全固体電池開発、23社と15大学・研究機関が参画「海外勢に負けられない」

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月15日、電気自動車(EV)向けの次世代蓄電池として注目される全固体リチウムイオン電池の開発を産学連携で始めると発表した。

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NEDOの「全固体電池」プロジェクトに参画するメンバー
  • NEDOの「全固体電池」プロジェクトに参画するメンバー
  • NEDOの細井敬プロジェクトマネージャー
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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は6月15日、電気自動車(EV)向けの次世代蓄電池として注目される全固体リチウムイオン電池の開発を産学連携で始めると発表した。

「今回のプロジェクトでは産学の英知を結集して、日本が世界に先駆けて全固体電池の実用化・量産化する共通のアーキテクチャーを構築していく」とNEDOの細井敬プロジェクトマネージャー。

参画企業は自動車メーカー4社、電池メーカー5社、材料メーカー14社の計23社。自動車メーカーからはトヨタ自動車、日産自動車、本田技術研究所(本田技研工業の研究開発部門子会社)、ヤマハ発動機が参画し、パナソニック、東レ、旭化成、三菱ケミカルなどの主要メーカーや15の大学・研究機関も参画してオールジャパンで全固体電池の実用化と量産化を目指し、世界市場で主導権獲得を狙う。

具体的には各企業の技術者40人が技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)に出向し、LIBTECのプロパーエンジニア20人と共同で開発を進め、大学・研究機関の研究者約100人がLIBTECと連携する。

プロジェクトは材料開発、電池製造プロセス、電池設計、電池試作評価・分析の4つのチームに分かれ、材料はトヨタ、プロセスはパナソニック、設計は日産、評価・分析はホンダがリーダーとなって開発を推進していく。

「全固体電池のボトルネック課題がいろいろあるので、これを一丸となって解決し、日本が得意である擦り合わせ力とアカデミアのサイエンスを融合させて、容易の模倣されない、容易にキャッチアップされない製品アーキテクチャーをつくっていく」と細井氏と話し、売れて勝てる目標を掲げる。

2022年度までに全固体電池の基盤技術を確立し、30年ごろには電池パックの体積エネルー密度が現在の3倍の600Wh/L、コストが3分の1の1万円/kWh、そしてEVの急速充電時間が3分の1の10分を目指す。同時に充電インフラや資源リサイクルなども考慮した低炭素化社会の絵姿も描いていく。

全固体電池については、日本が特許の半数を出願するなど世界をリードしているものの、中国勢が政府の後押しをテコに急速に追い上げている。「電池メーカーとして全固体電池で海外勢に絶対に負けられない」とパナソニック資源・エネルギー研究所の藤井映志所長と強調し、液晶パネルと同じ轍を踏みたくない思いが強い。

日本勢が全固体電池で引き続きリードを保って行くには、言うまでもなく開発スピードが重要で、今回のプロジェクトでいかに早くキャッチアップできない全固体電池を開発していくかがカギを握りそうだ。

NEDO、オールジャパンでEV用の全固体電池開発へ…23社、15大学・研究機関が参画

《山田清志@レスポンス》

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