「アプリ甲子園2016」決勝大会、優勝は開成高2生のIoT

 全国の中高生を対象にした、スマートフォン向けアプリ開発コンテスト「アプリ甲子園2016」決勝大会が、10月23日にD2Cホールにて開催された。予選を勝ち抜いた10組が集まり、プレゼンテーションを実施。企画力・実装力の両方の観点から、審査員が優秀作品を選出した。

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全参加者で記念撮影
  • 全参加者で記念撮影
  • 司会は清水麻美子氏と平井善之(アメリカザリガニ)氏
  • 「アプリ甲子園2016」決勝大会が開幕
  • 10組(11名)のファイナリストたち
  • ほかのファイナリストの発表中は、横から見守る
  • 審査員は真正面で採点
  • 会場のようす
  • 全国ネットTVの取材も入っていた
 全国の中高生を対象にした、スマートフォン向けアプリ開発コンテスト「アプリ甲子園2016」決勝大会が、10月23日にD2Cホールにて開催された。予選を勝ち抜いた10組が集まり、プレゼンテーションを実施。企画力・実装力の両方の観点から、審査員が優秀作品を選出した。

 D2Cが主催し、ライフイズテックが運営する「アプリ甲子園」は、12歳~18歳の全国の中高生が開発したスマートフォンアプリを広く募集し、優秀な作品を選出するコンテストだ。2015年は1,300以上の作品応募があったところ、さらに2016年はその数字を上回り、中高生向けのアプリ開発コンテストとしては日本最大規模の開催となった。さらに、今回はイタリアの9歳の少女から、初の海外エントリーもあったという。

 コンテストは事前に一次(書類)・二次(プレゼンテーション)審査を実施。決勝大会で、最後に残った10組によるプレゼンテーションが行われ、最終選考と表彰が行われる。優勝者にはiMacまたはMacbook Pro、準優勝者には最新型タブレット端末またはApple Watchが賞品として贈呈されるほか、各協賛企業の審査による特別企業賞も用意されている。

 第6回目となる「アプリ甲子園2016」決勝大会は午後1時過ぎにスタート。まずは司会者によるオープニングに続き、ファイナリストが登壇する。みな緊張した面持ちだが、司会者のユーモアのある問いかけには笑みを見せる一コマも。その後、主催者挨拶や審査員挨拶に続き、開会が宣言され、いよいよ決勝戦が始まった。審査員長は、デジタルハリウッド大学学長・工学博士の杉山知之氏。審査員は、CANVAS理事長・デジタルえほん代表取締役・慶應義塾大学准教授の石戸奈々子氏、フォーブスジャパン副編集長兼Web編集長の谷本有香氏、チームラボ取締役の田村哲也氏、慶應義塾大学環境情報学部准教授・博士の中澤仁氏が務めた。

 プレゼンテーションは1人5分。「独創性」「デザイン性」「消費者支持度」の3項目について、各100点・合計300点が審査員から与えられる。点数はプレゼンテーション後、すぐに集計されその場で発表される。決勝戦に残ったのは、以下の10アプリだ。決勝大会のプレゼンテーション順に紹介しよう。

◆「Memorie」西林咲音さん/品川女子学院高校1年
【結果】独創性:71点、デザイン性:88点、消費者支持度:89点 計248点
 誰でもすぐに音楽付きのスライドショーを作成できるアプリ。「誕生日に仲のいい友達にプレゼントする」というコンセプトで、現代の女の子に使ってほしいと考えている。友人からは機能についてのアドバイスなどをもらい、1年半かけて開発した。ライフイズテックに中学2年生から“習い事”として通っている。「すばらしいプレゼンテーションで聞き入ってしまった」(石戸氏)

◆「VR絵本メーカー」木村皓子さん/慶應義塾女子高校3年
【結果】独創性:91点、デザイン性:76点、消費者支持度:81点 計248点
 VR映像を簡単に作ることができるアプリ。できあがった映像は、「ハコスコ」などのVRビューワーサービスで視聴できる。簡単に空間内に吹き出しやイラストを配置し、エフェクトをかけることもできる。開発期間は半年ほど。「宮澤賢治の“銀河鉄道”に乗るとかは、現実にはできないけど、VRならできる」と思い、開発に取りかかったとのこと。友人にイラストを描いてもらうなど協力してもらったという。「アプリは、純粋に楽しむモノと、さらに何かを作るモノとに分かれる。このアプリは後者で、新しいクリエイティブを生み出す内容だ」(中澤氏)

◆「BOXES」生津圭太さん、中村燎平さん/福岡県立筑紫丘高校2年
【結果】独創性:83点、デザイン性:80点、消費者支持度:76点 計239点
 不思議なキャラ「Chunk(チャンク)」に話しかける新感覚のゲームアプリ。Chunkは感情を読み取り、言葉に応じて色が変わったり返答が変わったりする。形態素解析と感情分析の機能を持っており、新しい言葉遊びが体験できるという。多人数で遊べることが最大の特徴。Twitterとの連携も今後実装の予定で「まだまだやりたいことがいっぱいある」とのこと。

◆「Which is the floor?」西村大雅さん/立教新座高校1年
【結果】独創性:82点、デザイン性:85点、消費者支持度:92点 計259点
 障害物をよけて進む“だけ”のシンプルなゲーム。立方体を回転させることでステージを自動生成しているが、行き詰まらないロジックと飽きさせない仕組みが施されているという。AIによるゴースト生成、動画のシェア機能、経験値によるレベルアップ、フラットデザインなど、シンプルながら高度かつ充実した内容となっている。1年ぐらいでUnityを習得し、このゲームもUnityで開発している。

◆「言い訳メーカー」森本くるみさん/青山学院高等部3年
【結果】独創性:91点、デザイン性:82点、消費者支持度:83点 計256点
 「自分のJKらしさを生かし、“JKファースト”なアプリを作った」とのことで、ドタキャンや遅刻の“言い訳”を自動生成してくれるというアプリ。実際に使ってみるまでわからないことや、ネタ系の言い訳も豊富なことなど、ただの自動生成アプリに終わってない斬新なアイデアが多数盛り込まれている。イラストを多数使ったプレゼンテーションもインパクトがあり、会場の笑いを誘った。内容を充実させるために「言い訳の共有機能」も搭載されている。「大好きです(笑)」(田村氏)。「すばらしいです(笑)」(石戸氏)

◆「LightsOut」鍋島由輝さん/千葉市立稲毛高校2年
【結果】独創性:78点、デザイン性:86点、消費者支持度:87点 計251点
 パネルを反転させ色を合わせていく、シンプルな面クリア型ゲーム。ランキングは世界中で競い合え、すでにGoogle Playで公開している。自分で問題を作り、友達と共有することもできる。「万人受けするゲーム、子どもも大人も外国の人も楽しめるゲームがいいと思い、そういうゲームを目指した」とのこと。開発期間は約半年。

◆「にっきかんさつ。」荒巻美南海さん/渋谷教育学園幕張高校2年
【結果】独創性:83点、デザイン性:86点、消費者支持度:80点 計249点
 「夏休みの宿題、ちゃんとやりましたか?」と元気に会場に問いかけてプレゼンテーションをスタート。「日記をどんどん新種の生き物に食べさせて、成長させる」というペット育成型ゲーム。あげた日記に応じて、生き物がどんどん成長・変化していく。食べさせた日記は、あとから振り返ることも可能。これで日記が三日坊主になるのを防ぐことができるという。「プレゼン力が圧倒的」(谷本氏)。

◆「Find Family」大渕雄生さん/開成高校2年
【結果】独創性:91点、デザイン性:87点、消費者支持度:95点 計273点
 認知症者を対象にしたIoTツール&アプリ。靴にはGPSやバッテリ、SIMが組み込まれており、アプリ側で位置情報を把握できる。複数の登録をして、一気に確認することも可能。靴を履いたかどうかの履歴も残せるため、外出の有無なども把握できる。靴を光らせる仕組みで、一般の人も、すぐに利用者を判別できるのも特徴的だ。iOSアプリ開発は1年前からやっていたが、ハード開発は初めてだったとのこと。

◆「DotResonance」矢鋪明司さん/N高校2年
【結果】独創性:85点、デザイン性:87点、消費者支持度:87点 計259点
 タップ範囲が変化する、少し変わった音楽ゲーム。「音楽ゲームが好きで、自分で作ってみたかった」のが動機。流れる曲に合わせて四角形と四角形とが重なったらタップするだけで、高い快感を実現している。プレイ画面のデザインをプレイヤーがカスタマイズできる。Android端末で発生しやすいという音楽と画面のズレ、音楽と操作のズレを解消できる機能や独自のエフェクトも搭載している。

◆「Photton」大屋彩乃さん/青山学院高等部1年
【結果】独創性:81点、デザイン性:85点、消費者支持度:93点 計259点
 「フォトをフォットンできる=簡単に消せる」画像整理アプリ。左右の矢印ボタンで、右を押せば捨てる、左を押せば残す、と判断して、最後に一括削除できる。シンプルな機能に整理したため誰にも使える一方で、類似アプリがほぼないため、「ぜひすべてのiPhoneユーザーに使ってほしい」という。

【次ページ】優秀作品が勢揃い。気になる審査結果は…?

《冨岡晶》

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