医学部人気続く、国内外31大学出展「医学部合同説明会・進学講演会」に1,000人超

 駿台グループ「医学部合同説明会・進学講演会」が2024年6月30日、東京国際フォーラムにて開催された。国内外の大学31校のブースに加え、駿台職員による個別相談ブースや、医師国家試験問題に挑戦できるICT教材体験会などを展開。医学部受験最新動向の解説セミナーも開催され、多くの医学部受験志望者とその保護者で賑わった。

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医学部人気続く、国内外31大学出展「医学部合同説明会・進学講演会」に1,000人超
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 駿台グループ「医学部合同説明会・進学講演会」が2024年6月30日、東京国際フォーラムにて開催された。本イベントは、日本経済新聞社イベント・企画ユニット主催、駿台予備学校グループ協賛にて実施され、「未来の医師たちへ」のイベントサブタイトルの通り、医学部を目指す受験生、小中高生をはじめ、その保護者や教育関係者が対象となっている。

 国内外から大学31校が出展し、自校の医学部のアピールや入試説明などを行い、受験生や保護者からの相談に応えていた。また、駿台グループも受験や学習に関する相談ができる「駿台個別相談ブース」や、医師国家試験問題にチャレンジできるアプリなどを揃えた「ICT体験会ブース」を構え、多くの来場者が足を止め、熱心に聞き入る姿があった。

 当日は開場前から受験生や中高生親子が長い入場列を作り、10時から16時までの開会中、客足が途切れることはなかった。来場者数はのべ1,000人以上。大盛況の本イベントの概要をレポートする。

国内外から31大学が出展…ブース前には長い待機列も

 駿台グループ「医学部合同説明会・進学講演会」は、医学部進学を検討するすべての小中高生・保護者・受験生・教育関係者のための医学部受験や今後の医学医療を考える総合進学イベント。会場内には、国公立6大学、私立24大学、海外1大学の計31大学による「大学個別相談ブース」が並んだ。各大学の医学部入試担当者に直接個別相談できるとあって、来場した中高生とその保護者に大変な人気を博した。

 31大学のブースはどれも盛況。なかでも2024年10月に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して設立される東京科学大学のブースには、とりわけ長い待機列ができ、多くの来場者が入試案内の説明に聞き入っていた。(なお、同大学の医学部入試は、当面は現大学の東京医科歯科大学と同様の入試が行われる予定)

大学出展ブースでは国内外31校が軒を連ねた

 また、唯一海外から出展したハンガリー国立大学も注目を集めた。医療に関する学びのみならず、英語での専門的なコミュニケーションスキルを伸ばすこともできることから、国際社会において医学分野で貢献したいと考える学生に人気のキャリアパスだ。ハンガリー国立大学医学部は日本学生の誘致に熱心に取り組んでおり、完全給付型のハンガリー政府奨学金を設置している。これを取得できると6年間の授業料全額免除に加え、総額1,500万円相当の生活費の支給が得られることから、場合によっては日本国内の大学の医学部より医師免許取得までの費用をおさえることも可能だ。

 会場入ってすぐの一角では、医学部合格に高い実績をあげている駿台グループがブースを展開。職員に受験相談・学習相談ができる「駿台個別相談ブース」をはじめ、最新の教育サポートアプリなどITサービスに触れられる「ICT体験会ブース」を構えてICTサービスを提案した。後者のブースでは、駿台予備学校で導入している、オンラインでいつでも利用が可能な質問アプリ「manabo」や、医療系教育機関向け教育支援システム「ESS」の体験が可能。特にESSを活用してスマホ・タブレットで医師国家試験問題にチャレンジできる「医師国家試験チャレンジ学習体験会」には、未来の自分を想像しながら問題に取り組む受験生の姿が多く見られた。

経験豊富な駿台グループのスタッフが個別相談に応じた

 本イベントのもうひとつの目玉が充実したセミナーやシンポジウムだった。セミナー第1会場では、梅澤夏佳医師(東京医科歯科大学)による基調講演「これから女性医師を目指す方へ」に続いて、シンポジウム、ディスカッションを実施。第1部のシンポジウムでは浅沼一成氏(厚生労働省医政局長)による「10年後の医学医療の展望」、北村聖氏(東京大学名誉教授)による「医師になるということ」、北村義浩氏(日本医科大学医学教育センター教授)による「医学部でのお勉強」の3講演が行われた。続くディスカッションでは、シンポジウム講師の3名が登壇し「10年後の医学医療~君たちは何を学ぶか~」をテーマに議論を行った。それぞれの講演には多くの医学部志望者や保護者、関係者が集まり、熱心に聴講していた。

 また、セミナー第2会場では、駿台予備学校による講演セミナー「最新!医学部入試情報」が4回開催され、立ち見も出るほどの盛況ぶりだった。ここでは、駿台予備学校市谷校舎副校舎責任者 細谷一史氏による「最新!医学部入試情報」セミナーの概要を紹介する。

定員微増、志願者微減…でも難易度は衰えず

 細谷氏は、医学部受験において高い実績を誇る駿台グループの中で、医学部専門校舎である市谷校舎副責任者、すなわち日本でもっとも医学部に詳しいと言うに事足りる人物だ。

 まずはじめに細谷氏が提示したのは、医学部入学定員に関する資料。それによると、医学部医学科の入学定員は国が管理しており、2024年度は9,403人となった。年度により増減はあるものの、2007~08年度における入学定員抑制時の7,000人台から、定員が徐々に増加している。近年は2019~20年に「医学部定員減」の報道があり、実際に千葉大や東北大の定員が減ったものの、その後のコロナ禍で医師不足が問題視されたことをきっかけに増加に転じ、今に至る。今後について細谷氏は「厚生労働省は、今後少しずつ減らしていく方針を発表しているが、ひとまずは減っても各大学1~2名の範囲。安心して受験してほしい」と見通した。

医学部医学科入学定員の推移(提供:駿台予備学校)

 一方、志願者数については、国公立大医学部の2024年度の志願者数は前期が約1万6,000人。細谷氏は「志願者数は、つまりライバルの人数」と受験生を鼓舞。志願者数の推移をみると、少子化の影響を受けて2016年度の1万8,342人に比べ減少しているものの、「入学定員微増、志願者数減少=合格しやすくなったと誤解しないでほしい。そこに保護者と生徒の大きなギャップが生まれている」と細谷氏は指摘した。

 その理由として、近年の医学部受験者の受験スケジュールの一例を紹介。「11月の推薦入試から受験が始まり、1月の大学入学共通テスト(以下、共通テスト)を経て、その直後に私立大入試、2月に国公立大前期、3月に国公立大・私立大後期と続いていく長丁場がパターン化している。入試自体が長く続くので体力勝負になる」と話す。受験生はもちろん、保護者も気持ちが途切れることのないよう気を付けてほしいと述べた。

 続いて、各入試について解説。まず医学部入試の皮切りとなる推薦・総合選抜については、評定平均などによる受験制限だけでなく、学科試験の課題があるものも多く、倍率が高いのが特徴とした。「推薦が取れた=合格ではなく、対策を怠ると否応なく落ちる入試」と指摘した。その後の共通テストについては、「(共通テストは)センター試験の後継ではあるが、内容がまったく異なり、求められる力も大きく変わっている。ライバルが減ったとはいえ、昔と比較すると今の医学部受験生はやるべきことが、とても増えている」と強調。基本的に1問1答のマーク式で出題されたセンター試験に対し、共通テストは試験問題の分量がセンター試験の1.5倍以上のページ数と多く、全教科で長い文章題や資料を読み解く複雑な問題が出るのが特徴だ。センター試験のころは、センター試験・私立大の試験対策としてのマーク式、国公立の試験対策としての記述式の2つを対策しておけば良かったが、共通テストになった今、共通テスト型のマーク式私立大型のマーク式国公立記述式の大きく分けて3つの対策が必要になり、その分負担が大幅に増えたという。「いかに効率よく対策ができるかが重要」だとした。

駿台予備学校市谷校舎副校舎責任者 細谷一史氏

 駿台グループでは、かつて行ってきたテキストを何周も解く気合・根性・暗記型勉強から脱し、今ではICTを活用して勉強を効率化・個別最適化していると細谷氏は話した。できていない範囲を「atama+」で振り返りながらピンポイントで学習したり、質問アプリ「manabo」を活用することでいつでもオンラインで講師に質問するなど、時間のムダなく学習を進めることができる。共通テストを例に挙げながら、自分自身の実力を測り、着実に次の学習に活かせるよう、模試を頻繁に実施していることも紹介した。

「センターと共テは別物」保護者の認識のギャップを埋めたい

 共通テストがいかに得点の難しい試験なのか、センター試験を経験している保護者はその認識にギャップが生じていると細谷氏は話す。そこで、2022~2024年度共通テストの医学部医学科合格者平均得点率を3か年を比較してみせた。5教科7科目で2022年度が79.9%、2023年度が82.1%、2024年度が84.2%となっており、「かつての『9割取れて当たり前のセンター試験』とは違う」と強調した。「医学部合格者の平均でも8割取れるかどうかというのが共通テストであり、だからこそしっかり対策して得点できるようにすることが合格につながる」と語った。

 その証拠として、東京医科歯科大や横浜市立大の医学部の合否得点率を見せながら、共通テストの点数が取れた人の方が圧倒的に合格率が高いことを示し、「『2次逆転を狙う』として難しい問題に取り組むのはナンセンス。共通テストも十分解答が難しい問題で、英単語数も新課程は旧課程の約2倍になった。さらに2025年度入試からは『情報I』も追加され、ますますやるべきことが増えている」と細谷氏は述べた。新科目の情報についても、共通テスト自体では100点満点で出題されるが、各大学によりその点数が圧縮され、比重が変わってくるため、注意が必要だという。「『情報I』の対策が面倒だからとないがしろにすると、出願校の選択肢を狭めることになりかねない」とし、「現在各大学から発表されている情報を見る限り、特に関東の大学は、『情報I』がある程度合否に関わる点数になっているので、効率的にちゃんと勉強しておくべき」と強調した。

2025年度からの新科目「情報I」の各大学の取り扱い(提供:駿台予備学校)

 次に、駿台全国模試における偏差値によるA判定ラインとあわせて、国公立大医学部医学科のラインアップを示した。細谷氏は「偏差値が高い大学は低い大学より難しいと判断されやすいが、一概に偏差値だけで判断できず、大学によって入学定員など複合的な要素から難易度を見極める必要がある。偏差値はあくまで1つの目安と受け止めてほしい」と添えた。私立大のA判定ラインについても同様に1つの目安としつつ、偏差値上下端の慶應義塾大学と川崎医科大を除いて考えると、中間層の大学は偏差値10前後でまとまっていると指摘。「偏差値10の差は数学の大問1問程度で埋めることができるので、簡単に合否がくつがえる」と述べ、「過去問対策は必須だが、私立大の場合、出題傾向が変わることもままあるため、過去問をこなすだけでは厳しい」と説明。

2023年度第1回駿台全国模試における私立大学医学部医学科のA判定ライン(提供:駿台予備学校)

 そのうえで、私立大学医学部入試で合格を手にするためのコツとして、(1)スピード勝負、(2)過去問での対策は必要不可欠、(3)共通テスト直後からの私立大入試に耐えうる計画の3点をあげ、それぞれの対策を次のように語った。

 解答のスピードについては、「非常に気を付けて取り組むべき」と強調。医学部受験では全般的にスピードが重要になっており、1問90秒で解かなければならない問題もまま出題されるという。「『10分かけて解けた』『一生懸命頑張って途中まで解いた』というのは自己満足にしかならない。正答を導けなければ『解けた』には値しない。短い時間で解く問題を大学が用意しているなら、それに受験生自らが合わせなければならない。塾や学校の授業は生徒に合わせてくれるが、大学入試本番は合わせてくれない」と警告した。

 各大学の出題に合わせるために、過去問対策が不可欠だと述べた。過去問からは個々の問題だけでなく、その大学のアドミッションポリシーも窺い知ることができる。それに加え、受験勉強ないし試験期間の受験スケジュールを含む計画の重要性を提示。2月中旬から試験が始まる他学部志望の友達と「一緒に頑張ろう」と同じペースで悠長に勉強していては間に合わない。医学部は共通テスト直後から入試が始まるため、医学部受験生が入試を引っ張っていく存在になるべきだと語った。

面接試験ではオンリーワンの答えを

 細谷氏は「2025年度の医学部入試変更点はあまり大きなものはない」としたうえで、面接試験のポイントを解説した。医学部入試における面接試験は、かつて主流であった個人面接に加えて、今は集団面接、討論面接、MMIなどと幅広い形式がある。「特に上位の大学ほど特色のある形式で面接を行っている」と話し、「面接にも必ず早めの対策・準備が必要」と断言した。そして、ワンポイントアドバイスとして、(1)志望大学のアドミッションポリシーを確認する、(2)同ポリシーに当てはまる人物である過去のエピソードを考える、(3)大学卒業後、何をしたいのかを考えるの3点を示した。

 まず第一に必要なのが、大学のアドミッションポリシーを確認し、大学が求める学生像や校風を理解しておくこと。これを土台にして、志望理由=この大学を志望する所以を深め、自らが経験したエピソードを盛り込んでいく。さらに、将来を見通して語れるようにすることで、自らの価値を伝えることができるとした。細谷氏は「面接応答マニュアルに沿った受け答えには、どの大学の面接官もうんざりしている。一方で、『ありのままを見せる』のではだめ。面接は『口頭試問』であり、決まった正解ではなく、質問に沿った自分なりの正解を組み立てて答えることが求められる」と解説した。

熱心にメモをとるセミナー参加者たち

 とりわけ受験生が悩む志望理由については、「子供のころ病気になり、お世話になった医師が優しかった、親が医師だから、この大学にはこのカリキュラムと設備があるからといった理由は非常に多く聞かれる。きっかけはそうかもしれないが、『この大学を経て、医師になろう』と考えたのはなぜなのか・いつなのかを、医師になって社会貢献する未来像を描きながら突っ込んで考えることが必要」と語った。面接準備については「医学部を志望するなら、早期からアドミッションポリシーをよく読み、オンリーワンの答えを考えること」を勧めた。

受験も国家試験も、諦めない心で

 最後に、駿台が実施する各種模試の強みとして、「『駿台模試は難しい』と敬遠されることもあるが、難度が高く質の高い模試だからこそ難関大志望者の受験者が集まる。同じ大学を目指す受験者層の中で、自分がどの位置にいるのか、また自分がわかっていなかった問題を正しく把握することができる。これが非常に重要で、この差を効率よく勉強して埋めることが成績アップにつながる」と説明した。現役生と高卒生には1年以上の学習時間の差があり、高3になりたての段階では偏差値20ほど開いていることもある。しかし、模試を通して、自分の苦手分野・単元を明確に把握し、穴を埋めることによりその差が縮まっていき、入試本番では追いつき、並ぶことができる。「医学部受験は高卒生の合格率が高く、その差が埋められずに間に合わない現役生が多い。高3の4~5月で、高卒生との差をいかに埋めるかがポイント」とした。

 そして、途中から成績が伸びず、「もう無理」と勝手に諦めてしまう一定数の受験生たちを“諦めゾーン”と称し、「そのように安易に諦めてしまう人が医師になって良いわけがない」と叱咤。「医師は患者に『安心して任せてください』『諦めちゃだめですよ』と言う立場。受験勉強においても、決して諦めない強い意志のある人を駿台としても応援したいし、医師になってほしい。“諦めない人”を支えていくのが駿台の社会的使命だと思う」と述べた。

駿台予備学校による講演セミナー「最新!医学部入試情報」は立ち見が出るほどの盛況ぶり

ハードな医学部入試を支えるサポートを有効活用

 開場30分以上前から会場である東京国際フォーラムには参加者が集まり、あらためて医学部受験の人気と熱気を感じた取材だった。細谷氏の講演の通り、医学部受験は他学部と比較してやるべきことが非常に多い。試験期間が長丁場となるだけでなく、学科試験も面接対策も一筋縄ではいかず、受験生にとっても家族にとってもタフさが試される受験だ。そうした医学部受験を支えるためのサポートやサービスを展開する駿台グループ。経験豊富な講師による授業や相談窓口、効率的に勉強できるICT教材、自分の実力を都度測ることができる模試など、駿台の知見を大いに活用して、ハードな医学部受験を乗り越え、未来を勝ち取ってほしい。

駿台の医学部情報ポータルはこちら
本記事掲載のシンポジウム詳細についても掲載中

駿台式医学部合格までのロードマップ
-駿台の医学部イベントまとめ-

《羽田美里》

羽田美里

執筆歴約20年。様々な媒体で旅行や住宅、金融など幅広く執筆してきましたが、現在は農業をメインに、時々教育について書いています。農も教育も国の基であり、携わる人々に心からの敬意と感謝を抱きつつ、人々の思いが伝わる記事を届けたいと思っています。趣味は保・小・中・高と15年目のPTAと、哲学対話。

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