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夏休み明け小中高生の自殺防止へ…政府が対策強化

 小中高生の自殺者数が深刻な状況にある中、政府は2024年8月1日から子供・若者の自殺防止のための取組みを強化し、集中的な啓発活動を始めた。長期休暇明け前後に自殺者が増加する傾向を踏まえ、ポスターや動画の掲示、相談窓口の案内、学校への働きかけなど、政府全体で対策に力を注いでいる。

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小中高生の自殺者数の推移(警察庁自殺統計原票データより厚生労働省自殺対策推進室作成)
  • 小中高生の自殺者数の推移(警察庁自殺統計原票データより厚生労働省自殺対策推進室作成)
  • 令和6年度自殺予防週間広報ポスター

 小中高生の自殺者数が深刻な状況にある中、政府は2024年8月1日から子供・若者の自殺防止のための取組みを強化し、集中的な啓発活動を始めた。長期休暇明け前後に自殺者が増加する傾向を踏まえ、ポスターや動画の掲示、相談窓口の案内、学校への働きかけなど、政府全体で対策に力を注いでいる。

 小中高生の自殺者数は、近年増加傾向が続いている。2023年の小中高生の自殺者数は513人。過去最多であった2022年の514人と同水準となっており、深刻な状況が続いている。

 政府が2022年10月に閣議決定した「自殺総合対策大綱」では、子供・若者の自殺対策のさらなる推進・強化を盛り込んでいる。2023年6月には「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を取りまとめている。

 子供や若者の自殺は、長期休暇明け前後に増加する傾向があることから、8月1日から特に子供・若者を対象とした自殺防止の啓発活動を厚生労働省、こども家庭庁、文部科学省、内閣官房孤独・孤立対策担当室が連携して開始した。

 厚生労働省は、子供・若者向けのポスターや動画を作成し、夏季休暇中から掲示。自殺対策に関する相談窓口などの情報をまとめたWebサイト「まもろうよこころ」の周知など、幅広いルートを通じて子供・若者に必要な情報を届ける。

 文部科学省は、子供や若者の利用が多いYouTubeに動画広告を掲載し、文部科学省公式SNSで相談窓口を案内。7月12日には、全国の学校・教育委員会などに通知を発出し、児童生徒の自殺予防への積極的な取組みを依頼している。

 厚生労働省のWebサイト「まもろうよこころ」内のページ「広げてみよう支え合い」では、広報のポスターや動画、バナー画像などの素材を提供している。必要とする人に届けてもらうため、学校や職場など自由にSNS(LINE、X、Facebookなど)で拡散できる。

 「まもろうよこころ」では、悩みや不安を抱えている人の事情や年代、電話できる時間などにあわせて選べる電話相談窓口を紹介。電話で相談しづらい人のため、LINEやオンラインチャットなどの相談窓口、相談窓口を検索できる「支援情報検索サイト」なども案内している。

《奥山直美》

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