Z世代の約2人に1人が「家にある自分の持ち物を売ることを想定して買い物」

 Z世代の約2人に1人が、家にある自分の持ち物を売ることを想定して買い物していることが、メルカリ総合研究所が2023年8月7日に発表した「世代別の消費行動と資産認識」に関する調査からわかった。

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「世代別の消費行動と資産認識」に関する調査
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  • 新品購入時に「家にある持ち物の資産価値を裏付けにして買う」消費行動
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 メルカリ総合研究所は2023年8月7日、「世代別の消費行動と資産認識」に関する調査を発表した。Z世代の約2人に1人が、家にある自分の持ち物を売ることを想定して買い物していることがわかった。

 「世代別の消費行動・資産認識」に関する調査は、慶應義塾大学商学部教授山本晶氏の監修のもと、全国の18歳から69歳の1,030名を対象に実施。調査期間は2023年7月11日から2023年7月12日。本調査は、フリマアプリを含むさまざまなインターネットサービスを当たり前に利用する環境に育ったZ世代に焦点を当てている。なお、各世代の年齢構成はZ世代は18~24歳(103名)、ミレニアル世代は28歳~43歳(327名)、バブル世代は54~58歳(97名)。

 「Z・ミレニアル・バブル世代別フリマアプリ利用傾向」の項目では、フリマアプリ利用率は全体の56.6%であることがわかった。世代別にみると、Z世代が64.1%、ミレニアル世代が60.2%、バブル世代が51.6%だった。フリマアプリ利用者の52.4%が「新品購入時にリセールバリューを考える」と回答しており、世代別にみるとZ世代がもっともその割合が高く59.1%。フリマアプリの出品理由は「使わなくなったので、欲しいと思う人に使ってもらいたいから」が最多の64.3%で、世代別にみると、Z世代は「売ったお金で欲しいモノを購入するため」が最多で62.9%にのぼった。

 「世代別にみる、所有意識や消費行動の違い」の項目では、バブル世代(18.6%)の約2.8倍となる51.5%のZ世代が「自らの持ち物は現金化しやすい」と回答。全体の38.8%が「持ち物を売ってから、欲しいモノを買う経験がある」と回答しており、うちその割合がもっとも高かったのはミレニアル世代で48.1%となった。また、「持ち物を売れば買えるという想定で、売る前に欲しいモノを買う経験がある」と回答したのはZ世代がもっとも多く、42.7%に。なお、Z世代が「売ってから買う」または「持ち物を売る想定で、売る前に買う」モノは「アパレル」と「アイドル/アーティスト/キャラクター等の推し活関連商品」が同率で1位だった。

 Z世代の資産認識については、Z世代が“資産”としてみているモノTOP3は、1位「金融商品」2位「ゴールド・宝石」3位「不動産」。また、他の世代と比べてZ世代が“資産”としてみている傾向が強いモノTOP3は、1位「暗号資産」2位「アクセサリー」3位「靴・スニーカー」ということが分かった。

 これらの結果から慶應義塾大学商学部教授の山本晶氏は、「今回の調査結果は、自分の所有しているモノをそれがたとえ消耗品であっても資産としてみる消費者が一部登場しているということを示しています。従来、消費者の購買行動の予算は『現金』が前提でした。消費者の頭のなかの財布には、現金、預貯金などのいわゆる『お金』が入っていたと考えられます。人によっては株や投信も含まれるでしょう。今回の調査の結果は、金融資産だけでなく所有するモノも含めて資産と捉え、予算を決める消費者がまだ少数ながら登場したことを意味しています。これまで所有物が資産として見られていなかったのは、所有物が資産として流動性が低かったためと考えられます。フリマアプリやオンライン買取などの登場と普及は、所有物を売却することを簡便化し、結果として資産としての流動性を高めていると考えられます」とコメントを寄せている。

《鶴田雅美》

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