小3の保護者、「子育ての負担や悩み」7割がある

 厚生労働省は、第9回「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)」の結果をホームページで公開している。同調査は、同一客体を長年にわたり追跡する縦断調査として、平成13年度から実施しているもの。

生活・健康 その他
母の就業状況
  • 母の就業状況
  • 第2回調査と第9回調査の対象児の同居者構成別にみた母の就業状況
  • 第回調査と第9回調査の対象児の母の就業状況、同居者構成別にみた平日に母と一緒に過ごす時間
  • パート・アルバイト
  • 子どもを育てていて負担に思うことや悩み(上位8項目、複数回答)
  • 第7回調査で「父母と同居」、第9回調査で「母のみと同居」
  • 第7回調査で「父母と同居」、第9回調査で「母と祖父母等と同居」
  • 第7回調査から第9回調査までずっと「母のみと同居」
 厚生労働省は、第9回「21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)」の結果をホームページで公開している。

 同調査は、同一客体を長年にわたり追跡する縦断調査として、平成13年度から実施しており、21世紀の初年に出生した子の実態や経年変化の状況を継続的に観察することで、少子化対策等の施策の企画立案等の基礎資料を得ることを目的としている。

 調査の対象は全国の2001年(平成13年)1月10日〜17日および7月10日〜17日に出生した子とし、厚生労働省が人口動態調査の出生票を基に抽出。双子、三つ子についてもそれぞれの子を対象とし、集計客体数は35,264人。

 第9回調査の対象児の年齢は9歳(小学校3年生)で、調査時期は、1月生まれは平成22年1月18日、7月生まれは平成22年7月18日。調査票の配布・回収は郵送により実施。調査事項は、母親の就業状況、子どもと一緒に過ごす時間、子どもを育てていて負担に思うことや悩み、子どもを育てていてよかったと思うこと、習い事等の状況やお手伝いなど。

 母親の就業状況の変化をみると、、「パート・アルバイト」は、第1回調査(出産半年後)(3.6%)から第9回調査(36.8%)まで年々増加している。一方、「常勤」の割合は、第1回調査以降大きな変化はみられず、今回調査では18.3%となっている。

 第2回調査と第9回調査の対象児の同居者構成別に第9回調査の母の就業状況をみると、第2回調査から第9回調査までずっと「父母と同居」していた場合の「有職」の割合は6割弱であるが、第2回調査で「父母と同居」、第9回調査で「母のみと同居」になると8割を超えている。さらに「常勤」の割合の変化をみると、第2回調査から第9回調査までずっと「父母と同居」していた場合は12.8%から13.8%とその差は1ポイントと微増であるのに対し、第2回調査で「父母と同居」、第9回調査で「母のみと同居」になると、14.5%から35.3%と大幅に増加している。

 第2回調査と第9回調査の対象児の母の就業状況、同居者構成別に平日に母と一緒に過ごす時間をみると、「常勤」では第2回調査、第9回調査ともに「2~4時間未満」の割合が多い。一方、「パート・アルバイト」をみると、第2回調査から第9回調査までずっと「父母と同居」と第2回調査で「父母と同居」、第9回調査で「母のみと同居」の場合では第2回調査で「6時間以上」、第9回調査では「4~6時間未満」の割合が多くなっている。また、「常勤」の方が「パート・アルバイト」に比べて平日に母と一緒に過ごす時間は短くなっている。

 第7回調査と第9回調査の対象児の同居者構成別に「子どもを育てていて負担に思うことや悩みがある」と回答した人の割合は、いずれにおいても7割を超えている。さらに負担に思うことや悩み(複数回答)をみると、「子どもと過ごす時間が十分に作れない」の割合では第7回調査から第9回調査までずっと「父母と同居」していた場合は28.7%から27.0%と減少しているが、第7回調査で「父母と同居」、第9回調査で「母のみと同居」になると、37.9%から42.8%と大幅に増加している。「子どもの病気などのときに仕事を休みづらい」では第7回調査から第9回調査までずっと「父母と同居」していた場合は17.1%から18.0%と微増であるのに対し、第7回調査で「父母と同居」、第9回調査で「母のみと同居」になると、23.3%から31.2%と大幅に増加している。

 第3回調査と第9回調査の対象児の同居者構成別に「子どもを育てていてよかったと思うこと(複数回答)をみると、いずれの同居者構成においても第9回調査では第3回調査に比べて「毎日の生活にはりあいがある」、「子どもを通して自分の友人が増えた」をあげる割合が増加している。

 第7回調査と第9回調査の対象児の同居者構成別に習い事等の状況の変化をみると、第7回調査から第9回調査までずっと「父母と同居」していた場合では習い事等を「している」割合は78.5%から87.3%と増加している。第7回調査で「父母と同居」、第9回調査で「母のみと同居」になると、70.9%と変化がみられない。

 第6回調査と第9回調査の対象児の同居者構成別にお手伝いの状況(複数回答)をみると、いずれの同居者構成においても「食卓に食器を並べる、片づける」割合がもっとも多くなっている。また、「父母と同居」と「母のみと同居」の割合を比べてみると、第6回調査、第9回調査ともに「買い物の荷物を持つ」、「掃除」、「洗たく物をたたむ」、「おつかい」では「母のみと同居」の方が高くなっている。
《前田 有香》

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