東大生100人に聞いた「自分から勉強する子の家庭の習慣」勉強をやる気にさせる時間のルール

 全国で教育支援事業を行っている 東大生集団 カルペ・ディエム代表 西岡壱誠氏の著書『自分から勉強する子の家庭の習慣』より、勉強時間や遊びの時間に関する東大生の家庭のルールについて紹介する。

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  • 東大生の小学生時代、「帰宅後夕食までの時間に勉強」が8割以上

 東大に合格するような子供が育つ家庭では、勉強面だけでなく、生活面やコミュニケーションの面から、親によるさまざま々な工夫が垣間見える。筆者(全国で教育支援事業を行っている 東大生集団 カルペ・ディエム代表 西岡壱誠)は『自分から勉強する子の家庭の習慣』(すばる舎)を上梓した。これは、東大生100人へのアンケート結果をもとに、東大生の親がどのように子供と接していたのかについてまとめたものだ。※本記事はアフィリエイト広告を利用しています

 今回は、勉強時間や遊びの時間に関する東大生の家庭のルールを共有したい。

東大生の小学生時代、「帰宅後夕食までの時間に勉強」が8割以上

 今回の調査では、小学校時代には東大生100人の8割以上が「学校から家に帰ってきてから夕食までの間の時間」で勉強していたと回答していた。逆に夕食の後は、その多くが友達とゲームをしたり漫画を読んだりして遊んでいたようだ。

画像提供:カルペディエム

 もっと詳しく調べてみると、夕食まで勉強をして、その間に出された宿題ややるべき勉強を終わらせることをルール化している家庭が多かった。つまり、制限時間内に終わらせるように勉強する、ということだ。「夕食」というタイムリミットは、小学生にとってもわかりやすく、その時間は毎日決まっている。毎日同じ時間に勉強をする習慣がついていれば、身体がそれを覚えて、勉強を自然と続けられるようになるというわけだ。

 この他にも、多くの家庭で、制限時間の中で物事を終わらせる姿勢をもつための工夫があった。たとえば簡単なことだが、子供の部屋やリビングの机など、わかりやすい位置には必ず時計が置かれていた。子供が常に時計を目にする環境をつくることで、「もうこれだけ経ったのか」と時間の感覚を身に付けられるようになる。さらに、お風呂の時間や朝食の時間など、かなり細かく決まっている家庭も多かった。

 「19時には夕食、20時にはお風呂、22時には就寝」と時間が決まっていて、毎日その時間を目安に行動し、その中で自由な時間を設定しているのだ。「お風呂から出た後の20時半から22時は遊んでO K」といった具合だ。

 とある家庭では、学校と同じように、タイミングに合わせてチャイムが鳴るように時計を設定していたそうだ。「あ、チャイムが鳴ったからご飯を食べよう」「チャイムが鳴ったからそろそろ寝よう」と、音で時間を区切っていたのである。子供が時間にルーズになることを防ぐためのユニークな工夫だ。

勉強時間にも制限を設けていた家庭も

 もう1つ、取材していて面白く感じた事例があった。それは、勉強に時間制限をつけていた家庭だ。「ゲームは1日1時間」と決めている家庭は多いと思うが、その家庭ではゲームの時間だけでなく、勉強の時間も決められていた。

 「勉強とゲームは1日1時間」と決まっていて、仮に1時間以上勉強したいと子供が言っても、「なんで1時間以内に終わらせなかったの?」と、勉強をしたいと言ったことを褒められるのではなく、時間にルーズになっていることを怒られたそうだ。

 もちろん成長に合わせて勉強の時間は長くなり、また、子供が「今日はどうしても2時間やらないと終わらない量の宿題が出たから、ルールを変えたい」と言えば受け入れていたようだが、それでも勉強にもゲームにも時間制限を設けて、とにかく子供には時間を守らせることを意識していたというのである。それほど、この家庭では「時間を守る」ということを重視していたのだ。

 一見すると、勉強に時間制限を設けることは、子供の勉強時間を減らし、学力に悪影響があるように感じられる。しかし、だらだらと勉強するのではなく、この1時間で宿題を終わらせようと意識して勉強すると、勉強の質が上がるという効果がある。逆に長い時間勉強を強制されると、「この時間早く終わらないかな」と勉強がつまらなくなって、どんどん勉強の質が落ちてしまう。

 また、「この時間内にこれを終わらせよう」という目的を明確にしていく勉強習慣を身に付けられるようになる。中高生になり、自分で自分の勉強をコントロールして自学自習していく姿勢が求められるようになったときに、目的を持った勉強を制限時間内に行う思考がある子は学力が伸びやすい。効果的に時間を使い、部活動と両立して勉強をすることもできるだろう。実際、勉強に時間制限のあった家庭の子供は、運動部と両立しながら現役で東大に合格している。彼が時間の使い方が上手だったのは、この家庭のルールが関係していると言えるだろう。

勉強以前に大切なのは時間を守る習慣

 今回の調査を通じて、多くの東大生の家庭で「勉強以前に、時間を守ってメリハリをつけた生活ができるようになる」ことを重視した子育てが行われていたように感じる。

 今、スマホに時間を取られてしまって、ボーッとする時間やただスマホを眺めている時間が多い子が多くなってきている。これにより、子供たちの時間の使い方はどんどん下手になってきていると言えるかもしれない。

 そんな中で、スマホにもゲームにも、そして勉強にも時間制限を設けて、メリハリのある生活を支援してあげることは、有効な手立てだと言えるのではないだろうか。そうすれば、遊ぶ時は遊び、勉強する時は集中して勉強する、そんな充実した時間の使い方ができる人に育っていくと言えるのではないだろうか。








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《西岡壱誠(カルペ・ディエム)》

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