花粉飛散傾向、北日本や北陸で多い予想

 ウェザーニューズは2022年の「第二回花粉飛散傾向」(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表した。スギ花粉は2月上旬に飛散開始し、2月下旬から3月中旬にピーク、ヒノキ花粉は3月下旬から4月中旬にピークを迎える。

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2022年「第二回花粉飛散傾向」
  • 2022年「第二回花粉飛散傾向」
  • 飛散ピーク予想
  • 2022年花粉飛散傾向2021年比
  • 2022年花粉飛散傾向平年比(平年=2021-21年)
  • 花粉の飛散ピーク予想:北海道
  • 花粉の飛散ピーク予想:東北北部
  • 花粉の飛散ピーク予想:東北南部
  • 花粉の飛散ピーク予想:関東・山梨
 ウェザーニューズは2022年の「第二回花粉飛散傾向」(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表した。スギ花粉は2月上旬に飛散開始し、2月下旬から3月中旬にピーク、ヒノキ花粉は3月下旬から4月中旬にピークを迎える。飛散量は広範囲で平年並、北日本や北陸は2021年より多い予想。

 スギの雄花は冬の寒さを経験することで休眠から目覚め(休眠打破)、寒さがピークを過ぎて暖かくなると花粉を飛ばし始める。冬の適度な寒さと春の気温の上昇が飛散開始のタイミングを左右する。

 スギ花粉の飛散ピークは、九州は2月中旬から3月中旬、中国・四国から関東は2月下旬から3月下旬、北陸・長野や東北南部は3月上旬から4月上旬、東北北部では3月中旬から4月中旬になるとみている。3月後半に入るとスギ花粉の飛散は徐々に収まり、代わって西日本からヒノキ花粉の飛散が増えていく。

 ヒノキ花粉の飛散ピークは西日本・東日本の広範囲で3月下旬から4月中旬、北陸・長野は4月上旬から下旬、東北南部は4月中旬から下旬とみている。北陸や東北南部はヒノキの樹木が少ないため、スギ花粉に比べると飛散量が少ない見込み。

 2022年の花粉飛散量予想は2021年と比べると、北日本や北陸で多く関東や東海は同程度、西日本は少ないエリアが多い。北海道は2021年比で約180%、東北北部や北陸では2021年比で約130%になる。2021年に飛散量が多かった西日本は2021年比で約75%になる見込み。平年(2012年~2021年の平均)との比較予想は平年並となるエリアが多く、全国平均は平年の98%程度になるとみているが、北海道は平年比140%と多くなる。

 ウェザーニューズは2021年の夏の天候や年ごとの飛散量傾向、雄花調査の結果等を総合的に考慮して2022年の花粉飛散量を予想している。2021年10月5日から12日にウェザーニュースアプリのユーザーから寄せられたスギの「雄花リポート」を活用。雄花リポートを集計した結果、雄花の数が「昨年より多い」や「昨年と同程度」という回答がより多く寄せられ、「昨年より少ない」という回答は比較的少なくなった。これらの雄花調査の回答を考慮し2022年の予想飛散量を前回発表から更新している。

 2022年エリア別の花粉飛散予想傾向について、北海道はシラカバ花粉の飛散開始時期は4月下旬に道南や道央等、4月下旬から5月にかけては、その他のエリア。飛散ピークはゴールデンウィーク前後の道南や道央エリア、5月中旬には、道北や道東。6月に入ると段々と飛散量は少なくなる見込み。シラカバ花粉の飛散量は平年の140%、2021年シーズンの178%となる予想。

 東北北部は、3月上旬にスギ花粉シーズンに入る。飛散ピークは3月中旬から4月中旬で、その後飛散量が段々と少なくなる見込み。飛散量は平年の100%~110%、2021年シーズンの115%~138%になる。一時的・局地的に大量の花粉が飛散することもある。東北北部の春は、スギ花粉が多く飛散、ヒノキ花粉はほとんど飛散しない。

 東北南部は、早ければ2月中旬に太平洋側から花粉シーズンに入る。飛散ピークは、3月上旬から4月上旬にスギ花粉、4月中旬から4月下旬にヒノキ花粉。花粉飛散量は平年の116%~134%、2021年シーズンの105%~114%になる。前回発表よりも予想飛散量が多くなっているエリアがあるが、雄花調査で雄花の数が2021年シーズンに比べて同程度か多いと判断できたため。一時的・局地的に大量の花粉が飛散することがある。東北南部は、春に飛散する花粉はスギがメインで、ヒノキ花粉は少ない傾向にある。

 関東・山梨は、花粉の飛散開始時期は2月上旬。飛散ピークは、2月下旬から3月下旬にスギ花粉、3月下旬から4月中旬にヒノキ花粉。花粉飛散量は平年の84%~112%、2021年シーズンの95%~123%になる。前回発表よりも予想飛散量が多くなっているが、雄花調査で雄花の数が2021年シーズンに比べて関東は同程度だが、風向きにより花粉の飛散元となり得る関東近隣県で多くなっていると判断できたため。一時的・局地的に大量の花粉が飛散することがある。

 北陸・長野は、花粉の飛散開始時期は2月下旬と予想。飛散ピークは、3月上旬から4月上旬にスギ花粉、4月上旬から4月下旬にヒノキ花粉。花粉飛散量は平年の72%~88%、2021年シーズンの119%~149%になる。前回発表よりも予想飛散量が多くなっているエリアがあるが、雄花調査で雄花の数が2021年シーズンに比べて同程度か多いと判断できたため。北陸で春に飛散する花粉はスギがメインで、ヒノキ花粉は少ない傾向にある。

 東海は、花粉の飛散開始時期は静岡県等早いエリアは2月上旬、愛知県等は2月中旬。飛散ピークは、2月下旬から3月下旬にスギ花粉、3月下旬から4月下旬にヒノキ花粉。花粉飛散量は平年の91%~108%、2021年シーズンの87%~118%になる。前回発表よりも予想飛散量が多くなっているエリアがあるが、雄花調査で雄花の数が2021年シーズンに比べて同程度か、多いと判断できたため。一時的・局地的に大量の花粉が飛散することもある。

 近畿は、花粉の飛散開始時期は、和歌山県南部等早いエリアは2月上旬、大阪等多くのエリアは2月中旬。飛散ピークは、2月下旬から3月下旬にスギ花粉、3月下旬から4月中旬にヒノキ花粉。花粉飛散量は平年の73%~91%、2021年シーズンの66%~78%になる。前回発表よりも予想飛散量が多くなっているエリアがあるが、雄花調査で雄花の数が2021年シーズンに比べて同程度から多いと判断できたため。2021年より飛散量がやや減る予想だが、一時的・局地的に大量の花粉が飛散することがある。

 中国・四国は、花粉の飛散開始時期は、高知県や愛媛県、山口県は2月上旬、広島等その他のエリアは2月中旬。飛散ピークは、2月下旬から3月中旬にスギ花粉、3月下旬から4月中旬にヒノキ花粉。花粉飛散量は平年の77%~107%、2021年シーズンの57%~84%になる。前回発表よりも予想飛散量が多くなっているエリアがあるが、雄花調査で雄花の数が2021年シーズンに比べて同程度か、多いと判断できたため。2021年より飛散量が減る予想だが、一時的・局地的に大量の花粉が飛散することがある。

 九州は、花粉の飛散開始時期は、2月上旬。飛散ピークは、2月中旬から3月中旬にスギ花粉、3月中旬から4月中旬にヒノキ花粉。花粉飛散量は平年の82%~108%、2021年シーズンの64%~116%になる。南部は2021年より飛散量が減り、北部は2021年と同程度。北部を中心に前回発表よりも予想飛散量が多くなっているが、雄花調査は雄花の数が2021年シーズンに比べて同程度か、多いと判断できたため。飛散量が減る予想のエリアも一時的・局地的に大量の花粉が飛散することがある。

 2022年の花粉の飛散開始時期予想は、過去10年の平均と比べると東日本は同程度、西日本と北日本は同程度かやや早くなる。詳細な飛散開始時期は1月下旬以降の気温動向に大きく左右されるため、最新の情報を確認してほしい。
《大田芳恵》

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