大学受験対策もスマホで…資格から趣味までNTTLS「マナビノ」

 NTTラーニングシステムズは10月31日、スマートフォンやタブレット端末、パソコンとマルチデバイスに対応する新しい自己学習サービス「Manavino(マナビノ)」の提供を開始したと発表した。

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NTTラーニングシステムズ 代表取締役社長 古賀哲夫氏
  • NTTラーニングシステムズ 代表取締役社長 古賀哲夫氏
  • NTTラーニングシステムズ ネットスクール推進部 部長 原田元晴氏
  • 意欲と行動のギャップを埋めるマナビノ
  • マナビノの特徴
  • ユーザー視点のマナビノの特徴
  • コンテンツホルダー視点のマナビノの特徴
  • 3本柱のサービスイメージ
  • まずは100講座でサービス開始。年度末には300まで目指す
 NTTラーニングシステムズ(NTTLS)は10月31日、スマートフォンやタブレット端末、パソコンとマルチデバイスに対応する新しい自己学習サービス「Manavino(マナビノ)」の提供を開始したと発表した。

 マナビノのローンチに合わせて開催された記者発表会で、同社の代表取締役社長 古賀哲夫氏は、その背景を「このサービスは当社の創業の原点ともいえるものです」と語った。同社は1987年創業で、CAI(Computer Aided Instruction)の研究や開発業務を続けていたが、当時はコンピュータの性能、ネットワークインフラ、機器のポータビリティといった点で、なかなか思うようなCAIシステムの提供ができなかったという。しかし、ここ数年のPCの性能向上、ブロードバンドや3G、LTEといったネットワークインフラの整備、スマートフォンやスレート端末などデバイスの多様化によって、創業時に思い描いていたシステムやサービスが提供できるようになった。これが、「創業の原点」という発言のゆえんだ。

◆学びの意欲と行動のギャップを埋める

 続いて、ネットスクール推進部 部長 原田元晴氏がサービスの概要や今後の計画などを発表した。原田氏によれば、現在すべての年代において「学び」の意欲やニーズが高いが、それが「行動」に結びついていない現状があることを統計データを示しながら説明した。その理由は、時間がない、お金がかかるなどが考えられるが、マナビノは、この意欲と行動のギャップを埋めるためにデザインされたサービスであるとした。

 そのため、マナビノでは、スマートフォンやICTを活用し、場所や時間を選ばないスキマ時間を効果的に活用した学習をワンコイン(ほとんどのコンテンツが月額500円以下)という安価に提供できることを特徴とする。また、ネットワークやクラウドを活用し、幅広いコンテンツ、反復学習、履歴を活用したレコメンド学習、SNS、CGMとの連携効果なども期待できるとした。そして、これらの特徴によるベネフィットをユーザー視点と、教材を提供するコンテンツホルダー視点でそれぞれ解説した。

◆コンテンツホルダーには参入リスク軽減

 ユーザーベネフィットは、場所を選ばない、学習効果が高い、資格試験から趣味、実用まで幅広い分野を選べる、なによりスマートフォンだけでも学習を開始できる手軽さにあるという。コンテンツホルダーは、教材の二次利用の場を新しく得ることができる点、販売チャネルの拡大、そして、配信、課金、ユーザーおよびコンテンツ管理のプラットフォームをマナビノ側が提供するため、新規市場への参入リスクを軽減できることに価値が見い出せるのではないかとする。

◆ドリル・動画・オンラインスクール

 原田氏は、サービス開始時は、1問1答のドリル形式コンテンツ、動画で学ぶ教材、オンラインスクールの3本柱で教材を展開していくとした。ドリル形式の教材はスマートフォンアプリの形式で提供されるもので、ダウンロードすると無料体験ができ、気に入れば代金を支払いすべての機能を使えるようにする。

 動画教材は、ストリーム形式とダウンロード形式が用意される。ダウンロード形式の場合、たとえばサッカー教室、自然教室など屋外でネット環境が期待できない場所での学習や指導にも応用できるそうだ。もちろん、自習教材としてフィールドに持ち出してもよい。オンラインスクールは、まず「マンガ塾」がラインアップされる。これは、専門学校とのコラボで作成されたコンテンツだそうで、マンガの描き方、道具や用語の解説、動画(プロのペン入れが見られる)を使ったレッスンなどがオンラインで可能だ。こちらは、スクールという性格上まずはPC版での提供だが、スマートフォンへの展開もあるという。また、オンラインスクールではオプションで課題添削にも対応している。

◆年度内に大学受験対策を含む300コンテンツ

 今後の展開だが、まずサービス開始時は約100のコンテンツを提供し、年内にはこれを150まで増やすという。さらに年度内には300を目指す計画だ。さらに大学受験(センター試験)対策として、Z会、旺文社、河合出版、清水書院ほか数社とアライアンスを組み、受験対策用の教材を提供する。これにより受験生は通学途中でのドリル学習が可能で、自信のない問題、間違えた問題を繰り返し学習できる機能を利用した苦手単元の克服に期待できる。

◆1,000名まで無料体験キャンペーン

 現状では、Android端末とPCに対応するが、2012年3月までにはiPhone版・iPad版をリリースする予定がある。なお、サービス開始のキャンペーンとしてマナビノのコンテンツを先着1,000名までに1週間無料提供するそうだ。課金システムは、現状ではクレジットカード決済のみだが、通話料での決済やApp Store向けの課金スキームなども順次開発していく。

 NTTラーニングシステムズでは、ワンコインで好きな講座や教材を選べ、自宅やスクールならPC、通勤・通学ではスマートフォン、喫茶店ではタブレットと、まさにこれからの世代の生活スタイルに合わせたサービスとして、年度内の有料ユーザーを20万人、次年度は50万人まで伸ばしたいとした。
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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