大学生のバイト収入増、暮らし向き楽観視…第53回学生生活実態調査

 アルバイト収入が増加傾向にあり、暮らし向きを楽観視する大学生が増えていることが2018年2月26日、全国大学生活協同組合連合会の「第53回学生生活実態調査」概要報告から明らかになった。学生のアルバイト収入は、下宿生が過去最高額を更新、自宅生も6年連続で増加した。

生活・健康 大学生
1か月の生活費(自宅生)
  • 1か月の生活費(自宅生)
  • 1か月の生活費(下宿生)
  • 下宿生の仕送り金額分布
  • 奨学金受給率と受給平均額
 アルバイト収入が増加傾向にあり、暮らし向きを楽観視する大学生が増えていることが2018年2月26日、全国大学生活協同組合連合会の「第53回学生生活実態調査」概要報告から明らかになった。学生のアルバイト収入は、下宿生が過去最高額を更新、自宅生も6年連続で増加した。

 「第53回学生生活実態調査」は2017年10~11月、全国の国公私立大学の学部学生を対象に実施し、75大学生協18,999名から協力を得た。概要報告では、経年変化を正確に見るため、毎年指定する30大学生協で回収した10,021名の平均値を紹介している。

 大学生のうち、自宅生の収入合計は6万4,070円。前年から1,760円増え、5年連続の増加となった。費目別では、「アルバイト」が前年比2,150円増の3万7,920円と、6年連続で増加し、2001年以降でもっとも高い金額になった。「小遣い」は前年比720円減の1万3,550円。「奨学金」は前年比270円増の1万1,040円と、4年ぶりに増加した。

 自宅生の支出合計は、前年比1,900円増の6万2,590円。費目別では、「食費」が前年と同額の1万2,580円、「教養娯楽費」が前年比1,230円増の9,470円など。「貯金・繰越」は前年比790円増の1万8,880円と、費目として調査を始めた1980年からの最高額を前年に続き更新した。一方、「書籍費」は前年比110円減の1,340円と、2年連続で減少し、金額、支出に占める構成比ともに1970年以降で最低額を記録した。

 下宿生の収入合計は、前年比3,070円増の12万3,890円。費目別では、「仕送り」が前年比2,370円増の7万2,980円。「仕送り」が0円の下宿生は7.1%、10万円以上は3割前後であった。「アルバイト」は前年比1,650円増の2万8,770円で、2年連続で増加。金額、収入に占める構成比ともに前年に続き、過去最高を更新した。「奨学金」は前年比1,070円減の2万190円で、3年連続で減少した。

 下宿生の支出合計は、前年比3,140円増の12万750円。費目別では、「住居費」が前年比830円増の5万2,820円、「食費」が前年比420円増の2万5,190円、「教養娯楽費」が前年比1,030円増の9,830円など。「貯金・繰越」は前年比550円増の1万3,820円で、6年連続の増加。「書籍費」は前年比80円減の1,510円で、自宅生と同様に金額、支出に占める構成比ともに1970年以降で最低額を記録した。

 奨学金を受給している割合は32.0%(自宅生26.8%、下宿生35.7%)。下宿生の受給率は穏やかに下降傾向が続いており、データがある2005年以降でもっとも低かった。アルバイトの就労率は71.7%(自宅生78.2%、下宿生66.1%)。この半年間のアルバイトの就労率は、前年比3.6ポイント増の81.1%(自宅生85.7%、下宿生77.3%)で、1年生や理系など就労率が低い層で増加した。

 現在の暮らしを「楽」と感じる学生は55.6%(自宅生58.2%、下宿生54.0%、寮生42.8%)と、前年から3.4ポイント増えた。「普通」は35.1%(自宅生32.2%、下宿生37.5%、寮生40.4%)、「苦しい」は9.0%(自宅生9.3%、下宿生8.3%、寮生16.1%)だった。

 今後の見通しを「よくなる」とした学生は18.6%(自宅生16.2%、下宿生20.8%)と、前年より0.5ポイント増加現在の暮らし、今後の見通しとも、経年で比較できる1980年以降もっとも楽観的な数値となった。また、収入面の対策は「バイトの収入増加」が53.5%(自宅生56.7%、下宿生50.8%)でもっとも高く、前年から2.8ポイント、この3年間で8.5ポイントの増加となった。
《奥山直美》

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