【高校受験2024】北海道公立高入試<理科>講評…昨年より易化

 2024年3月5日(火)、令和6年度(2024年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「理科」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2024】北海道公立高入試<理科>講評
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 2024年3月5日(火)、令和6年度(2024年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。

 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「理科」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<理科>講評(練成会 提供)

 例年通り大問5題の出題となった。物理・化学・生物・地学の各領域の配点は25点ずつである。大問1で各領域からの小問を出題することで幅広い知識が問われている。

 大問2~5は実験や観察に基づいて必要な情報を整理するとともに、実験結果をもとに科学的思考力や表現力が試された。実験や観察に関わる記述問題が昨年とほぼ同じ9問だが、作図問題は昨年の3問から5問に増えており、記述や作図で表現力を重視する傾向が強まっている。実験や観察に関するデータの整理が複雑な傾向が続いているが各領域の代表的な実験や観察が多く取り上げられているため難度は昨年より下がっている。

 大問1小問集合は昨年と同様合計12問で各領域からまんべんなく出題されており、網羅的な学力が要求される。計算問題は与えられた数値を公式に当てはめる基本的な問題のため確実に得点に結び付けたい。

 大問2は生物領域から生物の成長と細胞について出題された。実験手法や考察に関わる記述問題が多く出題されているが代表的な出題といえるため確実に得点したい。問5では調べ学習をもとに細胞分裂の各過程の細胞数とそれが見られる時間の関係が比例であることを仮定し、実験結果の考察に活かしていくという一歩進んだ出題となった。

 大問3は化学領域から水溶液と溶解度ついて出題された。問2(1)ろ過の細かい手法が問われており日頃の実験の重要性が確認された。問2(2)溶解度のグラフの扱いは実験で用意された水の質量が100gでないことに注意を払う必要がある。問3では水溶液中のイオンが水に溶けきれずもとの化合物に戻った時の様子をモデルで表すという、一般的なモデルの作図の逆を問う出題であった。

 大問4は地学領域の台風の進路ついて出題された。問1(3)台風が発達する条件は教科書では説明されているがこれを記述で答えることは難しく、冬の日本海側で降雪が多いことなども含めて気象の学習にはさまざまな事象の原因となる深い知識が必要となることが示された。問2の台風の進路の作図は観測地点の気圧の変化と風向から台風の中心が最も近づいた時刻とその位置を見つけ出すことで初めて答えを導くことができる難問であった。

 大問5は物理領域からエネルギーと仕事ついて出題された。問1(2)物体の移動距離のグラフの作図は実験結果から得られる表の数値をそのまま使う素直な出題だった。問4仕事率を比較する問題は小球を同じ高さからはなしているため仕事自体は同じであることに気づけるかがポイントとなった。問3小球の速さについて仮説から実験方法を考える、理科実験の本質に沿った出題であった。


 このレポートは2024年3月5日(火)に速報として練成会により作成されたもの。

協力:練成会

《編集部》

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