子供だけの登下校・公園禁止条例、埼玉県が可決予定…反対署名も

 2023年10月4日に埼玉県議会で虐待禁止条例の一部を改正する条例案が提出された。「児童を放置してはならない」との内容を追加するものだが、「放置」には子供だけでの公園遊びや低学年児童だけでの登下校も含まれるとして、オンライン上で反対署名活動が行われている。

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10月13日可決予定!STOP!埼玉県 子どもだけの登下校禁止条例!!
  • 10月13日可決予定!STOP!埼玉県 子どもだけの登下校禁止条例!!
  • STOP!10/13可決予定の埼玉県虐待禁止条例改正!保護者、そして、子どもたちに対しても不利益をもたらします!!

 2023年10月4日に埼玉県議会で虐待禁止条例の一部を改正する条例案が提出された。「児童を放置してはならない」との内容を追加するもので、10月13日には可決予定。この「放置」には子供だけで公園へ遊びに行くことや自宅での留守番、低学年児童だけでの登下校も含まれるとして、オンライン上で反対署名活動が行われている。

 虐待禁止条例の一部を改正する条例案は、自民党県議団「虐待禁止条例の一部改正検討プロジェクトチーム」が中心となり議案として提出されたもの。児童の放置による死亡事案が多発していることから、児童が放置されることにより危険な状況に置かれることを防止することを目的に、児童の放置を禁止する内容を虐待禁止条例に追加することを提案している。

 この虐待禁止条例の一部改正案が、10月13日の議会で可決採択される可能性があるとして、オンライン署名サイト「change.org」上では、可決を見送るよう署名を求める活動が活発化している。

 change.org内で署名活動を展開している「10月13日可決予定!STOP!埼玉県 子どもだけの登下校禁止条例!!」によると、条例で禁止される「放置」行為の中には、「小学生だけで公園で遊びに行く」「児童が1人でおつかいに行く」「不登校の子供が日中家にいる状態で、親が買い出しや仕事に行く」「ゴミ捨てにいくため留守番させる」「小学校1年生から3年生だけで登下校する」「18歳未満の子(中高生の兄弟など)と小学校3年生以下の子が一緒に留守番をする」「車などにどんなに短時間であっても残していく」などが含まれるという。

 署名の発信者は、「埼玉県は学童の待機児童数も全国トップクラスで、夏休みなどの長期休みにどれだけ熱望してもどこにも空いている枠がなく、チャイルドシッターなどの金銭的負担が高く安全性の確保できないサービスを利用できない中、子供たちを「置き去り」にすることを禁止する前に、まずは学童保育などを十分に整備し、子供たちを置き去りにしなくても良い環境を作るのが行政の仕事ではないか」と疑問を呈する。

 条例では学童などの受け皿の整備にも取り組むとあるが、その予算などは不明瞭。先に保護者や子供を縛る条例を作るのではなく、「子供がのびのび過ごせるよう支援制度を整備させた上で条例を作ってほしい」と求める。条例改正案には、こうした「放置」されている児童を見かけた場合、保護者は条例違反・努力義務違反となり、虐待にあたるという。さらに、「放置」されている児童を見つけた県民は通報する義務が発生するという。

 change.org内では、さいたま市PTA協議会も同じ条例改正案の可決に反対する署名活動を展開。10月9日には、さいたま市PTA協議会会長より、埼玉県議会自由民主党議員団団長に埼玉県虐待禁止条例改正案に反対の意見書を手渡したという。

 反対署名は現在も「change.org」にて賛同を募っている。

《畑山望》

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