【高校受験2024】北海道公立高入試<国語>講評…文章表現力を確認する問題が多様化

 2024年3月5日(火)、令和6年度(2024年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「国語」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2024】北海道公立高入試<国語>講評
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 2024年3月5日(火)、令和6年度(2024年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。

 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「国語」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<国語>講評(練成会 提供)

 出題構成は、昨年と同じ大問四題だが、小問数が26問と4問減っている。なお文章読解の出題は昨年の説明的文章から文学的文章に変わっている。説明的文章は、2022年と同様、散文の文章読解としては出題されていない。以下が各大問の出題の特徴。

 大問一の小問集合は、漢字の読み書きや同じ季節を詠んだ俳句を選ぶ問題、表現の工夫である擬態語を答え、擬態語が使われている文を選ぶ問題、「役不足」の意味の捉え方の違いに基づいた会話に関する問題での構成。2022年・2023年の大問一の配点は28点であったが、2024年は25点の配点。漢字の読み書きの問題が各1問少ない。俳句は、平成26年度(2014年)以来の出題。

 大問二の散文の読解での配点は2022年・2023年と同様、40点。今回は文学的文章の読みとりとなり、100点満点の入試となった2022年と同じ文種である小説からの出題。江戸時代を背景とした文章であるが、読みづらさはない。漢字の読み、語句の意味、十二支「午」の時間帯など知識の定着を確認する出題もある。記述問題が4題24点分の配点。二人の話し合いから、本に関して、江戸時代と現代の共通するところと異なるところのそれぞれを身近な例を用いて記述する問題もある。身近な例(経験)も交えて記述する問題は2023年(論説文)に続いての出題。

 大問三は漢文を書き下し文とした文章からの出題。配点が2022年・2023年より、1点多い。登場する二人の人物関係を把握することが得点の前提。この二人の人物関係をもとに、故事成語の由来を解答する記述問題もある。なお知識の確認として「断琴」の熟語の構成と同じ構成のものを選ぶ問題がだされている。

 大問四は学校祭で企画展をおこなうために作成したチラシとその参考としたウェブページに関する出題。この大問は、2022年・2023年より、配点が2点多い。チラシの表現の工夫や企画展の紹介文の並びかえ、条件を踏まえたうえでの作品の紹介、自分が感じたことや考えたことを記述する問題での構成。この記述問題では、自らが着目したところを抜き出し、感じたことや考えたことを記述するため、今までよりも解答の自由度が高い。

 資料を分析する力や自らの考えを文章記述として表現する問題は、次年度以降はさらに強く求められると考えられる。国語においては、文章読解のみを重要視するのではなく、日常生活そのものが学ぶ場であるということを再認識し、分析・判断・理解・定着・表現することを日頃から意識することが大切であるといえる。


 このレポートは2024年3月5日(火)に速報として練成会により作成されたもの。

協力:練成会

《編集部》

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