大学生協が緊急アンケート…学生6割以上が経済的に不安

 全国大学生活協同組合連合会(大学生協)は2020年5月1日、「緊急!大学生・院生向けアンケート」の速報結果を公表した。学生の6割以上が経済的不安を抱え、Web授業では「目が疲れる」など困ったことも生じていることがわかった。

教育・受験 大学生
全国大学生活協同組合連合会
  • 全国大学生活協同組合連合会
  • 緊急!大学生・院生向けアンケート(一部)
  • 緊急!大学生・院生向けアンケート(一部)
  • 緊急!大学生・院生向けアンケート(一部)
 全国大学生活協同組合連合会(大学生協)は2020年5月1日、「緊急!大学生・院生向けアンケート」の速報結果を公表した。学生の6割以上が経済的不安を抱え、Web授業では「目が疲れる」など困ったことも生じていることがわかった。

 アンケートは、新型コロナウイルスへの対応で日本中が混乱する中、大学生の生活も大きく変容していることから、大学生協として取り組むべきテーマを具体化するために実施。全国大学生協連、2つの大学生協事業連合、各大学生協のWebサイト、生協利用者に呼びかけて行われた。対象は全国の大学生、大学院生。4月20日~4月30日に、インターネットを利用し、回収数は3万5,542。

 4月以降、「家族収入」は、感染症拡大によってどの程度影響を受ける可能性があると思うかの質問には、もっとも多かったのは「どちらともいえない」38%、ついで「減少する」「わからない」と続いた。

 「アルバイト」をしているかの質問には、「していない」が38%ともっとも多く、ついで「しているがあまりシフトに入れていない」は35%、ついで「しており、シフトもしっかり入っている」と続いた。アルバイト収入の見通しでは、「大きく減少する」「減少する」と約4割の学生が回答。この先の経済的な不安も「非常に不安である」「不安である」で全体の6割以上を占めた。

 現在の大学の授業については、半数以上が大学に出校せずWebで授業を受けている。通信環境は、自宅(下宿)等のプロバイダー契約のWi-Fiがもっとも多かった。Web授業の「通信状態」は約半数が「ストレスなく受信できている」と回答し、3割近くが「時々切れることがある」と回答している。

 Web授業で困っていることでは、「目が疲れる」がもっとも多く、「集中力が続かない」「独りぼっち、友達がいない、孤独を感じる」「先生との対話・質問がしにくい」と続いた。

 友達ができない、サークル活動ができないなど、リアルなつながりがない中での不安、不満も多くみられた。大学で新しい友達は何人ぐらいできたかの質問では、「0人」と 7,669 人が回答、「5人未満」は 6,990 人が回答。 部活・サークルなどで新入部員の獲得について、「まったく入っていない」「苦労している」と約6割が回答している。

 将来や進路に対して、「不安であったが、さらに不安を感じるようになった」と約40%の学生が回答。「不安を感じるようになった」は約25%だった。自由回答では、「講義が受けられず、後期に予定している実習が伸びて来年の夏以降まで続き、国家試験の勉強に取り掛かる時間が少なくなることに不安を感じる」のほか、「就活が不安すぎる。企業から言われれば会社まで行かないといけないし、採用枠が少なくなっていると聞き、無事に就職できるのか本当に不安」といった切実な声があがっている。
《田中志実》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top