2019年を振り返る 教育ICT・プログラミング 重大ニュース
「GIGAスクール構想の実現」に2,318億円を計上
日本国内の学校ICT環境の整備は遅れており、自治体間の格差も大きく、全国一律のICT環境整備が急務となっている。この課題に対して、2023年度までに義務教育段階にある生徒児童1人1台の情報端末、および高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備。さらに、クラウド活用推進、ICT機器の整備調達体制の構築、利活用優良事例の普及、利活用のPDCAサイクル徹底等を進めることで、多様な子どもたちを誰ひとり取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させようというのが「GIGAスクール構想」だ。
文部科学省は2019年12月19日、文部科学大臣を本部長とする「GIGAスクール実現推進本部」を設置。2020年に本格スタートする教育改革までに間に合わなかった、と言わざるを得ない小中学校でのICT環境の整備に取り組む。2019年12月発表のPISA2018調査結果でも、日本の15歳(高校1年生)の学習におけるデジタル機器利用状況は、OECD平均を大幅に下回っているという危機的状況だ。子どもたちが鉛筆とノートを使うように、デジタル機器を当たり前のツールとして使える世界基準の学習環境づくりが急務であることは間違いない。
2019年8月30日
学校のICT環境、都道府県・市町村ごとの整備状況
2019年8月30日
文科省概算要求、学校の通信ネットワーク構想に375億円
2019年12月16日
GIGAスクール構想の実現に2,318億円…2019年度補正予算
2019年12月20日
GIGAスクール構想とは【ひとことで言うと?教育ICT用語】
2019年12月23日
文科省「教育の情報化」手引、GIGAスクール構想受け追補版も
ICT環境、プログラミング教育…教育改革に向けた現場の準備状況は?
2020年度から始まるプログラミング教育の必修化。小学生がプログラミング教育で学びたいことは、男子はロボットやゲーム、女子は絵や音楽が人気と、男女で傾向がわかれるという調査結果もあった。デジタルネイティブ世代の子どもたちはすでに生まれたときから何らかのデジタル機器に触れていることから、ツールとしてデジタル機器を使いこなすのも容易だろう。
子どもたちよりも、教育現場や保護者にはまだプログラミング教育の目的がぼんやりとしている人も多いようだ。子どもとその保護者、そして教育現場の先生が実体験によってSTEAM教育(※)の大切さを理解し、「プログラミング」という教科ができるのではなく、既存の教科の中で「プログラミング的思考」を取り入れた「思考力」を育む教育や、STEAM教育を取り入れた授業が行われていく、という本来の目的の認知も必要なようだ。
※STEM/STEAMとは【ひとことで言うと?教育ICT用語】
2019年2月21日
プログラミング教育で学びたいこと、男女に違い…小学生白書
2019年8月6日
教育改革への対策、保護者の意向と行動に大きなギャップ
2019年9月10日
プログラミング教育の実施、予算・IT環境・時間が不足
2019年10月4日
小学校プログラミング教育の指導案集、文科省が公開
2019年10月11日
9割が小学校の教育改革に不安…イー・ラーニング研究所
2019年11月27日
文科省に聞く「小学生の学びはどう変わる?」保護者の疑問解決
2020年度いよいよ教育改革が本格スタート。GIGAスクール構想を見据え、引き続き拡大していくと予想されるICT教育、プログラミング教育、EdTech市場だが、日本の少子化は加速しているのが現状だ。子どもたちはより良い教育を受けられ、保護者は安心して安全に子育てができる社会を目指し、実施されるさまざまな対策に注目していきたい。
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