【プログラミング教育5】2016年はプログラミング教育元年…Life is Tech! 水野雄介氏

 中学生・高校生のための本格的なプログラミングスクールを全国で開校している「Life is Tech!(ライフイズテック)」の代表水野雄介氏のインタビューをお届けする。

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水野雄介氏
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 国内外を問わず、子どものプログラミング教育が盛んに行われている。「プログラミング教育=将来はプログラマー」ということではなく、文章の読み書きや計算といった、子どものうちに身に付けるべき基礎的な能力・学力という位置付けで捉えられているのだ。

 「子どもがプログラミングを学ぶメリットは何なのか」「子どもに学ばせるとしたらどういったことから始めればいいのか」…学校および民間の取組み、有識者インタビュー、子どもに人気のプログラミングツールやサービスなど、全7回の連載で子どものプログラミング教育事情をお届けする。

 第5回の本記事では、中学生・高校生のための本格的なプログラミングスクールを全国で開校している「Life is Tech!(ライフイズテック)」の代表水野雄介氏のインタビューをお届けする。

◆2016年はプログラミング教育元年

--2010年にライフイズテックを立ち上げた頃と比べて、子どものプログラミング教育をとりまく環境にどのような変化を感じますか。

 以前は子どもが「プログラミングをやりたい」と言っても、親御さんが「パソコンばっかりやって」と言ったり「パソコンはオタクのやること」という見方がありました。しかし、おそらくIT業界に勤めている親御さんも多いと思いますが、必要性を感じてプログラミング教育にお金をかけるようになっています。

 僕は、2016年が「プログラミング教育元年」になると思っているんですよ。スマートフォンの普及も含めて、一般の消費者がITに触れる機会が増えましたし、たとえばPerfumeの演出を手がける真鍋大度さんのプロジェクションマッピング(建物や物体、空間にコンピュータグラフィックスなどを投影する技法)がカンヌで賞をとり、それを見た子ども達が「文化祭でプロジェクションマッピングをやってみたい」と思うようになったり。ITとの社会的な近さが変わってきています。

--やはりプログラミング教育は必要と考えていますか。

 英語と同じで、プログラミングができたほうが仕事の幅が広がりますし、最低限必要なツールには間違いなくなってくると思います。10年というスパンで見れば、英語は翻訳ツールで解決され、むしろプログラミングのほうが大事。プログラミングは「新しいものづくりのかたち」です。日本には「人」というリソースしかなくて、人の「知恵」でずっとものづくりをやってきました。僕はみんなにプログラマーになって欲しいとは思いませんが、知っているかどうかで子ども達の可能性が大きく変わるので、最低限のものとしてはみんな知っておいたほうがいい。そしてより深く学びたいと思っている子ども達の能力を伸ばせられれば、その子にとっても、日本にとっても幸せなことだと思います。

 プログラミングで、自分の好きなことをかたちにできます。たとえばファッションが好きなら、自分の好きなブランドのホームページを作って販売するといったことができる。自分が好きなことを仕事にするために、ITというツールを知っておけばそれが自分の武器になります。

 ITで解決できることは世の中にたくさんあります。たとえば貧困の問題に興味を持ち、ドローンを使って農薬を散布したら低コストでできるんじゃないかと考える。問題の解決策としてITを生かすことは、今後ますます有効になってきます。ライフイズテックでは世の中の出来事に問題意識をもつようなカリキュラムづくりに力を入れていることもありますが、子ども達が身近な人が困っていることや社会の問題について考え、それを解決しようとすることが自然と身に付いていて、それぞれの成長を日々感じています。
《柏木由美子》

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