こども家庭庁の発足まで議論の開始を待つことはできない。この後、小倉こども政策担当大臣に対し、子供政策の強化について取りまとめるよう指示する」と発言。少子化対策の基本的な方向性には、「児童手当を中心に経済的支援を強化する」「学童保育や病児保育を含め、幼児教育や保育サービスの量・質両面からの強化を進めるとともに、伴走型支援、産後ケア、一時預かり等、すべての子育て家庭を対象としたサービスの拡充を進める」「働き方改革の推進とそれを支える制度の充実」の3点をあげた。

 また、女性の積極登用、男女間賃金格差の是正、非正規の正規化、女性の正規雇用におけるL字カーブ是正、女性の就労を阻害するいわゆる103万円・130万円の壁の是正等にも意欲をみせた。女性の正規雇用におけるL字カーブの修正にともない、育児休業制度の強化も検討する必要があるとし、「小倉大臣のもと、異次元の少子化対策に挑戦し、若い世代からようやく政府が本気になったと思っていただける構造を実現するべく、大胆に検討を進めてもらう」と語った。


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《奥山直美》

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