【高校受験2015】横浜翠嵐高校<特色検査>講評、高度な読み取り能力と思考力が必要

 神奈川県公立高等学校の入学者選抜が実施された。神奈川県内で多数の塾を展開する湘南ゼミナールの協力を得て、2月17日に実施された横浜翠嵐高等学校の特色検査の講評を速報する。

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横浜翠嵐高校、特色検査の講評
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 神奈川県公立高等学校の入学者選抜が実施された。神奈川県内で多数の塾を展開する湘南ゼミナールの協力を得て、2月17日に行われた横浜翠嵐高等学校の特色検査の講評を速報する。

◆問題の概要:長文かつ複雑な質問、高度な読み取り能力と思考力が必要

 例年の特徴だった、多くの資料やグラフを参考に仮説を複数立てる問題が減り、多少解きやすくなった印象ではあるが、依然として難易度は全体的に高い。

 課題1:尾池和夫氏が著した、日本の大地の特徴や歴史、自然と文化、地形や気候など幅広いテーマを扱った文章が題材。問題は「地上絵を描くとしたら」という非日常的な発問もあれば、語源を問う問題、氷河と地形の問題、英語と日本語の読解問題などオーソドックスな発問もあった。

 課題2:デザイナーの原研哉氏が著した文章をもとにした出題。2進法の情報処理、方程式の立式、文章内容に関しての英語の選択問題に加え、文章と資料を読み取った上での記述問題が出題。ここが今年最難関の問題だった。

◆設問の特徴:読解・思考・表現のバランスのよさに加えスピードも問われる

 例年どおり、リード文は県下でも最長といってよい。英文中に出てくる学習していない単語は、別紙の単語集にあり、読解に手間がかかる。その上、よく読みこまないと正解に達しない複雑さもあり、高い読解力とスピードが必要。

 また、単純な選択問題が一つのみで、他は説明を中心とした記述問題。一つの問題について複数回答をするタイプの問題は今年度も健在。答えを一つだけ出す学習に慣れてしまっていると対応が難しい。幅広く物事を考える思考力と、読解した情報を有機的につなげ、正しく表現する力も必要で、高度なバランスのよさが問われる。

◆課題と対策:学力検査対策そのものも見直して対策を打つ

 従来の学力検査の対策のように、過去問やパターン演習を繰り返すだけでは、翠嵐の特色検査は突破できない。「これはなぜだろう」「どうしてこうなっているのだろう」と考え、調べ、仮説を立てて自ら動いて学んでいく姿勢がベースとして必要となるだろう。横浜翠嵐が求める読解力、思考力、表現力を鍛えるにはこの姿勢が不可欠だ。

 その上でテクニック的には、大量のデータ処理と回答に必要なスピード、単語集に頼り過ぎなくて済むような英語の語彙力、試験の構造と時間を踏まえた時間配分の設定などが必要となる。

 難易度は高いが、横浜翠嵐の特色検査を突破するために必要となる能力は、どんな学習においても必要な能力ばかりである。日常の学習から正しい準備をすることで、特色検査だけでなく学力検査の得点力も必ず向上する。ただ、これらの能力向上には時間がかかるので、早い時期からの対策を心がけてほしい。


 なお、2月16日に実施された共通選抜の学力検査5教科の正答と問題は、リセマム内の「2015年度 神奈川県公立高校入試(問題・正答)」ページにて閲覧できる。
《湯浅大資》

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