小中学生がいる家庭半数以上「暑さ指数(WBGT)」知らず

 明光ネットワークジャパンは2023年6月28日、「子どもがいる家庭の熱中症・暑さ対策に関する意識・実態調査」の結果を公表した。小中学生の子供がいる家庭の7割が熱中症対策をしていたが、環境省が提供する「暑さ指数(WBGT)」については半数以上が認知していなかった。

生活・健康 保護者
家庭では夏季期間中、熱中症対策をしているか
  • 家庭では夏季期間中、熱中症対策をしているか
  • 家庭では熱中症や熱中症予防について親子で話し合うことはあるか
  • 日常生活に関する指針
  • 運動に関する指針

 明光ネットワークジャパンは2023年6月28日、「子どもがいる家庭の熱中症・暑さ対策に関する意識・実態調査」の結果を公表した。小中学生の子供がいる家庭の7割が熱中症対策をしていたが、環境省が提供する「暑さ指数(WBGT)」については半数以上が認知していなかった。

 個別指導の学習塾「明光義塾」を全国展開する明光ネットワークジャパンは、小学4年生から中学3年生の子供を持つ全国の保護者1,000名を対象に、「子どもがいる家庭の熱中症・暑さ対策に関する意識・実態調査」を実施。2023年6月16日~2023年6月21日にインターネットを利用して行った。

 夏季期間中、家庭で熱中症対策をしているかについては、「熱中症対策をしている」(28.4%)、「どちらかというと熱中症対策をしている」(45.8%)と回答し、あわせて74.2%が熱中症対策をしていた。「暑さ指数(WBGT)」については、「知っている」(16.5%)、「どちらかというと知っている」(17.7%)とあわせて34.2%が「知っている」と回答。50.2%と半数以上の保護者が「暑さ指数」を知らないという結果となった。環境省では2006年(平成18年)から「暑さ指数」の情報を提供している。

 「暑さ指数」とは、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標のこと。単位は気温と同じ摂氏度で示されるが、その値は気温とは異なる。「暑さ指数」は、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい「湿度」「日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境」「気温」の3つを取り入れた指標。 なお、環境省のサイトでは気温との混同を避けるため、暑さ指数について単位の摂氏度を省略して記載している。

 日本生気象学会の「日常生活に関する指針」では、暑さ指数が31以上だと「危険」とし、高齢者は安静状態でも発生する危険性が大きく、外出はなるべく避け、涼しい室内に移動することを呼び掛けている。厳重警戒の暑さ指数は28~31、「警戒」の暑さ指数は25~28、「注意」の暑さ指数は25未満となっている。環境省のWebサイトのグラフによると、暑さ指数が28(厳重警戒)を超えると熱中症患者が著しく増加しているのがわかる。

 調査では、夏季期間中の子供のクラブ活動(体育系)について、75.7%の保護者が熱中症などの不安を感じており、気温が高い日の子供のクラブ活動(体育系)は、63.4%の保護者が「控えてほしい」と回答している。日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019年)の「運動に関する指針」では、気温が35度以上の場合の暑さ指数は31以上となり、「運動は原則中止」としている。気温31~35度の暑さ指数28~31では「厳重警戒(激しい運動は中止)」、気温28~31度の暑さ指数25~28では「警戒(積極的に休憩)」としている。

 また、57.1%と半数以上の家庭で熱中症予防について話し合っていることから、単純に気温の高さだけではなく、湿度や日差しの違いも考慮した「暑さ指数(WBGT)」を参考にし、より的確な熱中症予防に利用してはいかがだろう。「暑さ指数」の実況と予測は、環境省の「熱中症予防情報サイト」で随時更新している。

《田中志実》

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