教育格差、日本は38か国中8番目に小さい…ユニセフ調査

 中学生の読解力テストにおける格差について、日本は38か国中8番目に格差が小さいことが、ユニセフ・イノチェンティ研究所が2018年10月30日に発表した報告書より明らかになった。

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レポートカード15 不公平なスタート:先進国における子どもたちの教育格差(原題:An Unfair Start:Inequality in Children’s Education in Rich Countries)
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 中学生の読解力テストにおける格差について、日本は38か国中8番目に格差が小さいことが、ユニセフ・イノチェンティ研究所が2018年10月30日に発表した報告書より明らかになった。

 ユニセフ・イノチェンティ研究所による報告書「レポートカード15 不公平なスタート:先進国における子どもたちの教育格差(原題:An Unfair Start:Inequality in Children’s Education in Rich Countries)」では、欧州連合(EU)または経済協力開発機構(OECD)に加盟する41か国を対象に、就学前(小学校入学1年前)・小学校(10歳前後)・中学校(15歳)の3つの時点における教育の格差の程度をもとに順位付けした。なお、日本は国際テストPIRLSに参加していないため、小学校段階の順位はない。

 読解力テストの点数がもっとも低い生徒ともっとも高い生徒の差を指標とした「教育の格差」について、中学生では1位「ラトビア」、2位「アイルランド」、3位「スペイン」、4位「デンマーク」、5位「エストニア」の順に格差が小さかった。日本は38か国中8位だった。

 一方、もっとも格差が大きいのは「マルタ」、ついで「ブルガリア」「イスラエル」「フランス」「ルクセンブルク」が続いた。

 すべての国で、女子は男子を読解力の点数で上回った。この点数の差は子どもの年齢が高くなるにつれ拡大する傾向がある。しかし、国によってその差には大きな開きがあり、アイルランドの15歳の女子の読解力テストの点数は男子より2%高く、ブルガリアの女子は男子より11%高かった。

 報告書では、子どもの教育の格差を削減するために「すべての子どもたちに質の高い、就学前教育とケアを保証すること」「すべての子どもたちが最低限の確かな基礎的能力を習得できるようになることを保証すること」「平均のみではなく、平等にも重きを置くこと」などを提言している。
《工藤めぐみ》

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