熱中症、1週間で9,190人が救急搬送…前年同期の2倍

 熱中症により2023年7月23日までの1週間、全国で9,190人が救急搬送されたことが総務省消防庁の速報値からわかった。前週(7月10日~16日)から急増しており、前年同時期と比較すると熱中症による救急搬送人員は2倍以上となった。

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2023年熱中症による救急搬送状況(週別推移)
  • 2023年熱中症による救急搬送状況(週別推移)
  • 都道府県別熱中症による救急搬送人員前年同時期との比較(直近週:2023年7月17日から7月23日)
  • 全国の熱中症による救急搬送状況2023年7月17日~7月23日(速報値)
  • 2023年8月~10月の予想される海洋と大気の特徴

 熱中症により2023年7月23日までの1週間、全国で9,190人が救急搬送されたことが総務省消防庁の速報値からわかった。前週(7月10日~16日)から急増しており、前年同時期と比較すると熱中症による救急搬送人員は2倍以上となった。

 総務省消防庁が発表した速報値によると、7月17日~7月23日に熱中症で救急搬送された人は、全国で9,190人。前々週(7月3日~9日)は3,964人で、前週(7月10日~16日)には8,189人へと急増。7月23日までの1週間の速報値は、前年同時期の4,078人(確定値)と比較すると2倍以上となった。

 7月23日まで1週間の熱中症による救急搬送状況を都道府県別でみると、「東京都」916人がもっとも多く、「愛知県」668人、「埼玉県」625人、「大阪府」621人、「神奈川県」498人、「兵庫県」457人、「千葉県」405人、「福岡県」416人と続いている。

 年齢区分別では、「高齢者(65歳以上)」56.5%、「成人」32.2%、「少年(7歳以上18歳未満)」10.2%の順に多かった。「乳幼児(生後28日以上7歳未満)」98人と「新生児(生後28日未満)」1人も救急搬送されている。

 初診時における傷病程度では、入院加療を必要としない「軽症」(65.5%)と入院診療を要する「中等症」(31.1%)で9割以上を占めた。一方、0.1%にあたる10人は初診時に死亡が確認され、200人(2.2%)は長期入院加療を要する「重症」と診断された。

 発生場所は、「住居」43.6%が最多で、「道路」17.3%、道路工事現場・工場・作業所などの「仕事場」8.9%が続いた。幼稚園・保育園・小学校・中学校・高校・専門学校・大学などの「教育機関」は3.4%だった。

 梅雨明け直後は、多くの人が十分に暑さに慣れていない状況のため、特に熱中症発生リスクが高くなる。気象庁によると2023年は、春に発生した「エルニーニョ現象」が続いていることと、「正のダイポールモード現象」の影響を受け、2つの高気圧が日本付近で重なり、平年より気温が高くなると予想。こまめな水分補給など、熱中症対策を心がけてもらいたい。

《川端珠紀》

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