プログラミング「地域格差」顕著に…小学校の取組状況

 文部科学省は平成30年6月22日、教育委員会等における小学校プログラミング教育に関する取組状況を発表した。「特に取組みをしていない」割合は、北海道が82%ともっとも多く、地域による格差がみられた。

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プログラミング教育の取組状況(地域別ステージ分類)
  • プログラミング教育の取組状況(地域別ステージ分類)
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  • プログラミング教育の実施に向けた取組をしていない理由
  • プログラミング教育の実施に向けた取組をしていない理由(地域別)
  • プログラミング教育に対する支援
  • プログラミング教育に対する支援(地域別)
 文部科学省は平成30年6月22日、教育委員会等における小学校プログラミング教育に関する取組状況を発表した。「特に取組みをしていない」割合は、北海道が82%ともっとも多く、地域による格差がみられた。

 教育委員会へのアンケート調査は、全国の都道府県および市区町村の教育委員会(1,780団体)を対象に小学校プログラミング教育への取組状況を調査し、市区町村教育委員会722団体の回答をもとに集計した。調査期間は平成30年2月~3月。回答時点は平成30年2月1日現在。取組状況は、特に取組をしていない(ステージ0)、担当を決めて検討中(ステージ1)、研究会や研修を行っている(ステージ2)、授業を実施している(ステージ3)の4つに分類した。

取組状況のステージ分類
画像:取組状況のステージ分類

 2020年度の小学校プログラミング教育の全面実施に向けた取組み状況は、「プログラミング教育の情報を収集している。もしくは特に取組はしていない」が69%ともっとも多く、「教育委員会内で、プログラミング教育の担当を決めて今後の取組を検討しているが、実施はしていない」20%、「所管する小学校教員に対して、プログラミング教育の研修を行っている」15%、「教育委員会主導もしくは学校主導で、一部の小学校でプログラミング教育の授業を実践している」14%などが続いた。「小学校全校でプログラミング教育の授業を実践している」は2%だった。

 全国を8ブロックに分けて小学校プログラミング教育への取組状況(4分類)を集計したところ、「特に取組みをしていない(ステージ0)」の割合は、「北海道」が82%ともっとも多く、「東北」73%、「九州沖縄」64%、「中部」59%、「四国」56%、「近畿」48%、「中国」40%、「関東」34%の順に多かった。一方、「授業を実施している(ステージ3)」は、「関東」が26%ともっとも多く、「近畿」23%、「中国」18%などが続いた。

プログラミング教育の取組状況(地域別ステージ分類)
画像:プログラミング教育の取組状況(地域別ステージ分類)

 プログラミング教育の実施に向けた取組をしていない理由は、「プログラミング教育の趣旨、目的、基本的な考え方などの情報が不足している」が60%ともっとも多く、「教育委員会内部で、プログラミング教育を担当できる人材が不足している」53%、「プログラミング教育を推進するための予算(ICT機器等の整備等)が不足している」45%、「プログラミング教育を推進するための予算(教材費等)が不足している」38%などが続いた。

 プログラミング教育の実施に向けた取組をしていない理由を地域別にみると、いずれの地域も「プログラミング教育の趣旨、目的、基本的な考え方などの情報が不足している」が過半数を占めた。特に、北海道(76%)や中国(77%)で7割を超えた。関東や四国では「教育委員会内部で、プログラミング教育を担当できる人材が不足している」がもっとも多い理由だった。

 小学校のプログラミング教育を進めるにあたり、企業、団体、大学・高専などから受けている支援は、「教員の研修に関して、研修講師を受け入れている」が10%ともっとも多く、「授業においてプログラミング教育を指導する外部講師を受け入れている」7%、「プログラミング教育の教材の提供を受けている」6%、「教員がプログラミング教育の授業を行っている時に、授業支援を行う人材を受け入れている」4%などが続いた。

 また、支援状況を地域別にみると、関東、近畿、中国ブロックでは「教員の研修に関して、研修講師を受け入れている」の割合が他地域より高い。北海道、東北ブロックではいずれの項目についても5%以下と低い割合だった。
《工藤めぐみ》

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