【大学受験2024】国公立入試速報、理系女子枠増加…旺文社

 旺文社教育情報センターは、入試動向分析「2024年国公立大入試 変更点速報(2023年5月)」を公表した。京都府立大は全学規模で改組。東京工業大、名古屋工業大等の「女子枠」新設・拡大や、お茶の水女子大の共創工学部新設等、理系女子への門戸拡大が目立つ。

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 旺文社教育情報センターは、入試動向分析「2024年国公立大入試 変更点速報(2023年5月)」を公表した。京都府立大は全学規模で改組。東京工業大、名古屋工業大等の「女子枠」新設・拡大や、お茶の水女子大の共創工学部新設等、理系女子への門戸拡大が目立つ。

 旺文社は毎月発行する「螢雪時代・2023年5月号」の特集に、一部、加筆・訂正を施した「2024年国公立大入試 変更点速報」を公開。2月末までに判明した2024年国公立大入試の志願動向に影響しそうな変更点を速報している。

 2024年入試では、募集人員の増減、科目の変更、学校推薦型・総合型選抜の導入等は2023年とほぼ同程度だが、新増設・改組はやや多い。大学入学共通テスト(以下、共テ)の難易は、ほぼ2023年並みと推考。ただし、2025年の新課程入試を直前に控えているため、「後がない」意識から、現役志向と安全志向が極度に強まるものと見られ、受験生には冷静な判断が求められるという。

 理系では「女子枠」設置の動きが目立つ。東京工業大では物質理工等4学院で学校推薦型・総合型選抜に「女子枠」、北見工業大-工の総合型は「女子特別枠」を新設。さらに、名古屋工大-工の共テ免除推薦型でも、3学科(物理工、情報工、社会工-環境都市分野)で女子枠が新設される。

 特に理系では情報科学系学部の新増設が目立つが、扱う分野は各大学・学部ごとに違いがあるため、注意が必要だという。国立大では、茨城大-地域未来共創学環、宇都宮大-データサイエンス経営、お茶の水女子大-共創工、熊本大-情報融合学環が新設予定。

 公立大では、京都府立大-生命環境を再編、文から和食文化学科を移行し、農学食科学・生命理工情報・環境科学の3学部を開設予定。また、周南公立大-経済・福祉情報も3学部(経済経営・人間健康科学・情報科学)に改組される。さらに、富山県立大-情報工、下関市立大-データサイエンス、高知工科大-データ&イノベーション学群も新設予定となっている。

 入学後に専門分野を決める、募集単位の「大括り化」も行われる。山梨大-工では、「7→1学科(7コースと総合工学枠)」に改組予定。総合工学枠で入学後は「総合工学クラス」に所属し、2年次から各専門コースに進む。また、釧路公立大-経済も前・中期、推薦型が「学科別→学部一括募集」に変更される。

 一般選抜の日程変更では、埼玉県立大で後期を募集停止する一方、埼玉大-教育は後期を新規実施。23年に「私立→公立」化した旭川市立大は、経済が前・後期、保健福祉が前・中期に新規参入。新設予定の熊本大-情報融合学環は前期のみで実施予定。

 募集人員は、東京工業大が推薦型・総合型の女子枠新設にともない、物質理工等の4学院で前期で削減。千葉大-園芸では前期の募集人員を増やし、後期を削減する一方、神戸大-工では前期を削減し、後期を増加する。

 この他、旺文社では入試科目の増減や、各大学のおもな変更点を一覧でまとめて掲載している。また、変更点については、今後、各大学の選抜要項や募集要項等で内容を必ず確認してもらいたいとしている。

《川端珠紀》

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